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迷ったら前へ進めと花菖蒲

 というわけでえいやっとスタートした4コマ漫画の企画。とは言え本当に何の計画もない状態からこれをある日一瞬にして思いつくなんてミラクルは少なくとも私がこれまで生きてきた中では脳内において巻き起こった事はない。


 本作に関しても色々な思惑の中で「こういうのがあればいいな」と頭の中でぼんやり思い続けていたものが2019年6月11日にようやく具体的な形を伴ってスパークしたといった状況がより本質に近い。


 では元々どういうアイデアがあったかと言うと、現在生きている事実上唯一のラインである「エメラルド色の瞳を輝かせて少年と少女は愛を語る」という小説に挿入する何かがほしいと常々考えていたのだ。


 この小説は小説と言いつつその正体はスポーツと芸能、その他政治や歴史からアニメ漫画などその時その時に興味を持った事柄に対してちょっと絡むという事実上のエッセイとなっている。


 しかし小説としての体裁を整えるために「主人公の少年と少女は地球を守る戦士であり、厳しい戦いの最中でも好きなものを好きと口にする事でようやく自分達が人間である事を確かめている」みたいな設定にした。


 という事で趣味語りパートとドラマパートは明確に分離しており、しかしそれが一つの小説でございますという顔で同じ部内に共存していた。具体的には前半は会話劇の形で趣味を語り、一応の結論に達したところで唐突に敵が訪れそれと戦うパートに突入するのが基本形となっている。


 これは筆者の脳内においてはあるがままの姿として何の矛盾もなく存在していたが、常識的に考えて普通の読者からすると分かりにくい構成となっているのは間違いないだろう。


 というわけで二つのパートに切り替わる際のジングル的な存在があればいいなと長らく考えていた。当初は今まで投稿してきた別の小説で使った画像だけをこっちにも使うというアイデアもないでもなかった。


 具体的に言うと2013年に投稿した「大阪南港に浮かぶガラスの泡が今弾けた」という、これは小説ではなく大阪南港にあったがこの年閉館した「なにわの海の時空館」という施設に行ってみたという体験記だが、その際に写真もいっぱい撮ってアップしている。


 それにしてもこの施設、閉鎖からそろそろ10年経とうというのに未だに再利用の見通しは立っていないそうだ。絶対金かかってるなってのはすぐに分かる凄い建物ではあるけど、実際どう再利用すればいいのかってなると難しいからそうなるのもさもありなんだが。


 ともかくそういう画像は一応存在しているのでそれを使おうというアイデアが持ち上がったが、「エメラルド~」は2019年時点でも200話を超えていたが「大阪南港~」の画像は15枚程度しかない。同じ画像を延々使い回すにしても限度があるという事で一旦ボツになった。


 それなら新たに風景写真とかを適当に撮りまくればいいのではというアイデアもないでもないが、それも色々思うところがあってボツ。そういう意味のない画像よりもっと何か、楽しめるようなものであれば良いという考えもあったからだ。


 それで何か漫画とか描くかなと考えていた。内容も内容だし、新聞にも漫画が掲載されているんだからそういうニュアンスも込めたつもりで。じゃあ描くとして題材はどうするのか、そのアイデアが浮かんでは消える中で「これはいけるぞ!」となるアイデアが出てきたのがまさに6月11日だったという事だ。


 しかし筆者に漫画を描いた経験はない。アイデアが出続けるかは分からない。でもとにかくやってみるしかないという事でまずは我武者羅に、時系列なんかは関係なくとにかく思いついたアイデアを思いついた順に形にするという方向性でとにかく描きまくる事にした。


 以下に並べるのは6月中に描き始められた作品である。自分のPC内で最初に描き始めてファイルが作られたのが作成、なろう専用の画像サイトであるみてみんに投稿したのが投稿、「エメラルド~」に掲載されたのが掲載となる。


