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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第6章~多くのイベントが発生するで章
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第87話 俺の先輩が的確な推測な件

 ガク先輩は物語進めるのに本当に便利。

 頭が良い設定にしてるから、作者側の都合として「ここ指摘してほしいな」って部分に追及しても違和感ない。


 さすがにヒントが無い状態で答えを導け出せないですし、頭脳面で株を落とさないよう注意を払う必要があるのが欠点ですね。なお、頭脳面で上がった株は性格面で下がる模様。

「───つまりアクロコくんは身体こそは改造されているが、妖精としての機能は残っていてね。私としては……って、聞いているのかね?」


「あーはいはい、アクロコが妖精って話ね。それ夏休みにも聞いたんだけど?」


「この話の本質はそこでは無いのだがね」


 体育祭の準備が少しずつ開始されつつある今日この頃。

 マホ達が体育祭の準備を手伝おうとしているので、俺もその流れに乗ろうとしたらガク先輩に部室へ呼び出された。


 実験に巻き込まれるのかと思ったが、今回は違ったようで、ひたすらアクロコについての説明をしてきたのだな、小難しくてよく分からない。


 ようするにアクロコは妖精って事で良いんだよな? でもその話は夏休みの時に聞いたんだよなぁ。

 俺があの時ショックを受けてたから聞いてないと誤解してるのかな? 悪いがガク先輩、一応話は聞いてたから復習は要らないぞ。


「それよりガク先輩、少し気になるんだが体育祭の部活対抗戦って出るのか? てか部員1人で出場出来るのかあれ」


「さすがに1人で出場するのは不可能さ」


「だよなぁ」


「まぁ私は自身の発明品さえあれば陸上部以外とは渡り合えるのだが、教師側から止めてくれと頼まれてね。全く、私の研究成果を体育祭で披露してを生徒(実験体)を集める作戦が水の泡さ」


「そんな作戦立ててたら止めるに決まってるだろ」


 生徒と書いて実験体と読むの止めろ。

 もし本気でその作戦を実行するなら、校門とか人の集まる所で発明品、それこそランが使ってた水鉄砲や射的銃を披露するだろうから、申請が通ったら良いなぐらいの半分冗談で申請したのだろう……いや、やっぱり半分じゃなくて3割くらい冗談かも。


 それにしても、陸上部以外と渡り合える発明品って何があるんだよ。

 触らぬ神に祟りなしって言葉あるように、変に首を突っ込もうとは思わないが、この場合は色んな分野相手でも勝てるほど自信がある発明品に恐怖すべきか、ガク先輩の知識を結集したモノでも勝てない陸上部に驚くべきか。多分両方だな。


「実の所、君達の名前だけ借りる手もあったんだが、部員じゃないからと却下されてしまってね」


「人の知らぬ間に何してんだ!?」


 相変わらずガク先輩の行動はよく分からない。

 俺達の名前を勝手に使ってまで見せびらかしたい発明品ってなんなんだよ。

 見たくないけど、見たら巻き込まれる予感がするから見たくないけど!


「ところで力男くん。夏休み、正確に言うとアクロコくんの正体について知った時からだろうかね。4月の頃と比べて、何か心情の変化があったかい?」


「いや? 特に無いぞ。つーか夏休みは友達(・・)と遊んだぐらいで、特段変わった事無かったし。強いて言うなら、魔法少女うんぬんの話をマホ達と共有したぐらいか?」


「あるじゃないか、心情の変化」


 俺はガク先輩の言葉に首を傾げる。

 今のいったい何処に心情の変化が感じ取れたのだろうか。俺は今も昔も特に変わったりしていない、それともそんなに俺の口から「友達」と言う単語が出るのが珍しいだろうか。

 それだとまるで俺がボッチみたいじゃねぇか。


「君は今まで例え話でなら兎も角、実際に人を指して友達と呼ぶ事は殆ど無かったからね」


「そんなことは…………」


 無い。そう返そうとしたが、よくよく振り返ると俺は今まで「友達と呼べるのは」だったり「友達になれたかも」と、友達のような近い距離感や、親しい仲になれそうと言った表現で使ったことはあるが、明確にマホやラン達を友達と呼んだのは何回あっただろうが。

