行く秋や来季は違うユニフォーム
本作はこれまでのところ三部まで進んでいる。まず第一は初期編。とにかく描いてみようという事で行き当たりばったり的にとにかく描いていく中で物語の根幹やこの人物がどんなキャラクターなのかなどを探っていった時期だ。
野球とかサッカーぐらい知識があるならともかくラグビーに関しては知識に乏しい以上、ここのポジションはどういう役割だからどういうタイプが良いかとかも、多少の文献なども参考にしつつあれこれ試していった。
それで言うと野球って便利だよなと心底思う。単にポジションだけでなく打順との組み合わせで「2番セカンドみたいな奴」「8番ライトみたいな奴」とか言うだけでどの程度の選手か比較的スムーズに伝わるし。これも19世紀から今日に至るまでに何度も何度もブームを通り過ぎた中で日本人の中に蓄積されたコンテクストの賜物だ。
ともあれラグビーはそこまで便利じゃない以上、じっくり人間を描いていくしかない。一応「プロップに向いた人間性」「スタンドオフにありがちなキャラ」みたいなのもちゃんと存在しているみたいで実際そういうのをある程度参考にはしているのだが、それだけでキャラクターが完成するものではない。
ジャンプの漫画とかだとそういうのをじっくりやってるうちに打ち切り決定してしまうので昨今はスポーツ漫画不作が叫ばれつつ抜本的な対策には至っていないわけだが、本作は単に趣味でやっているものなので時間をかけようと思えば永遠にやる事も可能。でもこんな前座でエネルギーを消耗しすぎるのもつまらないので大体こいつはこうと見えてきたところで第二部に突入した。
その第二部は言い換えるなら試合編だ。元々の構想ではこれがクライマックスであった。でもこれ以降も続ける、続けたいと判断したからにはここをピークにしてはいけない。
それに試合の描写もなかなか苦労したし。絵が下手なので普段描いてないものはとにかく苦戦しまくっている。それで不満があったり、でもここはうまくいったぞって部分もあったり、とにかく悪戦苦闘した記憶が強く浮かぶ。
これらの話を今まではこの場においてまとめてきたわけだが、今回からは第三部がスタートする。あえて名前を付けるとすれば新加入編となるだろう。
それで冒頭から新加入選手が続々登場する。彼らの存在は当初の構想には一切入っていなかったものだ。しかしこのラグビー部が1試合限りの特設チームではなく恒常的な存在になるからには控え選手の充実は必須。ましてや普通にプレーすれば怪我人が続出するこの競技においては。
それで今回はその前半戦となる話を中心に見ていく事となる。ここからはちまちまと6話か7話ぐらいずつまとめていきたい。
作成 2020年8月
投稿 2024年10月
掲載 2021年4月
元々は2021年2月に投稿されていたようだが表情とか細かいニュアンスをもっと高められるだろうと考えて修正を施した。ただ本当に細かい部分しかいじっていないので読み味はほとんど変わらないと思われる。
いきなりだけどこれは第三部の始まりというよりも第二部のラストというイメージで描いた。最初に試合結果が新聞記事風に掲載されているし。
新聞の作りは一回文字っぽいものを書いてからぼやかしたり、紙の縁のガタガタした感じを再現するために慎重に削ったり割と手間がかかったがある程度答えが見えている作業はゴールが明確だから楽なものだ。
内容的には今後の展開である部員増加を目指すと宣言したもの。やっぱり控えなしはきついし、他校との合同チームで皇子を倒すみたいな展開も考えないでもなかったが、先の事を考えるとやはり単独でチーム維持できるならそれが一番なので。
とりあえず目指せトータル20人、助っ人じゃない純粋なラグビー部は10人ぐらいいたらとりあえず正式な部活としても認められるだろうからそれも計算に入れてみた。
その中で生駒はテニス部からラグビー部に鞍替えするが菊池はあくまでサッカー部がメインとか、それぞれの考え方、価値観の違いのようなものも出してみた。それとエイトくんとカッコちゃんの仲の良さとかも。
最後は夏の空に入道雲と飛行機雲とか描いて空気感を表現。手抜きではない、はず。
作成 2020年9月
投稿 2021年3月
掲載 2021年5月
元々の投稿は21年3月だったそうだ。それまでみたいにサッカー部所属のエイトくんが勝手に「ラグビーやるぞ!」とか言い出してたのではなく正式な部活として学校からも認められる存在になるからには、顧問の先生も当然必要となってくる。というわけで考えた。
そもそも本作が男子スポーツを題材にしている以上性別に関しては男が多くなるのは自明だし、しかもラグビーは1チーム15人、更に控えまで増やそうとしているが当然全員男だ。まさに圧倒的男祭り。
辛うじてカッコちゃんが女子の孤塁を守っていたがさすがにバランスが悪すぎるとは常々思っていたので顧問が女教師となるのは必然だった。ここまで男ばっかり描いているけど、別に女を描きたくないわけではないし、そもそも男じゃないと駄目な人材が多いので男でも女でもいい立ち位置の人は今後も基本的に女をあてがいたいとは常に考えている。そんな奴がいるのかは不明だけど。
それで田町こだま先生。名前がどうこうって話じゃなくてとりあえずたまちゃんって響きに漢字やらを後付けしましたみたいな作りとなっている。元々は角倉とか考えてたけどここを後から修正したために他にも結構な影響が及んでしまった。年齢は23歳で火の玉高校に来て2年目、つまりエイトくん達の世代が入学するのと同じタイミングで教師生活をスタートさせた計算になる。
