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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第6章~多くのイベントが発生するで章
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第98話 借り物競走のお題が意味不明な件

『次は借り物競走です。選手の方は入場門に集まってください。あと私は放送部の副部長です』


「俺の番だな。行ってくる」


「私も借り物競走に出るから一緒に行きましょ」


「へいへい」


 保護者競技で無双する自称メイドを見届け終わり、ガク先輩は自分の席へ、俺と緑は借り物競走が始まるため入場門へと移動していた。


「借り物競走って何が出るんだろうな?」


「さぁね。さすがにトラックは無いでしょうけど」


「いや、人1人が持ってこれないのにお題になってるわけないだろ」


「………ええ、そうね。普通はそうよね」


「なにその間」


 俺がガク先輩から謎の講習を受けている引きつつもに、競技の準備をしてくれていたようだが……まさかそれにトラックって書いてあったのか? 誰だよそんなの書いたの。トラック運べる奴なんて居るわけねぇだろ。


❴(ランと咲黄が借り物競走のお題決めてたから、危うくお題にトラックが入る所だったのよね)❵


 うんごめん、居たわ。居たけどさ……その例外(ラン)を基準にするのは止めような咲黄。

 魔法少女に変身したら出来るのかもしれないけど、生身で運べるのランと部長の2人だけなんだから。

 いや、そもそも生身で運べる人類が居る時点でこの話はおかしいな。


『次の選手、スタートに移動してください。あと私は放送部の副部長です』


「あ、私の番ね。行ってくるわ」


「頑張れよ」


「そっちこそ」


 俺と緑は互いに拳を合わせ、緑はスタートへと並ぶ。

 なんやかんやで、緑とも仲良くなってきたな。最初あった時は変な奴だと思ったけど、恋愛関連の話さえ絡まなければ常識人だったし、ガク先輩の奇行にもちゃんと突っ込んでくれる。


 今では拳を合わせるぐらいに仲良く……なんかこの言い方だと、殴り合いの喧嘩して仲良くなったように聞こえるな。実際はコツンと拳合わせただけなんだがな。


『それでは見合って見合って~……はけっよい、スタート!』


「のこったじゃねぇのかよ!?」


 謎の合図と共に、緑は走り出して真っ直ぐなコースを走り出す。


 この借り物競走のルールは実に簡単だ。

 真っ直ぐなコースを走っていき、途中に置かれた箱の入っている紙を引いて、その紙に書いてあるお題に沿ったモノを持ってきてゴールまで進む。

 そしてゴールで審査員に持ってきたモノとお題が合っているか確認してもらい、合っていたら無事にゴール。間違っていたら再走となっている。


「力男、ちょっと来てくれるかしら!」


「え? おう分かった」


 どうやら緑のお題は俺に関係がある内容だったらしい。

 自分の番が来るまで待機していた俺は列から抜ける。


 緑に手を軽く引っ張られるような形でゴールへと向かっているため、少し転けそうになってしまった。

 他の選手はまだお題を探しているようだが、緑からすれば早くゴールしたいのだろう。


「お題を連れてきたわ!」


「はいはい審査員ですますわよ、お題はこの人であって居るのでしょうかね?」


「語尾バラバラすぎだろ」


 腕にわざわざ「体育祭実行委員」って書かれた腕章を付けてるから、この学校の生徒なんだろうが、どうしてこんなにもキャラの濃い奴がこの学校には多いのだろう。


「なぁ緑、そういやお題ってなんなんだ?」


「それは」


「はいはいお題の【同じ学年の男の子】ですますわね、ちゃんとお題に沿っておりますね。ゴールおめでどうございやした」


 あぁなるほど、それで俺を呼んだのか。

 緑の交友関係を全部知っている訳じゃないが、結構関わりはあるからな。

 多分だが、同じ学年の男の子と言えばで俺が一番最初に思い浮かんだのだろう。それにしても……


「わりと普通のお題だな。もっと変なの引いたのかと思った」


「それは自分自身が変だと自覚してるのかしら?」


「何言ってんだ、俺は普通の人間だろ?」


「…………」


「え、なにその無言」


 いや、超能力者が普通か聞かれたら違うけど、俺はガク先輩とアクロコ以外に超能力の事を喋ってないから、緑から見れば俺は緑達のように特殊な力なんて持っていない、普通の人間なんだけどな。


『次の選手、スタートに移動してください。あと私は放送部の副部長です』


「あ、そろそろ俺の番だ。悪い緑、スタートの方に行ってる!」


「頑張りなさいよ」


「分かってるって」


 緑の応援を背に俺はスタート地点へと行く。

 さっきテレパシーで緑の心を読んだ時は不安だったが、実際にお題を見る限りは変なモノは混ざってなさそうだから安心だな。


『それでは見合って見合って~……はけっよい、スタート!』


 一度緑の時にスタートの合図を聞いているため、俺は惑わされずにスタートと同時にお題の入った箱へと駆けていく。

 平均的な身体能力しか持っていない俺は、俺含めて5人スタートの中、今の時点で2人に抜かされてしまっているが、お題を持って誰よりも早くゴールすれば良いので何も問題は無い。


「よし、これだ!」


【何かの発明品】


「えぇ…………」


 俺の安心を返してくれ。

 誰だよこのお題を入れた奴は。一番早くゴールすれば良いと言ったけど、このお題でどうしろと?

