表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

説得チャレンジ

「さもなくば、今から警察に通報…いえ、すぐ近くにいる警備員に言いますからね。理由は何であれ貴方は最低の犯罪者です。今、そのひよこをボクに渡したら特別に黙ってあげますけど…二度とこんなことし…」

「いや、ぴーちゃんは渡さない!何をしてでも守る…!」

そうは言ったものの、ここからどうする…?逃げても警備員に連絡され、先回りされるだけだ。

難しいとは思うが、やはりヒナタを説得するのが安全な打開策か…?

「抵抗はやめなさい。今すぐ通報しますよ?」

「ちょ、ちょっと待ってください…!ヒナタさん…その、このひよこは、俺が盗んでなかったらどうなってるんすか?」

ヒナタは渋りながらもはっきりと言う。

「まとめてミキサーに掛けられて肥料になるか…冷凍されて動物園に肉食獣用の餌として輸送されますね」

「つまりそれって、死んじゃうってことですよね?ヒナタさんは、辛くないんですか?」

一瞬、ヒナタが目を見開いて、びくっと反応する。だが、彼女はそれを隠しつつ淡々と話し続ける。

「何を今更言ってるのでしょうか。貴方は1日に何匹も、何匹も、ひよこの性別を見分けている。ボクもそうですが、オスのひよこが殺されるのはこの業界では当たり前のことなのです。それに、貴方は今までひよこに対し愛着を見せる素振りはなかった…今まで、ひよこを見殺しにするのに耐えきれずこっそり横領しようとした部下は居ましたが…貴方みたいなタイプがひよこに同情するのは、ボクにはちょっと信じがたい」

「俺は…ぴーちゃんが、一人で一生懸命内側から殻を破ってて…ここまで頑張って生まれてきたのに、殺すなんて酷いこと出来ないんです」

「はぁ…それは他のひよこも同じ。今まで貴方が見ていなかっただけでしょう。貴方がそこまで浅はかな思考回路の持ち主だったなんて…失望しました。」

「…!それを言うなら!自分の感情に嘘を吐いて淡々とひよこを見殺しにするヒナタさんに、俺は失望しました!」

ヒナタは震えながら、

「もう黙って!御託を並べても、そのひよこを助けることは認めません!」


クソッ、こうなったら…


最終手段を使うしかない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