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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第6章~多くのイベントが発生するで章
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第88話 体育祭の準備が大変な件です

「えっと、誰か手空いてる人居る? パン食い競走の手伝いをしてほしいんだけど……」


「咲黄ちゃん咲黄ちゃん、私手空いてるよ!」


「それ、勇子がパンを食べたいだけでしょう?」


「ハハハ……」


 私達は現在、生徒会に所属としている咲黄ちゃんのお手伝いで、学校の校庭で体育祭の準備をしています。

 生徒会は学校の治安維持や、生徒の意見を聞いてそれを実現しようと動いてたりしているようですが、その仕事の内にイベントの準備も入っているようです。


 この時期は体育祭の準備で忙しくなるから、一緒に帰れなくなると申し訳なさそうにする咲黄さんを見て、私達は咲黄さんを手伝う事にしました!

 ちなみにですが、数ヵ月ほど前から放課後に生徒会の仕事が無く、一緒に帰れたのはガク先輩が問題事を起こさないか定期的に科学部に顔を出すのが仕事になっていたからだそうです。

 ガク先輩、生徒会に要注意人物だとマークされていたんですね……。


「おっとト、これ重いですネ」


「ワイも手伝うぞ!」


「ありがとうございまス」


「勇子ちゃんの飛んだ距離は40cm、ランちゃんの飛んだ距離が100mだから、間を取ってパン食い競走の高さは50mだね」


「誰も届かないよ!?」


 私は重そうな荷物を運ぶリュウさんを手伝う部長さん、ランさんと勇子ちゃんを基準にパン食い競走の準備を進める咲黄ちゃんを遠くの方から眺めます。


「……ホ……マホ!」


「え!? あ、はい。なんですか?」


「なんですかって、さっきからボーッとしてどうしたのよ。熱中症?」


「ああいや、そういうわけでは。ただ……」


「ただ?」


「夏祭りもこんな風に時間を掛けて準備していたのかな、と思いまして」


 私は体育祭の準備をしている光景を見て、夏休みに行った夏祭りを思い出していました。

 あの時はお祭りがポンッと簡単に出来ていたのかと思っていましたが、実際はこうやって準備していたんですね。


 今まで手品のようにポンッと、用意しているものだと勘違いしていました。

 よく考えればそうですよね、料理だって「ハンバーグが食べたい」と思っても、それを準備する手間がありますからね。思っただけで目の前に出てくるような事は無いですよね。


「こういう準備は1人では出来ないわよ。多くの人、そして多くの時間が必要よ」


 確かに1人で準備するには、時間も何もかも足りないですね。

 例えば私1人では必要なモノ全てを校庭に運ぶのは難しいですし、運べたとしても組み立てなどに時間がかかってしまうでしょう。


 ですがみなさんの力借りればどうでしょうか。

 単純な計算にはなりますが、1人では絶対に運べない荷物も2人や3人、もっと言えば100人居れば簡単に運べるでしょう。


「何もかも1人で完結する訳じゃないわ。みんなの力を借りてこそ、達成出来るのよ。だから」


 そう言って、緑ちゃんは咲黄ちゃんと一緒に種目の確認をしている、勇子ちゃんとランちゃんへと視線を向けます。

 どうやら今は借り物競走で借りるモノについて決めているようですね。


 ハンカチや帽子なら、ありふれているので持っている人は居るかもしれませんが、あまりにも高価なモノや珍しいモノでは競技が成り立たないですからね。確認は大事です。


「咲黄ちゃんトラック持ってきたぜ!」


「ありがとうランちゃん。うん、それじゃあ借り物競走で借りるモノはトラックしようか」


「しないよ!? と言うか1人で運べないよ!?」


 ランちゃんが近くに停まってあったトラックを片手で持ち上げて、校庭を囲む高い網を飛び越えて校庭へと入ってきました。

 咲黄ちゃんはそれを見て、トラックを借り物に入れようとしますが、全力で勇子ちゃんに静止されています。


「まずはアレを止めましょうか……」


「そうですね……」


 ありふれてますけど、確かに探せば簡単に見つかる程度にはありふれてますけど、トラックを1人で運ぶのは人類には厳しいですよ!

