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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第6章~多くのイベントが発生するで章
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第90話 無意識の慢心こそが一番厄介な件

「ふむ。5人目の魔法少女か……コマツールは、確かにそう言っていたのかい?」


「ええそうよ」


 ガク先輩の謎の説明に付いていけず頭から煙を吐いた翌日の放課後。どうやら俺が煙を吐いている最中に、マホ達はコマツールからの襲撃が受けていたようだ。


 コマツールがその場から去るような形で決着は付いたのだが、その時にコマツールが何度も5人目の魔法少女について質問してきた事が気になり、ガク先輩なら何か知っているんじゃないかと思ったようで、科学部の部室に来たとの事。


 ちなみにだが、リュウはこの場に居たら気まずいだろうからと呼んでおらず、咲黄は生徒会の仕事で体育祭の準備をする必要があり、マホと勇子はそれを手伝いに行ってしまい、この場には俺、ガク先輩、そして緑の3人だけとなっている。


 アイツら……咲黄は仕方ないにしても、マホと勇子は残っておけよ。

 いやでも、マホはガク先輩の言葉に丸め込めれるだろうし、勇子は話に着いて来れないだろうから、そういう意味だと緑か咲黄が適任なのか。


「うーん、なんでコマツールそんな5人目に拘るんだろうな。ガク先輩、何か分かるか?」


「何かと言われてもね。私が精々知っているのは、妖精国から盗んだ書物に書いてあった、魔法少女の必殺技ぐらいなモノさ」


「…………色々突っ込みたいけれど、その書物の内容について教えてくれないかしら?」


 緑は躊躇無く、それどころか当たり前のように盗んだと発言するガク先輩に文句を言いたそうにしていたが、話が進まないと喉の奥でグッと堪えて、書物について聞くことにした。