 何かの発明品ってなに。そこに指定とか無いの? えぇ、本当にどうしよう……同じ競技に出てる緑なら思い付くかな。


「すまん緑、少し良いか」


「どうしたのかしら? もしかして、お題の内容が私に関係あるのかしら」


「そういう訳じゃないんだけどさ……これ、どうすれば良いと思う?」


 俺は既にゴールしている緑の元へと行き、引いたお題を見せる。

 お題を交換するって言う手もあるんだが、こんな風に変なお題が入っている可能性が浮上してきたので、マトモなお題が出るまでずっと引き続けるよりかは、まだ確実に手に入れられる此方の方が良い。


 ただ、ただなぁ……このお題に沿ったモノ持っている人とか1人しか思い付かないんだよな。

 しかも後で貸しとか言ってきそうな人。だから頼む緑、何か良い案をだしてくれ!


「あ~……うん。ガク先輩に頼むしか無いわね」


「やっぱそうなるよなぁ」


 発明品と言えばガク先輩だよなぁ。

 でもあの人何渡してくるか分からないから怖いんだけど。

 だから緑に相談したのだが、遠い目をしているので無理そうだ。ガク先輩頼るしか無いのか。


 俺は緑に一言礼を言って、ガク先輩の席を探す。

 さっきまで俺達と同じ場所に居たけど、借り物競走が始まる頃には戻っちまったからなぁ。

 えっと、3年生の席があそこでガク先輩は……あぁ居た。


「ガク先輩」


「おや、力男くんか。どうしたのかね?」


「借り物競走のお題が【何かの発明品】なんだけど、今持ち歩いてたりする?」


「当然持っているが……ふむ、そうだね。発明品の説明を求められた時の為にゴールまで付き添おう」


「なんで当然のように持ち歩いてるの? いや、今回は助かったけどさ」


 もしかしてだけど、こんな暑いのに長袖長ジャージなのは服の中に発明品仕込んでるのか?

 ジャージだから肌にピッチリくっついてるんじゃなくて、若干ブカブカなのを考慮しても、外から見たら発明品持っているように見えないんだけど。

 透視使えば分かるかもしれないが、こんなので超能力使うのはちょっとなぁ。


「はいはい審査員ですますわよ、お題を連れてきましたでしょうかね」


「ガク先輩出してくれ」


「任せたまえ」


 ガク先輩は上ジャージのチャックを開けて、懐から簪を取り出した……うんごめん待って。

 簪ってあれだよな、棒状でちょっと装飾が施されてる髪を結ぶモノだよな。なんで懐に隠し持ってるんだこの人。使い方何一つ合ってねぇよ。


「なにそれ」


「簪に擬態させた小型の発煙筒さ。普段は普段はスカートの中の靴下留めに付けて隠しているのさ」


「警戒心高くね? 何処に発煙筒持ち歩いてる中学生が居るんだよ」


「ここに居るだろう?」


「あーうん。そうだねそうだね」


 もはや普段持ち歩いている点には突っ込まないでおこう。ガク先輩はいったい何を警戒して発煙筒を持ち歩いているんだよ……。


「はいはい審査員として確認する義務があるが故にて、ここで使ってもらう事は可能でございますでしょうか」


「構わないさ。では力男くん、犠牲になってくれ」


「嫌なんだけど!?」


 流れるように俺を犠牲すんな!

 そもそも犠牲ってなんだよ。それただの発煙筒だよな、目に入ったら痛むとかあるかもしれないけど、犠牲になれはちょっとおかしくない?


「実はこの発煙筒は少し特別製でね。煙が少量で、尚且つ発煙筒として機能する時間は短くてね。その代わりとして、近くに居る相手の全身に煙が纏わりつく機能が備わっているのさ」


「なんだその機能」


「元々は相手の目元に煙を漂わせて、視界のみを奪う予定だったのだがね。いやはや、実際に思い通りに事を進めるのは難しいね。何処かで違った方向に転がってしまう」


 思ったように事が進まないのは同意するが、ガク先輩の場合は違った方向に進んでもそのまま道を切り開いて、成功まで進めそうだな。


 つーか、そんな代物をここで使うのは難しそうだな。近くに居る相手に煙が纏わりつくようだけど、そんな煙に纏わりつかれたいなんて自ら立候補する奴なんてここに……


「はいはいならこの審査員自身に使えば効果が分かるぜよ。なので是非使ってみてくださいませ」


「ふむ。そこまで言うのなら使わせてもらおうか」


 居た。

 やっぱこの学校変人多くない? 俺が望んでるのはマホや勇子のように魔法少女に変身出来る特殊な力を持った人間だけど、そんな魔法少女に劣るどころか勝るレベルで変な奴ら多いんだけど。


 審査員の奇行に引きつつも、俺は無事にガク先輩の発明品がお題の品と見なされて、1位でゴールするのであった。

【放送部の副部長】

 中学2年生の体育祭限定のモブキャラ。性別は男。

 個性出したいな~と思ったので、語尾に「あと私は放送部の副部長です」と付けてもらった。元々はテンションMAXで実況する系にしようと思ったけど、喧しくなりそうなのでボツにした。


【審査員(体育祭実行委員)】

 中学1年生の体育祭限定のモブキャラ。性別は女。

 作中だと奇行が目立つが、本人としては「自分は特徴の無い人間だから、どうにかして目立つようになりたい」と思って、安定しない語尾を使うようになった。なお、ガク先輩の発明品を喰らいたいと言ったのは素の反応。

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