第3章
二時間が経った。私たちは大きな岩の陰に隠れていた。その岩は、あの巨大カニが動ける範囲の境界線になっていた。
「これで、なぜこの島から出られないかわかっただろ?沖合の異常な海流に加えて、地下システムに到達する代替ルートも不可能だってことがな。あのカニが問題だ。」アリオンは海水で濡れた服を絞っていた。何度か転んで海に落ちたらしい。
「俺たちには力があるんだろ?戦えばいいじゃないか。食料を探しに行っただけなのに、こんな巨大カニに追いかけられるなんて。」私は息を整えた。
「俺たちの力はまだ小さすぎるし、使い道もよくわかってない。俺の分子操作は、物を小さな飴に変えるくらいしかできないし。アリオンは力を放つまでに時間がかかるし、この島の食料も限られてる。」アクセルは黒いパーカーを脱いだ。体の汗で、まるでシャワーを浴びた後のようだった。ましてや島の天気は灼熱だった。
「戦えたらな。そうすればあの巨大カニも倒せて、この島からも出られるかもしれないのに。」
「言うのは簡単だけどな、まずは集中的に訓練が必要だ。今の俺たちの力は小さすぎる。」アクセルは服で汗を拭った。
「新入りの君は、自分の力が何かを探れ。それがいい力なら、俺たちの役に立つかもしれない。」
「そんなのわかんないよ。一度も出したことないんだから。」白いリングのマークがある手の甲を擦った。
ため息をついて、ハンマーを想像した。巨大な岩を叩こうと、その考えが突然浮かんだのだ。
トンッ!ハンマーと硬い岩がぶつかる音に驚いた。「バカ!」その後、固まってしまった。
「どうしたんだ?急に叫んで。」突然癇癪を起こしたかのような私を見て、アリオンが尋ねた。
「ハンマー…」
「ハンマーだ…」持っているハンマーを指さした。
「わかってるよ、それがハンマーだって。俺が『これはエンピツだよ!』って教えてもらわないとわからない幼稚園児だと思ってるのか?」
「違う、そうじゃなくて、このハンマーがどこからともなく現れたんだ。いつの間にか手にあったんだ。」
「それ、君の力なんじゃないか?」アクセルはパーカーを、熱い日差しが当たる砂の上に干していた。
「二つ可能性があるな」アリオンは私からハンマーの柄を取って、重さを確かめた。「一つは、これが本当に君の力だってこと—物を出す力。でもそれが正確にどういうものかはまだわからない。二つ目は、この島のシステムの単なるグリッチだってこと。でも…」と一呼吸置いた、「決めるには、さっきみたいにもう一度やれるかどうかだ。さっきと同じハンマーを出してみろ。」
集中してみた。同じハンマーを想像した。しかし…何も出なかった。
「無理だ」とため息をついた。
「じゃあ、つまり—」
アリオンが言い終わる前に、突然頭が灼けるような熱い針で刺されたように痛み出した。痛みはこめかみから後頭部に広がり、私はうめき声をあげ、砂の上でのたうち回った。
「ザカ!どうした?!」アリオンがすぐ隣にしゃがみ込んだ。
「ここで死なれたら、俺たちが君の遺体を埋める手間が増えるから困る!」とアクセルが叫んだが、その声は遠くから聞こえるようだった。
周りの世界が暗くなった。闇。そして、その闇の中で、五人の黒いシルエットが私を取り囲んで立っていた。姿はぼんやりとしていた—人間だが、人間ではない。周囲の雰囲気は冷たく、息苦しくなった。
「ということは…お前が…お前が六人目か?」一人のシルエットの声が、深く重く響いた。
答えられなかった。口は、逃れられない闇に封じられていた。
「真実は、自らの力で探し求める者にしか見つけられない」と別の声が夜風のように囁いた。「さあ…お前の闘志を見せろ。」
五人のシルエットはその後一つに溶け合い、一つの濃い影となって、私に向かって突進してきた—胸を通り抜けて。息が詰まり、呼吸ができなくなり、そして…
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「ザカ!」