 もしかしたら、一度も無いかもしれない。


「私は君の過去を深く追及するつもりはないが、一つアドバイスを送ろう。友達を無くさないよう注意したまえよ」


「それは、いったいどういう意味だ?」


 いつにも増して今日のガク先輩の言動はよく分からない。

 心配している、と言うより俺にアドバイスを送っているのは、巡りめぐってガク先輩自身が得をするようにしているのだろう。

 何がどうなって得が巡ってくるかは、俺には想像つかないが。


「ふむ。過去を深く追及しないと言った手前、前言撤回するような形になってしまうが……君は過去に特殊な力を持つ人物相手に何かあったのだろう? そしてその人物は友達、もしくは友達のように親しい人物のどちらかだ」


「ッ!」


「あくまで推測であったが、反応から見るに当たりのようだね」


「……その推測に至った経緯を聞いても良いか?」


 ガク先輩の推測通り、俺は前世で特殊な力を持つ親友を失っており、それと同時に世界が滅んで高校1年生、年齢にすると16歳と言う若さで前世での生を終えている。


 前世での俺は親友が特殊な力を使えるとも知らずに、のほほんと平和な日常を過ごしていた。

 そんなある日、親友が邪神と呼ばれる存在と戦っていたのを知ったが、それを知った時には全てが遅かった。


 親友の隠し事に気付けなかった後悔、邪神と言う存在に何も出来なかった無力感、親友の苦労も知らず生きてきた自分自身に対する苛つき。

 これらが重なって俺は前世やそれに類する過去の出来事を話すのを嫌う。

 だから前世について隠し通して来たのだが、何処で勘付かれてしまったのだろうか。


「まず一つ。私は君が人間不信の可能性を考えた。だが、この場合なら君は私やマホくんと関わろうとしないだろう? 素直なマホくんは兎も角として、テレパシーを攻略可能な私は何を考えているか分からない。そんな人間と接触するとなれば、嫌な顔ぐらいするだろうが、力男くんにはそれが無いからね」


「テレパシーには本来、攻略って概念無いんだけど?」


 テレパシー使えるのに、何考えてるか分からないって矛盾してそうな言葉だけど、ガク先輩相手だと本当にその通りだから困る。なんだこの人。


「次に二つ目。マホくんや勇子くんをクラスメイト、咲黄くんや緑くんを同級生と呼んでいる点。この呼び方だけで君が人と距離を取っているのは容易に想像がついたさ。そして三つ目だが」


「まだあるのかよ」


「君が魔法少女くん達と関わりを持っている点だ」


「…………?」


 俺がマホ達と関わりを持っている事と、ガク先輩の推測にどんな繋がりが有るのだろうか。

 俺自身が把握している限りでは、特殊な力を持つ知人は前世の親友と魔法少女、他にはアクロコやリュウぐらいだ。

 それにいったいどんな意味があるのだろうか。


「おや、ピンときていないようだね」


「悪いが詳しく説明してもらえるか?」


「勿論そのつもりさ。私には効かないが、君は人の心を読み取る超能力、テレパシーが使える。初対面の私にもテレパシーを使った君だ、きっと転校してきたマホくんにも使ったのだろう? そこで魔法少女について知った」


「正解だな」


 確かに俺は、マホが転校してきた時に青髪だったり、中学1年生のGWと言う微妙な時期に転校してきた事もあって、マホが何か特殊な力を持ってるかもと怪しんで超能力を使ったな。

 なんで的確に俺の行動当てられるんだよ。


「戦いに巻き込まれなくないと言っている君は、そこでマホくんと距離を保つ事が出来た筈さ。友達としての距離ではなく、お互い顔と名前は知っている程度のクラスメイトとしてね」