「まずはこれを見たまえ」


「これは何かしら」


「妖精国に残ってた古い書物さ。この内容から読み取るに、恐らくコマツールはこれを警戒していたのだろう」


 そう言ってガク先輩が見せてきた書物には、邪神とおぼしき存在と、それに相対する5人の魔法少女が、ステッキを掲げてエネルギーの塊をぶつけている場面であった。


 俺の知ってる邪神と似てるような、似てないような……まぁ古い書物だからな。古びてるのもあるし、見た姿と全く同じに書くのは難しいか。

 そもそも前世の世界を滅ぼした邪神がこの世界にも居るとは思えないし。


「なんだこれ。合体技?」


「そうとも。多分、にはなるけどね」


「え、マジで当たってるの?」


 この世界、ニチアサ世界だと思ってるから「合体技とかあるのかな~」ぐらいの感覚だったんだけど。本当に合体技だったんだ。


「ガク先輩。一応聞くけれど、5人目の魔法少女について何か情報はあるかしら」


「いや、何も無いね。ただ、気になる部分があるからそれを調べている最中ではあるがね」


「気になる部分? それって」


「それ以上は秘密さ」


「秘密って……意地悪しないでちょうだい」


「言わない理由はちゃんとあるさ」


「ならそれを早く言いなさい!」


「おい緑、落ち着けって」


 何をそんなカリカリしているのか分からないが、立ち上がって今にもガク先輩に掴み掛かりそうな緑を俺は宥める。


 ガク先輩もガク先輩で、考えがあるんだろうが人を苛立たせるような言葉を掛けるのは止めてくれ。

 緑がこんなにも苛立ちを隠さないどころか、思いっきり態度に出すのは俺も予想外だったけどさ。


「はぁ……全く、本来なら理由すらも喋らないのがベストなのだがね。でも、それじゃあ納得する様子は無さそうだね」


 一切納得がいかないと言った態度をする緑を見て、ガク先輩は軽く溜め息をついた。そして少しの間思考した後に、渋々と言った様子で秘密にしている理由を喋り始めた。


「まず理由一つ目、未確定な情報が多すぎる点さ」


「ん? でもさっき気になる部分があるって」


「あくまで机がたった1度、角度が微妙にズレている程度の些細なモノさ。何一つ具体的な確証は無い。更には仮定に考察、そして仮説を重ねただけのハリボテに等しいからね」


「それっていつもと同じじゃねぇのか? いつも仮定とか含めて考えてるだろ」


「それは複数の確証がある場合さ。今の状態だと私の考えが当たっている可能性は、宝くじで1等が出る確率より低いだろうね」


 ガク先輩なら、そんな低い確率の考えでも合ってそうな信頼はあるけど、口には出さない方が良いだろうな。

 ガク先輩は俺がそう喋った程度で慢心するような性格じゃないが、緑が俺の言葉に便乗してくると話が拗れてくる。


「二つ目に、無意識レベルの慢心を誘わない為さ。私が何も言わないのはこの理由が大きいね」


「失礼ね。私は慢心なんてしないわよ」


「ふむ。なら緑くんに質問だ、その自信は何処沸いてくるのか聞こうではないか。まさか根拠も無い自信、なんて言うつもりではないだろう?」


「ッ! それは……」


「根拠無き自信と無謀な行動は止めたまえ。自分なら問題ない、次こそは大丈夫……そう言った考えに基づく成功はコミックの主人公にしか適応されないのさ」


「あー、なるほどな。ガク先輩が何を言いたいのかだいたい分かった」


「いったいどういう事よ」


 俺はガク先輩の言葉を察した一方で、緑はまだピンと来てないのか睨むように俺を見てくる。

 ちょっと今日の緑怖いんだけど……お前そんなキャラじゃないだろ。いつもは周りを引っ張りつつも、恋愛の話になったストッパー壊れる性格どこ行ったよ。

 あれ、言葉だけ並べると後半悪口に聞こえね? そんなつもり無いけどさ。


「ガク先輩は無意識に慢心を持つのを危惧してるんじゃないのか?」


「無意識に慢心? どういう事よ」


「緑、お前は毎日「この瞬間交通事故に遭うかも」と思って生活しているか?」


「何よ突然。そんなの思ってる訳無いじゃない」


「だろ? それが誰もが無意識に持っている慢心だ」


 実際に俺もそんな事を四六時中考えて生活していない。

 そもそも気をずっと張り詰めて、それこそ食事中や睡眠中含めてそうやって生活しろなんて無理な話だ。だが、ガク先輩が危惧しているのは、その誰しもが盛っている無意識の慢心だ。


「事故になんか遭わない。青信号だから車は走ってこない。今日世界ごと自分は死ぬような事は無い。そして……ガク先輩が5人目の魔法少女について何か情報を掴んでいるから、負けそうになってもその情報を使って助けてくれるだろう。ってな」


「…………」


 ようやく俺とガク先輩の考えが分かったのか、緑は顔を歪めながらも無言で視線を下に向ける。

 ガク先輩の言っている「気になる部分」と言うのは俺も何か分からない。


 ただ、それを黙るって事は緑達に聞かれると慢心を持たせてしまうような内容なのだろう。

 俺も内容は気になるが、内容を知った結果俺も慢心するようだとガク先輩が秘密にしてる意味が無いから、テレパシーは使わないでおく。

 仮に使ったとしても、攻略されるのがオチだろうからな。


 てかそもそもとして、気になる部分=5人目の魔法少女とも限らないよなぁ。

 例えば魔法少女は10人居るかもとか、妖精さえ居れば魔法少女は量産出来るかものかとか、全然関係無い話かもしれないし。


「緑くんの焦る気持ちは分かるさ。その様子から考えるに、格上もしくは手も足も出ない程の実力差だったのだろう?」


「え、そんなに強かったのか?」


「はぁ……そうよ。もしアッチが手を引いていなかったら、負けてたのは私達の方よ」


 マジかよ。コマツールがその場から去ったって言うから、追い払ったのかと思ったが、見逃してもらっただけなのか。


 いくら側近と言っても、アクロコやリュウ、そして多くの怪人を倒して実力を付けてきた緑達なら、側近と互角ぐらいの勝負をしていると思ってたんだが。


 つーか、こういうのって総帥(ラスボス)相手に手も足も出ない強さじゃないの? 側近レベルで苦戦してるんだけど。レベルアップイベント逃した? それともこの世界の難易度設定がバグってるだけ?