激しくむせび泣きながら目覚めた。息が切れている。上には二つの心配そうな顔—アリオンとアクセル—がのぞき込んでいた。
「気がついたか!やっとか!」アリオンはほっと息をついた。
「もう死んだかと思ったよ」とアクセルが付け加え、まだ恐怖の表情を浮かべていた。
「どのくらい眠ってた?」としわがれた声で尋ねた。
「十分だ。でも、十年くらいに感じられたよ。」アリオンは砂の上にどかっと座り込んだ。「すごかったぞ、突然痙攣して、目を見開いて、それから気絶したんだ。脳卒中か心臓発作かと思ったよ。」
起き上がろうとした。体は痛み、頭はまだずきずきしていたが、さっきのような激しい痛みではなかった。代わりにあったのは…奇妙な感覚だった。新しい記憶が脳に貼り付けられたような感じだが、まだぼんやりとしていた。
「休憩が必要だな」とアクセルが提案した。「もう昼だし、巨大カニはどこかに行ったみたいだ。基地に戻ろう。」
彼らの基地は質素だったが、まあまあ快適だった—崖の裏にある小さな洞窟で、中は乾いた葉っぱが寝床として敷き詰められ、支柱用の木の棒が何本かあり、アクセルの残りの飴を保管するための葉っぱで編んだ「棚」さえあった。
「五日でこれを造ったんだ」とアリオンは寄りかかりながら自慢げに言った。「最低限、雨をしのげる寝場所は確保したかったんだ。」
夜はすぐに来た。昨日の残りのココナッツと燻製魚を少し食べた後、私たちは寝た。しかし私は眠れなかった。あの五人のシルエットの言葉がまだ頭の中で響いていた。
「真実は、自らの力で探し求める者にしか見つけられない。」
私は洞窟を抜け出し、海辺まで歩いた。満月が白い砂浜を銀色の絨毯のように照らしていた。波はまだ同じリズムで岸に打ち寄せていた—規則的で、人工的な。
座り込み、手を水に近づけ、集中しようとした。「六人目」とはどういう意味か?なぜ五人のシルエットだったのか?白いリングとの関係は?
無意識に、手で砂を握りしめた。あの五人の姿を想像し、はっきりしない記憶を引き出そうとした。突然、奇妙なイメージが頭に浮かんだ:
—見知らぬ街での戦争の光景、高層ビルが崩れ落ちる。
—人間の叫び声だが、インドネシア語ではない。
—死体のそばで泣く幼い子供、そして…手に白いリングをつけた誰か。
—そして巨大な爆発。白い光がすべてを飲み込んだ。
それらは知らない光景だった。それは私の記憶ではない。しかし…リアルだった。とてもリアルだった。
気づかないうちに、フラストレーション、混乱、怒り—自分自身への、コスモスへの、この状況への—が一つの感情に爆発した。まだ砂を握りしめていた手が、突然力を込めた。手のひらから、何かが放出された。物体ではない。しかし…エネルギーだった。
ドーン!
轟音に驚いた。前の砂が—五メートル先まで—まるで小型爆弾があったように吹き飛んだ。巨大な穴ができ、中は暗く、直径は車一台分ほどあった。
仰向けに倒れ込み、心臓が激しく鼓動していた。これは一体何なんだ?
アリオンとアクセルが洞窟から飛び出してきた。
「地震か?!」アリオンが叫んだ。
「地震じゃない、爆発音だ!」アクセルが返した。
彼らは私の方に走ってきて、海岸にできた巨大な穴を見て止まった。
「ザカ…」アリオンはゆっくりと言った。「お前…何をやったんだ?」
ただ首を振るだけで、唇が震えた。「何も…何もしてないんだ。ただ座ってただけだ。そしたら…これが起きた。」
アクセルが近づき、穴の縁にしゃがみ込んで、暗い底を見下ろした。「普通の穴じゃない。縁が整いすぎてる。まるで…超精密な何かに削られたみたいだ。」
二人はゆっくりと私の方を向いた。彼らの目は同じ疑問で満ちていた—そして少しの恐怖も。
まばたきをして、右手を見た。手の甲の白いリングがかすかに、温かく光っていた。
そして、ようやく気づいた。今までの自分の劣等感は、このリングが欠陥品だからではないのかもしれない。
私の中に、まだ目覚めていない何かがあるからだ。
そしてその何かが…ついに牙を見せたのだ。