 緑ちゃんは1人で完結する訳ではないと言っていましたが、たった1人でも強力な力さえあれば、多数に勝る時もあるんですね。


 魔法少女に変身した時なら兎も角、変身していない状態でトラックを運ぶとしたら、どれほどの人数が必要なんでしょうね……少なくとも私達4人だけでは運べる気配が全くしないです。






「あ~疲れたぁ~!」


「生徒会のお手伝いありがとうね」


「私達が手伝いたいと思って動いたんだから、お礼を言う必要は無いわよ」


「そうですよ」


 夕陽が昇り始めた頃、私達4人は体育祭の準備が一段落させて帰路へ着いていました。

 体育祭まではまだ2週間ほど時間はありますが、準備の他にも競技の練習とかもあるのでこれから忙しくなりそうですね。


「他のみんなも一緒に帰れば良かったのにね」


「仕方ないじゃない。力男はガク先輩に捕まってたし、リュウは動けなくなってたわけだし」


「お兄ちゃんやランちゃんは身体を動かし足りないって何処かに行っちゃったからね」


 本当は力男さん達も誘って一緒に帰ろうと思ったのですが、科学部の部室に訪れたら何故か力男さんは頭から煙を吹いてショートしていましたし、リュウさんは一緒に部室を訪れたら、疲れてるだろうから飲んだ方が良いと渡された薬を飲んで気絶しました。


 どうやら元気パワーをなんやかんやして、飲み物として改良した薬だったようですが、効能が強すぎるとかで本能が危険を感じて気絶したとガク先輩が説明していました。

 試作品だったようですが、なんてモノを飲ませているんですか……。


 そして部長さんとランちゃんは、陸上部が体育祭の準備をするから休みだったようで、準備だけでは身体が鈍ると何処かへ行ってしまいました。

 それにしても、人って頑張れば脚をバタバタさせて空中を移動出来るんですね。今度私も試してみましょう。


「見つけましたよ、魔法少女」


「「「「!?」」」」


 そうして雑談をしていると、突然私達を魔法少女と呼ぶ聞き覚えのある声が後ろから聞こえました。

 私達は前へ跳んで距離を取りながら、声をかけてきた人物の方へと振り向きます。


「コマツール! どうしてここに!?」


「この人が、コマツール……?」


「どうしても何も、貴方達を探していましてね……」


 その声の正体は、以前アクロコとの戦いを終えた後に現れ、私と勇子ちゃんが手も足も出なかった相手、コマツールでした。


 コマツールがわざわざ私達を探していたとは、いったいどういう事でしょうか。

 コマツールの言葉に疑問が浮かびますが、それを頭の片隅へと追い込みます。


 疑問を解きたい気持ちはありますが、コマツールは魔法少女に成り立てだったとは言え、私と勇子ちゃんを軽くあしらう程の実力がある相手。

 私達はあの時よりも強くなり、咲黄ちゃんと緑ちゃんがと言う心強い友達が魔法少女になってくれましたが、あの時の事を思い出すとどうしても身体に力が入ってしまいます。


「単刀直入に聞きます。貴方達は5人目の魔法少女について知っていますか?」


「知らないわよそんなの!」


 伝承上では魔法少女は5人居るのは当然知っていますが、これまでに私達が出会ったか聞かれたら答えはノーです。

 そもそも5人目の魔法少女が存在するのか、それすらも疑問が浮かびます。


 コマツールが私達に5人目の存在を聞いてくると言う事は本当に存在をしているのかもしれませんが、伝承では5人だから、私達ともう1人(5人目)が存在すると考えているかもしれないですからね。


 ですが伝承では5人でも、現代(私達の代)では4人と言う可能性もあるので決めつけはしないようにしておきましょう。

 ガク先輩の言葉を借りるならば前提(常識)を覆す、ですね。前提が必然とは思わない事です。


「惚けているのか、本当に知らないか。いやはや、判断に困りますね。まぁ良いでしょう、どちらにしても……」


 コマツールはその言葉と共に指を鳴らすと、眩しい光が私達を包みます。

 あまりの眩しさに目を閉じ、光が消えて目を開けた頃には住宅街は消え、代わりに何もない真っ白な空間が広がっていました。


「ここなら邪魔者は入らないので、関係ありませんね」


「ここは?」


「これは私のちょっとした魔法でして、一時的な空間を作り出しました。ここから出る方法は私か貴方達のどちらが倒れるまで戦うこと」


 つまり私達がこの空間から脱出するには、コマツールを倒す。

 そしてコマツールがこの空間から脱出するには、私達を倒すしか無いわけですか。


 助けを呼ぶことも、助けが来ることも無い。コマツールからすれば、仮に5人目の魔法少女が居たとしても空間を断絶すれば合流する事は無いと考えたわけですか。


「では、手合わせと行きましょうか」


「「「「変身!」」」」


 コマツールは私達を脅威と思っていないのか、まるで子どもと遊ぶ親のように軽い調子の言葉を掛けてきます。


 舐められてるのか、それほど余裕があるのか。不気味な雰囲気を漂わせるコマツールを前に、私達は魔法少女へと変身して、戦いを始めました。

咲黄の生徒会設定を活かして活かせてなかったので、ガク先輩に罪を被ってもらいました。


 最初、リュウは用事(買い物)があって一緒に帰れない描写の予定でした。

 ただ、それすると「まだリュウとコマツール繋がってるんじゃね?」と、登場人物達に有らぬ誤解が生まれそうなので気絶してもらいました。悪いなリュウ、許してくれ。

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