表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第5章~俺の夏休みが騒がしい日々になるで章
84/146

第84話 俺の周りが宿題終わって無いな件

「マホちゃん、これの答えなに?」


「これはですね」


「ちょっとマホ。答えを教えたら勇子の為にならないわ!」


「リュウくん、作文書けた?」


「ヒ、1文字も進んでないでス……」


 夏休み最終日。俺は夏休みが開けるより一足先に学校に来ていた。

 まぁ学校が楽しみすぎて日を間違えた訳じゃなくて、勇子とリュウの夏休みの宿題の面倒を見に来たんだけどな。


 リュウの事情を念聴で聞いた翌日、俺の家にマホとペンヨウがやって来た。

 どうやら約束をすっぽかしてしまった事を謝りに来たようだったが、事情を知っている俺からすれば仕方無いの一言に尽きる。てか気絶してるとは言え、敵幹部を家に連れてこられる方が困る。


 俺はガク先輩からある程度事情は聞いてるから気にしてないとマホを宥め、ずっと申し訳なさそうにしているマホを見て、宿題は終わっているかと無理矢理話題を変える。

 そして勇子とリュウがまだ終わっていなくて、科学部の部室で宿題を終わらせる予定だと聞き、今に至るのだ。


「力男、なんだか修羅場の気配を感じるワニ」


「そうだな。じゃあ帰るとしよう」


 そうして部室に来たのだが……夏休み最終日なのに全然宿題をやっていなかったそうで、なんとか終わらそうと緑、咲黄の2人の圧が強い。


 マホは厳しい雰囲気を出しておらず、むしろ勇子に甘い対応をしているが、それを緑が制しているので飴が0、鞭が10の状態となっている。辛そうだな、宿題やってない方が悪いけど。


 別に俺達来る必要なかったんじゃないか? と言うのが正直な感想だ。これもう緑と咲黄、雰囲気和ませ要因の入れば片が付くだろ。


「待ちたまえ。折角この暑い中来たのだから、お茶でも飲んで行きたまえ」


「ガク先輩の入れたお茶を飲むのはちょっと怖いんだが」


「ワニャアも怖いワニ」


「私は信頼されていないのか。いやぁ悲しい、実に悲しいね!」


「なら一旦今までの行動を振り返ってみろよ」


 俺達を帰さまいと、ガク先輩がお茶を進めてきたが当然の如く拒否をする。

 この前アクロコに一服盛ったの忘れてないからな? ほら見ろ、アクロコも学習して飲もうとしてないから。


「つーかガク先輩は宿題やったのか? 実験を優先して提出物とか出してないイメージなんだが」


「安心したまえ。その日の出来事を書く日記は物理的に不可能だが、それ以外は夏休み前に終わらせてある。手を付けてないからと呼び出されるのは面倒だからね」


 俺達の学校では基本的に、夏休みの宿題は夏休みが始まる数日前に配られる。

 だから夏休み前に宿題に手を付けるのは可能ではあるが……夏休みに入る前に終わらせているのは、ガク先輩ぐらいだろう。そもそも1ヶ月分の量を数日で終わらせられるってなんだよ。


「さて、私はアクロコくんに用事がある。少し借りるとしよう」


「え? 怖いから嫌ワニ」


「安心したまえ、ただ身体を調べさせてもらうだけさ。さぁ、此方へ来たまえ」


「じゃあなアクロコ」


「あっちょっ、力男助けてほしいワ……」


 俺は旧理科準備室───科学部の部室は旧理科室を再利用しているため、そこに隣接している旧準備室も部室として含まれる───に連れていかれるアクロコに合掌を送り、必死に宿題を終わらそうとしている勇子の方に視線を送る。


 すまないなアクロコ、実験しようとしているガク先輩を無理矢理止めようとすると何するか分からないんだ、だから犠牲になってくれ。

 安心しろ、墓にはちゃんとファ〇チキ備えるから!


