空想恋愛令嬢が、パーティー会場で王子様に愛を告白したら、そこは現実の教室の中でした。
「私は、この悪役令嬢の生まれ変わり、転生令嬢です」
恋物語を読んで、私は、確信しました。
私の、今の名前は、アンジェリーナ、学園の中等部3年生です。
美しい赤毛に、エメラルドグリーンの瞳、爵位が高い悪役令嬢の証です。
同級生の女の子、親友のダイヤハート嬢から借りた恋物語に、感動しています。
「私は、孤児院から引き取られた女の子なのよ」
「前世では、社交界で悪役令嬢だった」
「意地悪な同級生のギルスペードは、パーティーで私を断罪した、あの王子様の生まれ変わりだわ」
「アンジェリーナ? 課題の短編小説は出来たの」
ダイヤハート嬢が、覗きに来ました。
綺麗な金髪に、サファイヤブルーの瞳、これは平民から聖女に駆け上る証です。
あれ、ここは、学園の教室? いや、ここはパーティー会場よ!
「貴女は、王子様の横に立つヒロインの、生まれ変わりなのね」
「え? ダイヤハートだよ」
あぁ、ヒロインの名前は、ダイヤと言うのね。
「もう、短編を提出する時間だよ」
ヒロインが、婚約破棄を、急かしてきます。
「待って、私は今、前世の記憶を思い出しています」
私の前世の記憶が、頭に流れ込んできている所のはずです。
「おい、アンジェリーナ、まだ出来ないのかよ」
「静かにしてやってギルスペード、アンジェリーナは集中している所だから」
「貴方は、王子様!」
目の前に、王子様がいます。
黒髪を短く整え、漆黒の瞳、これは第二夫人が生んだ王族の証です。
「私のことは、どうか、前世のように、アンとお呼びください」
「え? 俺が、お前の王子様」
「教室の中で、告白するなよ、恥ずかしい・・・」
「私が、こんなに愛しているのに、王子様は、その横に立つ令嬢を選ぶのですか」
王子様は、ヒロインを横に立たせています。
「え? ダイヤハートは素敵な令嬢だが、俺は、アンジェリーナのことが、ずっと・・・よ」
王子様は、婚約破棄をためらっているようです。
「王子様、私と、駆け落ちしましょう!」
私は、立ち上がり、王子様を抱きしめ、、、熱く口づけします。
「「キャー!」」
ヒロインが、パーティー会場が、私たちを祝福しています。
「お、お前ら、授業中に、何やってんだ!」
国王が怒鳴り込んできました・・・
◇
二人で、学園長から説教され、、、帰りの廊下です。
「これまで、意地悪して、ごめん・・・俺、好きな子には素直になれなくて」
ギルスペードが、本音を話してくれました。
「俺、ファーストキスだった・・・」
「私も、・・・感謝しなさいよ」
漆黒の瞳、柔らかな唇、思い出してしまい、顔が熱くなります。
「明日、赤い花束を持って、アンジェリーナの屋敷に行くから」
赤い花束は、プロポーズの定番アイテムです。
「え、うん、ありがとう」
このドキドキ感は、小説で想像していたより、激しいです。
手をつなぎ、二人で教室に帰ります。
━━ FIN ━━
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