だいさんわ前編!
いよいよ、文化祭当日となった。欠席者0名、遅刻1名。
「天候は良好、本日晴天なり…か」
「ちょっと、パクんないでよね」
「ははは、ごめんごめん」
「全く…あ、ほらお客さん来始めたよ!」
最初の言葉は、ノンが指揮を執る。みんなと目を合わせ、号令をかける。
「せーのっ」
『いらっしゃいませ!』
接客は上々、売り上げは完璧だった。
文化祭出し物終了時刻となった。今日はかなり早く、これからは明日の準備をする事になっていた。
「アリサ、どうだった?」
「うん、大丈夫。粉も足りたよー。時間延びるから今日+5くらい用意しておこうか」
「そうだねー。おーい、買い出し班ー」
「ん?」
買い出し班は、イマミとナギサ(本宮渚)、サグチ(佐口飴芦)とモリナ(盛岡冬那)、モリマ(盛岡冬真)で結成されている。
「俺今手離せない!」
「え、どうしようアリサ」
あたふたするアカネの代わりに指示をする。
「用事がある人!」
『はーい』
用事有、三名。
「じゃあナギサ、サグチ、モリナ、行ってきて」
『はーい』
わらわらと、男子がお金を持ってゆっくりと出ていく。私はそれを、教室から追い出す。
「あれー?アリサは行かないのー?」
アオイが問う。
「うん。ほら、いつの間にかユウキがいないじゃん?探そうかなって」
「あ、本当だー。一緒に行けないけど、頑張ってねー」
「うん。トオル、行くよ」
「あいよっ」
ユウキは今朝、遅刻しながらもきちんと学校に来ていたので、取り敢えずユウキの家に行く事にした。
チャイムを押す。
「はい?」
インターホンから、ユウキの母親の声。
「あ、どうも。アリサでーす。ユウキいますか?」
「ユウキ?いいえ、帰ってきてないわ。あの子がどうかしたの?」
「あ、いや、居ないならいいです。じゃあまた!」
「ちーっす」
軽いノリのトオルの頭を一度はたいてから、カメラに向かってお辞儀をして、背を向ける。
「痛ぇなぁ。なにも叩かなくてもいいじゃん。てか、礼する意味ある?」
「あのインターホンカメラ付いてるんだよ?知ってた?」
「…………まじか」
「ほら見ろ」
ユウキは今どこにいるのだろうか。
「ん?」
電話が来た。相手はカッチー。
「もしもーし。カッチー、どうしたのー?」
《アリサ、大変!とにかく今すぐ学校に来て!》
「…?わ、分かった」
不平不満をこぼすトオルを引きずりながら、私は学校へと走り出した。
次で過去編完結♪