第一章 錆びた剣の輝く時
剣は放って置いてしまうと錆びてしまう 若き気持ちを忘れてしまった大人のように しかし錆びていても本当は夢見ているのだ 少年のように 第一章 錆びた剣の輝くとき
世間はもう夏だ。どこかの国では、民衆が反乱を起こしたとか、国が一つなくなったとか言っているが野剣士の自分にとってはあまり関係のないことだと思いながら俺は家への帰り道を歩いていた。崩れ去ったビルや家などの瓦礫のそばで遊んでいる子供を見ながら
この世界にはたくさんの国があった、大きな国から小さい国まであり形も住んでいる人達もさまざまだったらしい。しかし今から400年ほど前に起きた大きな戦争でその国の大半は消えてなくなってしまったのだという。
昔、両親から聞いた話を思い出しながら俺は夕食の支度をした。自分一人が食べるための夕食をあらかた作り終え、俺は、今日の戦で使った銃と剣(取り外しができ銃に付けることもできる)をいつも立てておく所へと持っていった。今言った戦いうのは子供の遊びではない、さっきも言ったようにこの世界は400年前に戦争があった、だが、戦争はそれで終らず今まで続いているのだ。そのため大人は、みんな、戦に行ってしまっているため俺のような野剣士の子供が増えているわけだ。話し忘れていたけれど、「野剣士」というのは出稼ぎに戦場で戦う剣士のことで主に生活に困った者が大半を占めている。ちなみになぜ、戦争と戦と呼び分けるのかというと、戦争とは世界を滅ぼすもので、戦は自分たちを守るためにするものだからだそうだ。俺からしたらどちらも変わらないけどと思っていた
出来上がった夕食を食べた俺は、明日のためにもう寝ることにした
翌日、ゆっくり出かける準備をしようとしているとドアがノックされた。いやいやながらドアを開けると俺の記憶の中で一番聞きたくないが聞きなれている声が耳に入ってきた
「おい。レン、早く起きてこい」
「どうして毎朝、お前と一緒に役場に行かなくちゃあいけないんだ?」
「仕方ないだろ。レンは問題児なんだからな」
この女は、リリーナ・ベルク。年齢は俺と同じ17歳、細身な体だが、気に入らないことを言うと銃口を向けてくる。しゃべり方は、男っぽい。戦場では、場合によって対戦車ライフルをぶっ放したりする(何度か、巻き込まれて死にかけた)。しかし、頭はかなり優秀なほうで、若くして、行軍参謀になっている俺の所属している部隊のエースだ。時折、その優秀さを妬むやつらもいるようで、小言でよく「あいつ、容姿はいいのになぁ・・・。あのめんどくさい性格さえなければ」とか言われている。俺もそのとおりだと思ってしまう幼馴染だ
「問題児ってなんだよ。ちょっと命令無視して突っ込んだだけじゃん」
次の瞬間
ビュンという風を切る音と共にブーツを履いた長い足が俺の顔面めがけて飛んできた
ゴシァ!!
「ふざけるな。おまえが命令無視するたびに本部に頭を下げに行くのも、部隊の配置を変更するのも行軍参謀であり現場責任者である私なんだぞ」
と言いつつ胸のポケットから護身用の拳銃を取り出そうとするリリーナ。
皆さん、お久しぶりです。
今回は初めての冒険ものです。
実は、この作品は書きたいと思って書き始めたのではなく、ふっと頭の中を話が駆け巡りどんどん構成ができていったものです。
今後どうなるか分かりませんがよろしくお願いします。