「マホちゃん、この4択は何が当てはまりそう?」


「これは……っとと。答えは言ったら駄目なんでしたね」


「え!? そんな殺生な~! じゃあアイス、今日はアイス私の分も食べて良いから~!」


「アイス!? いやでも、それでは勇子ちゃんの為にならないですし……ぐぬぬ」


「欲望に負け掛けてるじゃねぇか」


 ぐぬぬじゃねぇよ、この前ペンヨウにアイスは1日1個だと叱ってた時を思い出せ……あ、やっぱ思い出さなくて良いや。

 俺あの時に「無理してルールを守る必要は無い」ってマホに誘惑の言葉掛けてたわ。思い出させるとマホが欲望に負けるかもしれない、一生忘れててくれ。


「適当に答えとけ、適当に。最悪空欄さえ埋めとけばなんとかなる。あとは祈れ」


「適当すぎないかしら? まぁ空欄で出すよりは良いんでしょうが」


 こういうのは「ちゃんとやった」と魅せるのが大事なんだ。

 空欄だと宿題に手を出してないと疑われるが、回答しとけば頑張ったけど、解けなかったんだなと思われる。

 なお、勉強が身に付かない点からは目を逸らす。そもそも夏休み最終日に終わらす時点で身に付くわけねぇだろ。


「どうか私の回答当たっていて! 神様仏様なんちゃら様~!」


「勇子ちゃん勇子ちゃん、祈るのならこれ貸しましょうか?」


 そう言ってマホはマジックテープ付きの財布から、夏祭りの時のおみくじを取り出した。

 あの、マホ……もう少し使い勝手の良さそうな財布に変えたらどうだ? ドヤ顔で財布出してる時点で、それが気に入ってるのは伝わるけどさ。


「みんなで運を集めたやつか」


「はい! そして夏祭り後にペンヨウ達からも運をもらったので、これは実質的に幸運のアイテムです! 大凶ですが!」


「ありがとうマホちゃん。このおみくじに祈らせてもらうね」


 後でアクロコにも運を分けるよう頼んでみるか。

 俺は厳しい緑と雑談で場を和ませるマホが居れば勇子の方は安心だろうと、次に「夏休みの思い出」と言う作文に手を付けているリュウに視線を送る。


「リュウ、作文の調子はどうだ?」


「進まないでス。もう皆さんに一言ずつ聞いテ、それを作文に写すのじゃ駄目ですかネ?」


「カオスな事になるから止めとけ」


 それもはや思い出じゃねぇよ。

 つーかこのメンツで集めると常識うんぬんだったり、兄の話だったり、恋愛についてだったり、色々ごちゃ混ぜになるぞ。

 それで先生から呼び出されても俺は知らん。


「リュウくん。そしたら作文の題材を変えてみるのはどうかな? 私は夏休みのお兄ちゃんについて書いたよ」


「部長についてですカ。参考程度ニ、見せてもらうことは可能ですカ?」


「うん。はい、どうぞ」


 見本があった方が書きやすいと思っていたのか、咲黄は完成した作文を持ってきていたようで、カバンから夏休みの部長について書かれた作文を取り出した。


「…………あノ、咲黄さン。これハ?」


「お兄ちゃんの事を書いた作文だよ?」


「誰がカオスにはカオスで対抗しろと言ったよ……!」


 その枚数、実に1000枚である。

 もしかしたら白紙の紙を含めて枚数をかさ増ししてるんじゃないかと、作文の最初の紙と最後の紙を確認して見るが、ちゃんと書かれていた。

 なんなら最後の紙も続きがあるような書き方だったので、ここにある以上の枚数書いたのだろう。


「えへへ。褒めても何も出ないよ~」


「「褒めてないからな(ですヨ)!?」」


 これをどう見たら褒めてるように思えるんだ!?

 怖いんだけど、やっぱりさん付けするレベルで怖いんだけど!?

 お前最初あった時オドオドして人見知り発揮してたじゃねぇか、あの時の大人しそうで個性強そうな奴に埋もれそうな性格何処行った、お前もうブラコン属性だけで全員と渡り合えるわ!


