僕以外が、僕の生誕を喜んでくれた日
死ぬ度胸も、生きる気力もない。
それでも僕が生きているのは周囲が生かしてくれているから。
働かざるものに美味いものを食わしてくれる両親には申し訳がたたない。
こんな僕でもいい弟だと言ってくれる兄は、県立高校に推薦で合格し、そのまま流れるように国立大学に通う優等生。
今年の誕生日にはブランドものの紅茶をプレゼントしてくれた。僕の好きなニルギリがあって本当に嬉しかった。
僕は周囲に愛されている。
だからその分だけ僕は僕を嫌いに思っている。
愛されるべきでない人間が愛されている事に、僕は第三者視点で自らを嫌っている。
今年も誕生日がきた。
祝ってもらえる程良い子だった時期は既に過ぎている。
それなのに今日はご馳走が用意されている。
フグ鍋とフグ刺し、食後には美味しいケーキ。
家族が僕を想ってくれることも、用意されるご馳走も全てが嬉しくて、だからそれ以上に辛くて。
そんな風に思う僕の心を、家族は知らずに祝ってくれる。
ハッピーとは程遠いバースデーに、僕に送られる言葉はハッピーバースデー。
僕以外が、僕の生誕を喜んでくれた日。
誕生日になった時に思った事を連ねただけです。
今の心情なのでノンフィクションです。