定かではないlleihau
/咽頭結膜熱
しらないのにしっていました
夏の味
それはひとしきり寝こんだ後にも
/夏風邪
ばかもの
そしてそれはわたくしでした
夏風邪のばかもの
それはわたくしでした
ね
いつまでうかれているのでしょう
ね
いつまででもうかれているのでしょう
ね
/17番
思い出は
とろかしてしまった
しあわせを
とろかしてしまった
いつでもここにあると
ろかしてしまった
/アングル
そうして魔法は続いてゆく
のです
十年前のなつやすみ
プール熱ともに
/Golden Shareholder
きょうはいっとう楽しい日,
今日はいっとう楽しい日だから,
細胞がにわかに沸き立って,
あちこち見回したりする,
循環器官のパトロール,
うすい皮膜が上気する,
釣瓶のごときわがみだが,
にやけ面を晒しやしないか,
努めて能面になったりする,
きょうはいっとう楽しい日,
あらゆる機能が鈍化する,
凡その事象が劣後する,
感応度が著しく振り切れて,
もう,直ぐだよ,
夢が孵化しだすのは。
夢が孵化しだしたら,
ことだね。
おもいつくかぎりの総てのふしあわせが,
そばから腐ってしまうのだ
,きっと。
/光について・2
光について
考えたくもなかった
あの茫漠とした亡骸になど
遑なく愛されつづける妄などと
焦がれこそすれ,
妬くものではあるまいに
/Independent Director
ああ,
そうだよ,
だれかが愛宕に恋をしたのだ。
タールをぶちまけ汚しちまった。
石段も,墓地も,MORIタワーも,
おしなべて木翳に沈んじまった。
/Bankruptcy Remote
悲しみに受肉をさせたらば,
車窓の向こうにおりますでしょう。
愛宕の杜にも,葛西にも,
いかなる土地にも降り立つでしょう,
奔流に還り,踵を反す,
傍をつかず離れずに,
奔流に還り,踵を反す,
悲しみがゆえに,わが一部であるがゆえに,
わたしは肉離れを熾し,
皮膜の剥離を弔うのです。
/Amatsu
かくして我らは隔絶していく刻々と途切れることなきちょうど長針と短針にちかく我らは刻々と隔絶していくちくたくと
/国宛て
花瓶は花を求めていた
花は水を
水は花瓶を
花瓶は花を求めていた
刈りたての青草のかおる
花は水を
とけた水晶の瀞から汲んだ
水は花瓶を
あるべきものは
居場所を弁えて
つとめて静かに
欲情の<まなざし>を湛えて
花瓶は釣瓶として
花は種として
水は水のままに
国へ還る
/便り
ふりしきる
ふふりしきる
しだかれた空よ
しだらかな空を
ふりほどき
ふみしめて
わたしはゆく
わたしはゆく
わたしはゆき
わたしはゆく
ゆきかうながめの
ゆりしきるなかを
ふりしきるなかを
※初出一覧:
「国宛て」…2012年 03月19日(月) 05時33分付・活動報告
「Bankruptcy Remote」…2012年 05月29日(火) 06時32分付・活動報告
「Golden Shareholder」…2012年 06月15日(金) 19時06分付・活動報告