「そういやリュウ、元々は何をテーマにしようと思ったんだ?」


「最初は夏祭りについて書こうと思ったんですガ、実際に文章にしようとするト、中々進まなくてですネ」


「なら思った事を一つずつ箇条書きにしたらどうだ? そしてその分を繋げて作文を作る。咲黄、少し作文借りるぞ」


 俺は咲黄のブラコン作文を借り、リュウに見せる。

 個人的な感情で言うとこれを見本にしたくないんだが、俺は今日要らないだろと思って、家に置いてきちまったんだよな。


「ほら、例えばここの咲黄が部長と遊びに行った時の話。長文のように見えるが一つ一つ区切っていくと……部長の横から見た印象。その日の服装。天気や雰囲気による感じ方の違い。区切れば一つずつ言葉を書いてるだけなんだ。一度これを参考にして書いてみたらどうだ? 内容は兎も角として」


「確かに文章にしてみれば長いですガ、一つ一つ区切れば僕でも書けそうですネ。内容は兎も角としテ」


「まぁひとまずはこれを参考に書いてみろ」


「はイ、頑張りまス!」


 俺のアドバイスが効いたのか、さっきまでずっと手が止まっていた奴と同一人物とは思えないほどに、リュウはサクサクと手を動かして作文を進めていく。

 そして原稿用紙の枚数が5枚に達すると共にペンを置いた。


「出来ました!」


「おうそうか。見せてみな?」


 俺はリュウの作文に目を通す。

 まぁ目を通すと言っても、文章の区切りが変だったり、誤字が無いか確認する程度だけどな。

 少なくとも俺は人の書いた文に文句を付けられるほど達筆ではないし、宿題に細かな正確さを求めるような性格でもない。


 ふむふむ、結局テーマは夏祭りのままか。


 えっと、部長と一緒に夏祭りに行ってりんご飴を食べた。りんご飴と言うのだから、大きめのりんご1個丸々使っているのかと思ったら小さいりんごもあるのだと知って驚いた。

 宝石のような見た目をしており、灯りで照らすと光り輝いているように見える、それはまるで純粋な子どもの目のようであった。りんごの周りを飴が覆うことによってよりりんごの色を強調し、真っ赤であることを改めて示してくれ……


「りんご飴の事しか書いてないじゃねーか!」


 しかも序盤見た目の話するだけでどんだけ筆進んでんだよ、食感の部分に入るまで作文半分進んでるけど!?

 夏休みの思い出だから良いんだけど、これもう夏祭りと言うよりりんご飴の思い出じゃねぇか!?






「あー、疲れた……」


「ワニャアも疲れたワニ」


 勇子とリュウの宿題を見ること数時間。

夕方になる頃にようやく終わり、俺とアクロコは家へと帰りぐったりとしていた。


 宿題の途中、アクロコが居ることにようやく気付いたリュウが驚いたり、アクロコがマホのおみくじに運を分けてたり、アクロコがガク先輩から助けてくれなかった事に怒ったり……あれ、なんかアクロコの話しかしてないな。

 まぁなんにせよ、明日から学校だ。今日はもうゆっくりと休むとしよう。


「ん? 電話だ」


 もう風呂入って飯食って寝よう。

 そう考えた時、電話が掛かってきた。夕方に電話があるのは珍しいと、俺は電話の相手を確認せず通話をする。


「はいもしもし」


『助けてリキえもんー!』


「うるせぇ!? え、なに。なんかあった?」


 俺の鼓膜を破る気かよ。

 電話を掛けてきたのはどうやらランであった。

 突然の大声は止めろと言う言葉を飲み込み、俺はランに事情を聞く。

 ランが助けてを求めるなんて珍しいな、いったい何があったんだか。


「宿題が、終わらねぇ!」


「お前もかよ!?」


 どうやら俺の周りでは夏祭りの宿題を最終日に終わらすのが流行っているらしい。

 俺はそんな流行は今年限りにしてくれと頭痛を押さえながら、見捨てるのは後味が悪いと、疲れている身体に鞭を打ってランの宿題を終わらすのを手伝うことにした。

 あぁもう、どうしてこうなったんだ……。

【次章予告(多分大体こんな感じになる)】

 怒涛の夏休みが終わり、二学期が始まった俺達の学校。二学期が始まったから、早速中間テスト……の前に、体育祭がある。現実の学校では6月辺りにやる所が増えてきたようだけど、俺達の学校では9月なんだ。誰がなんと言おうと9月にやるんだ。別にキャラが出揃ってなかった都合上で、6月に出来なかったとかじゃないんだ。


 そうして体育祭の準備を進める魔法少女に、コマツールの魔の手が……! いや、5人目の魔法少女とか知らないだけど。ってあれガク先輩、その隣に居る人体模型ってまさか!


 次章:多くのイベントが発生するで章(仮)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