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第12話





それはパーティーの帰りの馬車の中のことだった。

心地良い幸せな疲労感に思わずうとうとしていた時。


「リア」


リアンの優しい声によってパチッと目が覚めた私は、なあに?と返事をした。


「…その…リアは、私の事どう思っているんだい?」

「…どうって、そんなの聞く?」

「あぁ、」


リアンの顔はほんのり赤くなっていた。

私がリアンの事をどう思っているかなんて、そんなの決まっているのに。


「じゃあリアンは私のことどう思ってるのかしら?気になるわ」

「…それは」


言い淀むリアンを見て、私は少し悲しくなってしまった。リアンはやはり私の事を好いてくれてないかもしれない、と。


「私の事、好きじゃないのね…?」

「!?どうして泣いて…」

「だって。リアンが私の事好きじゃないって考えたらなんだか悲しくて」


レルウィルドに裏切られた時でさえ流れなかった涙が頬を伝って行くのが分かる。



__その時、リアンが私を抱き寄せ、私の唇にそっとキスを落とした。


状況が飲み込めないでいると、顔を真っ赤にしたリアンが言う。


「リア、私は君のことが好きだよ。この1ヶ月で君の素敵な所を沢山見てきた。噂を気にせず真っ直ぐに私を見てくれて、初めての感情を沢山教えてくれた。好きにならざるを得なかったんだ。君みたいに素敵な女性は初めてだったんだ、」


そして懐から何かを取り出したかと思えば、それは婚姻指輪だった。銀色で、ささやかながら私の瞳と同じ色のブルーダイヤモンドが付いている。普段使いを考えてこのデザインにしたのだとすぐに分かった。



「遅くなってしまったけど……これ、受け取ってくれる?リア」


……私の夫はなんてカッコイイんだろう。

恥ずかしがり屋で照れ屋なのに自分からキスをしてくれたというのは最大の愛情表現ではないか。そう思うと愛しさゆえに胸がきゅ〜っと締め付けられた。


「もちろんよ!リアン!愛してるわ!だいすきよ!」


先程までの涙も忘れ、私はリアンに抱きついて何度もキスをした。

リアンの顔が真っ赤になり照れたのは言うまでもないが、私はその全てが愛おしく、とても幸せだった。


かっこいいリアンも、かわいいリアンも、ぜんぶ丸ごと愛してるわ!







______



その後、大公領では盛大な結婚式が開かれた。

のちの2人は困難も難なく乗越えて行ったという。

人嫌いで悪名高かった大公は情が深く心優しい大公に、親や婚約者に捨てられたはずの公爵令嬢は大公領を支える立派な大公妃となり、多くの人に愛されながら末永く幸せに暮らしたという話は、また別のお話。


次話はSS、ジェイミー視点のお話です

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