「次の戦いに自信が無いようだね。そういう時はこれを飲むのを勧めよう」


「ガク先輩、それなに?」


「元気が出る薬さ。副作用として気絶する」


「なんてもの飲ませようとしてんだ!?」


「…………貰っとくわ」


「貰うの!?」


 突っ込みが追い付かないんだけど?

 つーか緑は此方(突っ込み)側の人間だろ、何悩みに悩んで怪しい薬を貰おうとしてるんだ。

 それガク先輩の薬だから、あの利害が一致してるだけで実際に敵として現れてもおかしくないガク先輩が作った薬だから!


「おっと、まさか緑くんが貰うとわね。君なら断ると思っていたのだが」


「それぐらいしないとこの街や友達を守れないって事でしょ? ならこのぐらい、どうってこと無いわ!」


「ふむ。カッコつけている所悪いが、君に渡したそれはただのジュースさ」


「え!? でもこの前リュウが、これ飲んで気絶してたじゃない!」


「それとこのジュースは似てるだけの別物さ」


「おい待て、いつの間にリュウを気絶させたんだよガク先輩」


「力男くんが私の説明を聞いて、頭から煙を吐いている時にちょっとね」


 俺の知らない間にリュウがガク先輩の被害に遭ってた。敵幹部の頃に学生として潜入している時から思ってたけど、リュウって不憫枠だったりする?


「それと緑くん、一つアドバイスだ。焦ったところで意味は無い。少し深呼吸でもしたらどうかね?」


 いつもの調子に、いつもの流れ。ガク先輩に振り回されながらも、結局は水に流して何事も無かったかのようにまた雑談をする。

 今日もそんな日になると思っていた。いや、そうなると無意識に慢心してしまっていたと言うべきだろう。


「……っ……わよ」


「なんて言ったんだい? よく聞こえなかったが」


 ガク先輩の言葉に噛み付くか、軽く流すかのいつもの二択で行動すると思っていた緑だが、今日はボソッと小さく何か呟いた。

 小さい声だったので聞き逃してしまい、俺とガク先輩はもう一度緑の言葉を聞こうと耳を澄ます。


「分かってるわよ! 焦ったところで何も変わらないぐらい! でも仕方ないじゃない! 守るためには勝つしかないんだから!」


「おい待て、何処に行くんだよ緑!」


 すると緑は突然大声を出して、部室から出ていってしまった。

 俺も、そしてガク先輩もそんな緑の行動は予想外で、廊下を走って何処かへ行く緑の背中を呆然と眺めるしか出来なかった。

━各人物の今回の反応━

力男「緑がどっか行った。予想外なんだけど」

ガク「緑くんが何処かに行ってしまったね。これは予想外の結末だね」

作者「え、緑どっか行ったんだけど。予想外すぎる」


 今回の話、魔法少女組出すと人数多いからな〜。

 ここはガク先輩の言葉に押されないキャラとして、緑を魔法少女代表にして話を進めるか。

 うんうん、今回は軽く情報共有してガク先輩から5人目関連の話を聞くのが目的だね。でも情報全部出すとストーリーが面白くないから、情報隠しておくか。ついでにそれに対する理由もつけて……よし、これで問題ないな。

 情報共有したから次回は、体育祭の練習辺りの描写を……あれ、緑なんでそんなイラついてるの。おい待て何処行く、勝手に動かれるとストーリー逸れるんですけど。緑? 緑ー!?


 (キャラ)が勝手に動いた結果、私も知らないストーリーに進みました。まぁ基本的にこの作品は行き当たりばったりですけどね。思いつきや後付けで色々設定付け加えてますし。

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