 描き始める=完成ではない。なにぶん私は未熟なので一応最後まで描いてはみたものの「何かが違う。でも何が違うのか分からない」というモヤモヤを抱えながらファイルを閉じる。


 そしてある時「ああそうだ! ここが足りなかったんだ!」と気付けば修正する。画像を見てそういうのがなくなった時が投稿のタイミングだ。そして掲載は、ちょうど「エメラルド~」が200部を超えたあたりから始まっている。


 それが概ね2019年の4月から、つまり漫画を描くより少し先になっているので特に初期作品は作成投稿掲載の順番がやたらと前後する事がある。これが作成して投稿して掲載するという常識的な順序に落ち着くのはいつの事になるのだろうか。




挿絵(By みてみん)


作成 2019年6月

投稿 2019年8月

掲載 2019年4月


 前回でも掲載されたが早くも再掲。それだけ自信作という意味ではない。むしろまず部分はいっぱいあるのだが始祖がこれである以上無下には出来ないというものだ。


 線の太さとかトーンとか色々試しながら描いたものだが、耳とか描き慣れてないなとか諸々差し引いても清岡くんに関してはここのが一番美少年指数が高いかも知れない。




挿絵(By みてみん)


作成 2019年6月

投稿 2020年1月

掲載 2019年5月


 描かれたのが極初期でありながら投稿が2020年にまでずれ込んでいるのは絵としての完成度がなかなか上がらなかったからだ。でも初期の作品という認識は強かったので掲載日はやたらと早いという色々ねじれた状況が興味深い一品。


 ただそうやって時間をかけてこねくり回しただけあってシンプルな線による校舎の背景など今後につながるアイデアをいくつも開発する土台となった。これも今見ると仮屋くんの腕が細すぎるとかあるけど、この辺もまた中学生ならこんなものだろうという当初の設定に忠実な結果である。




挿絵(By みてみん)


作成 2019年6月

投稿 2019年9月

掲載 2019年4月


 ラグビーがテーマだしなわかなりに一応それなりに勉強もしたんだよ! みたいな内容。男鹿に関しては早々とキャラが掴めたのでありがたいものだ。


 それと2コマ目のシンプルな線で校舎をイメージさせる背景の技法は今後も定番化する。これも本筋の絵がすんなり決まった事でそういう部分にも目を向ける余裕が出来た証明だろう。




挿絵(By みてみん)


作成 2019年6月

投稿 2023年9月

掲載 2019年8月


 多くの作者が苦労しているところだとは思うが、男子のスポーツを題材にすると構造上出てくるのが男ばっかりになってしまう。


 まあ男を描きたいならそれも天国となろうが、でもできるなら男も女もうまく描きたいもので、それでどうにかマネージャーなり幼馴染なり主人公を素人にした場合いっそ習熟者として出てきたりで色々とヒロインを出すテクニックが発達してきた。


 そして本作のヒロインたる北三田葛子、通称カッコちゃんが登場する初期作のうちの一つ。とりあえずエイトくんの幼馴染なので、精神的な近さみたいなのを意識しながら描いた。


 内容自体はお気に入り。しかし絵的にはもっとうまく描けているはずだったのに見返してみると思っていた以上にアラが目立つとかねがね引っかかりがあったので、元々19年9月に投稿していたがいくつか修正した。


 特に以前はスカスカだった背景の処理とか、それと微妙な表情も修正したが当時込めたニュアンスは極力残すように努力した。2コマ目のカッコちゃんの口とか。


 関根くんの髪型処理問題に関しても、そろそろ古いのは一層されたのではないか。関根くんと戸羽くんが仲良しなのはサッカー部の同僚だからってだけじゃなくてそれぞれ硬派の中の軟派、軟派の中の硬派部分が共鳴しているからかと推察される。




挿絵(By みてみん)