それで顧問においてはサッカー部の下っ端に配属されてそこでエイトくんと出会い、先生と生徒という以上に姉と弟にも近い関係を築き、その中でラグビー部正式発足の暁にはどうか顧問になってほしいという話も出た。ラグビー経験はおろか観戦経験も皆無で知識も現状ゼロだったが、生徒に向き合わねばという真新しい情熱から引き受ける事にした。
とか色々設定は考えているけど本編で説明するタイミングをうまく作れなかった。それと今回の内容は3コマ目の直接的表現をぼかそうとした結果わけわからなくなってる感じとか珍しく辛辣な生駒くんの発言などが見どころ。1コマ目のナレーションやエイトくんの台詞、4コマ目のもやもやした背景なんかは新たにプラスした部分。
作成 2020年9月
投稿 2021年3月
掲載 2021年5月
というわけで新加入一人目の須和くん。昔からこの須和って名字はどこかで使いたいと思っていたけどなかなか力感がないのでうまく使えずにいた。でも今回の須和くんはかなり須和って感じなので使う事にした。
身長も体重もその数値は極めて小さく、高校生なのにそれ以上に子供っぽい存在と言える。顔もそういう幼い感じ、前髪は短髪かつ毛先はランダムに風に乱れている感じで、というニュアンスのはずだったんだけど未だにうまく描けた例がない。
100m走のタイムは12秒台だけだとピンキリだし12秒台前半って言わせるべきだったか。一応中学時代から陸上部で頑張ってたのでそれなりに走れます。ただ身長も体重もリトルサイズなのでパワーはない。
それでラグビーとかやれるのかって感じだが別に控えだし、即戦力じゃなくてもいいという考えもあってこういうスペックになった。そもそも現時点で完成してるならとっくにエイトくんからのスカウトは来てるだろうし。
1コマ目でもっと緊張してる感じを出そうと色々試したけど結局心臓の鼓動を表す線とドキドキって書くというシンプルな手法が通った。
作成 2020年9月
投稿 2021年3月
掲載 2021年6月
そして矢継ぎ早に二人目も加入。板蓋くんは名前どうしようとあれこれ考えた結果まず読めないし現実に存在するのかも危うい感じになってしまった。一応古代日本の板蓋宮から採っているけど読みは「いたぶき」じゃなくて「いたふき」なのがポイント。
モチーフはインターネット上で高い人気を誇る例の漫画。名前だけでなくルックスや性格、文字の書き方など一部のテクニックも参考にしながら仕上げた。
とにかくモデルがモデルなので他の新人と比べると肉体的な基礎はしっかりしているけどボールの扱いはもう一歩って感じ。やはりフロントロー要員か。
強くはあるが最強ではないので程々に負ける姿を見せられるところや関西弁で他のキャラと容易に絡んでくる性格もあって、好き嫌いとは別に出番を作りやすい便利な存在ではある。やっぱり人間他と絡んでこそだな。
2021年の3月は同じ月に二度投稿があってやたらと精力的だが、描き直しも積極的に行っていたのが要因である。そういえばこの時期に今の名鑑もほぼ完成した。大体キャラクターが固まって変更もなくなったのがこの前後という事になる。
作成 2020年10月
投稿 2021年4月
掲載 2021年8月
ちょっと太ってる感じの子と短髪の子、同級生の女子が二人も登場。名前はまだない。今後も当分は判明する見通しなし。実際筆者も今のところ一切考えていない。
エイトくんのラグビー以外のスペックに関しては、別に低める必要はないので高く設定しておいた。まあ「馬鹿言ってないで勉強しろ」と言われないためにも一定以上の成績は必須だし、組織の中で自由を得るのは大変なものだ。
そして新聞部らしくグダグダと言葉遊びを展開するカッコちゃん。3コマ目の大写しがちょっとキリッとしてるのは恋心を自覚していない表現として狙い通りではあるのだが、じゃあ恋する乙女みたいな顔を描ける画力があるのかというとよく分からない。
作成 2020年10月
投稿 2021年4月
掲載 2021年8月
前回から引き続いてカッコちゃんの理論武装回。ハリウッド映画のクライマックスみたいなぼんやりとしたイメージを実際に描いてみた時の貧相な事。描いててなんてしょうもない発想だとくじけそうに何度もなった。
でもそれはそれとして化粧の濃い白人女性っぽさとか、男に至っては80年代の男前みたいなケツアゴとか普段は描かないものを描けたのはそれなりに収穫ではあった。ニック、ジョアンナ、てめえら誰だよ。
タイトルはタイタニックの歌だけど3コマ目には分かりにくい字体でボディガードの歌みたいな事が書いている。この二曲を混同するみたいなネタがあるけど正直どうだろうと思う。どちらも印象的な主題歌だけど90年代前半と後半で時期的にも全然別物という印象が強いし、タイタニックの歌はイントロが本体みたいなものだし。
第一部は作品を作った順番で、第二部はストーリー順に出していった。今回の第三部は基本的には第二部に準じたストーリー順となるだろう。一応誰が最初に入って次は誰みたいなのはあるわけだし。
ただ今回は第一部みたいに「配置が多少前後しても問題ない話」も割とあるので、その辺の扱いはちょっと考えている。基本的には流れのままでいきたいとは思うが、その場その場のアドリブに近くなるだろう。