「それで?」


「ここからは仮定の話になるのだがね……恐らくだが、君は魔法少女くん達と同じように、特殊な力を持った人物と親しい仲だったのだろう。だがその人物に何かがあった、その結果人と深く関わるのがトラウマになったが、見過ごせないと裏で手助けするようになった、と言うのが私の推測だね」


「はぁ…………8割方正解だよ」


 俺はアイツ(親友)の苦労も知らずに平和に暮らしていた。

 アイツがどんなに辛かったか、俺に秘密を隠し続けてどんなに苦しかったか、俺もアイツも前世の世界と一緒に亡くなった今、知る術は無い。


 俺はアイツの苦労を知らなかった俺自身を許せない。

 けど強大な敵相手に正面で啖呵を切る勇気も、ヒーローや魔法少女のように戦う力も無い。

 それでも同じ失敗はしたくないと、その思いが俺が今世での生き甲斐となった。

 そして今年の5月にマホと出会った。


 誰かと深く関わるのはトラウマにはなってない、筈だ。

 ただ微妙な超能力しか持っていない俺が戦いに関わっても邪魔になると思っているだけだ。


 前世の世界を滅ぼした相手、確か邪神ゼメツなんちゃらだったか。

 そいつ相手に怯えるだけで何も出来なかった俺が戦場に出ても、足を引っ張るだけだからな。

 俺はマホ達を手助けする事はあっても、邪魔をするつもりは無い。


「なんでそこまで当てられるかなぁ」


「事実と仮説、そして考察を交えただけさ。正直、この推測は3割当たっていれば良い方と思っていたから、私としても8割正解は驚いたさ」


「逆に3割は自信あったのかよ」


「敵に狙われる可能性があるのにアクロコくんを拾ったり、表面上の関係かもしれないが敵幹部時代のリュウくんと交友関係があったりと、突けばより疑問点は出てくるからね。多少の自信はあったのさ」


 アクロコを拾ったのは、何もかも失った状態で1匹だけで生きるのは可哀想と思ったからだ。

 実際、俺は前世の親友や世界とか何もかも失ったからな。

 そんな中、1人で生きていけってのがどれほど残酷なのか知っていたからってのが理由だ。


 リュウに関しては、警戒こそはしてたが純粋な悪と思っていなかったからだ。

 少なくとも純粋な悪なら、勉強で頭抱えたり夏休みの宿題を嫌がったり、内心まで学生らしい思考をしないだろう。


 もっと言えば勉強や宿題に手をつけない方法もあったが、リュウは真面目に取り組んでたからなぁ。

 なお、それと成績が比例するとは言っていない。


「何にせよ、過去を大事にするのは良いが、過去に執着したり囚われる事は止めたまえよ」


「それは先輩としてのアドバイスか?」


「いや、研究者としてのアドバイスさ。私の場合、過去と書いて常識と読むのだが、過去に執着し続けるといつしか足元を掬われる。注意したまえよ」


「へいへい、肝に免じておくよ」


 ここは正直にアドバイスを受けるとしよう。

 相変わらずテレパシーを使っても、イマイチ考えが読めないガク先輩ではあるが、自身の利益にはならない行動は基本的に取らない。

 俺にわざわざアドバイスをするって事は、何か理由が有るのだろう。


 …………感謝ぐらいは、した方が良いのだろうか。


「ところで力男くん。私が最近マホくんと勇子くんを被験体として実験した、人間と妖精に変える薬についてだが」


「おい待て今何て言った!?」


 なんつー実験してるんだよこの人!

 前言撤回だ、前言撤回。賢いのは認めるしかないが、性格面に問題がありすぎて感謝する気にならねぇ。

 全く、珍しく良い話をすると思ったらこれかよ。ガク先輩らしいと言うか、なんと言うか……。

 今まで「前世含めてギリ30歳越えてない」や「体育祭は前世で一回だけ参加した」と遠回しの発言をしてましたが、今回で主人公の行年は16歳と判明しました。今世は中1で13歳、前世は高1の16歳なので、前世含めて今の年齢は29歳です。

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