作成 2019年6月

投稿 2021年3月

掲載 2019年8月


 かなり初期に描かれた、カッコちゃん初登場作。まだワールドカップ開幕前だった当時のラグビー観が出ているのが特徴。


 修正点に関して、1コマ目はほとんどいじってないはず。ただ新倉くんの髪の毛の線の先端を少し削ったりはした。2コマ目も主な修正点は新倉くん。自分が痩せているのもあって太ったキャラの太り方に関して昔はあまり徹底出来ていなかったが、少しはニュアンスが伝わる絵になったと自負している。


 3コマ目は背景の文字のバランス修正が主な変更点。前は横に並んでいたものを斜めにした。そして4コマ目は表情や手の部分を大いにいじった。トーンとベタを併用した背景も新味だが他には使われてないはず。


 とにかく色々いじった結果か掲載されている話がなぜかよく閲覧されているからか、割と本作の閲覧数が伸びていて嬉しい。元々そういうのが主目的じゃないとは言え、やっぱり読まれていると描いた修正した甲斐があったってなるものだ。




挿絵(By みてみん)


作成 2019年6月

投稿 2022年2月

掲載 2019年6月


 これなんかは完全に絵的な不満をどうにかしたいがための修正だった。その割に本懐を遂げられたかというとかなり微妙ではあるが、微妙な表情とか手付きなんかはかなり手を加えた。でも人がいっぱいいると修正するのも面倒だ。


 内容的にはまず日本におけるラグビードラマの筆頭がスクールウォーズなのは間違いないところであろう。その話と当時映画名探偵ピカチュウの予告映像でヒーローが使われていたのを合わせた、やっぱりかなり時事ネタ成分が高い内容となっている。


 そういうのに限って後からいじるのはちょっと格好悪いけど、結局そういう内容だからこそ「今すぐにでも出さなければ」と意識するあまり内容が甘くなってしまうのだろう。地力があればさらっと正確なものも描けるんだろうけど、そこまでの努力をしてこなかったからどうにもならない。




挿絵(By みてみん)


作成 2019年6月

投稿 2022年2月

掲載 2020年1月


 初期の作品は共通して背景がおざなりという特徴があり、これなんかは顕著だった。また比較的アップで主人公とヒロインの顔が描かれている割に「もうちょっとうまく描けるだろう」という感触もあったのでえいやっと修正する事にした。


 内容的にはある意味時事ネタとは対極の、作者が生まれるはるか昔である80年代前半の作品のパロディとなった。とっくに古びたネタを今更のように使う厚かましいものだったが割とお気に入りだったりする。というかこれがテンちゃん初登場だ。


 修正箇所について、まず1コマ目は背景を入れた。いかにも田舎の田園風景って感じでこれは大変よろしいと思っている。2コマ目と3コマ目は、アップの顔をかなり今のタッチに修正した。


 でもエイトくんの前髪とか、放っておくと長くなるのをこれぐらいの、本来意図したレベルの短さに保てているのはかなり良いところ。でもこれだと特にエイトくんが本当に中学生みたいだ。思えば年齢も名前も変わりまくる主人公で、もっと最初から練り込んでおけよって感じだ。それと3コマ目の背景の効果も面白い。


 そして4コマ目は放射状の背景を加えたのはもちろんだが、3人の表情をよりデフォルメしたのが最大の変化となるだろう。あんまりこういう表情される機会がないのだが、やる時はやるという事でやらせた。使わないのと使えないのでは雲泥の差だから。




 今回まとめたのは初期の絵柄が色濃く残ったものばかりだ。はっきり言って恥ずかしい。やれるなら今からでもいじりたいといったものばかりだ。そういう感情を抱きながらの作業だったのでかなり修正率が高い。それだけ成長したとも言えるはずなのでそこはあえて胸を張ろう。


 プロの作家でもちょくちょく修正して元のファンから「前のほうが味があって良かったのに」と言われたりするけど、程度の差こそあれやっぱり粗が見えると我慢できなくなるのは仕方ないかと思う。時間もかかるし特にプロだと過去より未来で行くけど、時間をかけて修正出来るのはアマのほうがやりやすいだろう。

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