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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第5章~俺の夏休みが騒がしい日々になるで章
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第75話 夏祭りの射的が難しいな件

「待った? いや待ってないぜ!」


「1人で会話進めんな」


 太陽が沈み、暑かった外も冷たい風で薄着では寒いと感じるような時間。

 俺は神社で開かれている夏祭りをランと一緒に回るため、鳥居でランが来るのを待っていた。


 待ち合わせ場所の鳥居に居ること数分。俺の方に浴衣を着たランが走ってきた。

 俺も私服じゃなくて浴衣着てくれば良かったか? いやでも、今は13歳の身体とは言え、精神年齢で言えば前世込みでギリ30歳越えてないぐらいだからなぁ。もう浴衣を着るような年齢でもないか。


「なぁ力男。最初は何処行く、帰るか?」


「ここまで来て!?」


「冗談だ!」


 わざわざ待ち合わせして、合流したら帰るってどんな思考回路してるんだよ。

 俺はランの冗談を受けなが……せてはいないが、平常運転だと無理矢理納得して祭りを回っていく。

 りんご飴、お面、焼きそばなどの屋台を通り過ぎ、何から見て回ろうと考えていると、ランがある屋台を指差した。


「お、射的ある! やろうぜ力男!」


「そうだな。店主、2人分頼む」


「畏まりました。あと私は店主ではなく、ここでバイトをしている家政婦のメイドでございます」


「ちょっと何言ってるか分からない」


 家政婦もメイドも対して変わらないだろ。

 俺はバイトで家政婦のメイド───紛らわしいし、自分でも何言ってるかよく分からなくなってきた───に金を払い、射的鉄砲を借りる。

 それじゃあ早速狙いを定める前にっとと、ルールが載ってるみたいだから確認してみるか。ふむふむ、弾は5発で身体を乗り出して撃つのはアリなのか。


「力男!」


「お前持ち上げて撃つとは無しだぞ」


「え~!」


「え~! じゃねぇから。どう考えてもそれズルだからな」


 身体を乗り出す+持ち上げるなんてしたら、銃口が商品に当たるぐらい前に出るだろ。それもう撃つ必要無いから、銃口で押し出すだけで商品倒せるから。


 俺とランはライフルサイズの射的鉄砲を構えて商品目掛けて引き金を引く。

 だが当然と言うべきだろうか。俺もランも銃なんて扱ったことがないため、狙いがズれて商品に掠りもしなかった。

 弾は残っているからと、もう一度狙いを定めるが失敗し、結局一発も当たることは無かった。


「やっぱ当たらないか」


「ぐぬぬ」


「お客様。良ければ此方を試してみますか?」


「なんだそれ?」


 一発も当たらなかった事にランが悔しがっていると、家政婦のメイドが拳銃サイズの射的鉄砲を取り出してきた。

 ライフル型のは上半身で抱えるような形で撃ったが、拳銃サイズとなれば、両手で構えるだけなので商品を狙いやすいだろう。


 だが一つ言わせてほしい。

 なんで変なボタン付いてるの? ねぇ待って、それ凄い見覚えあるんだけど。最近ランがプールで使ってた水鉄砲と形も何もかも似てるんだけど。


「変形型の射的銃でございます」


「嫌な予感がする。おいラン止めとこうぜ」


「やろう!」


「話聞けよ」


 俺の制止を聞かずランは料金を払い、変形型射的銃を構える。

 水鉄砲の時に使い方を熟知していたのか、躊躇い無く謎のボタンを押して銃口を10個展開させる。

 水鉄砲と違う点とすれば、銃口の大きさ自体は拳銃の時と変わってないぐらいだろう。


「威力は商品を倒す程度、弾数は複数の銃口から一気に発射される都合上、一回のみ撃てる仕様となっております」


「あぁ。威力は常識の範囲内なのか」


「ええ。この開発者様は「ふむ。出し物として扱うのだから威力は抑えさせてもらったが、正直つまらないな」と仰っていましたが」


「なんだろう、開発者に凄い心当たりがある」


 その人もしかして、科学部に所属していて常識(前提)を覆す研究してる? より具体的に言うと、ガク先輩。

 つーかそんな予感してたけど、あの水鉄砲作ったのもガク先輩かよ。


「うおおおお! 力男これすげぇぞ! 全部外れた!」


「そんな銃口付いてるのに!?」


 家政婦のメイドから、商品へと視線を移すとどれも倒れていなかった。

 床に転がっている弾の場所から考えるに、商品と商品の間を全ての弾が通り抜けたのだろう。


「ふむ。盛り上がっているようだね」


「これはこれは心様。ここに来るなんて珍しいですね」


「いやなに。息抜き程度のモノとは言え、私が作った射的銃を出し物に使用しているんだ。多少気になって顔を見せに来たのさ」


「やっぱあんたが作ったのかガク先輩」


「おや、力男くんとランくんじゃないか」


 本当に射的屋に顔を出しに来ただけだったのだろう。夏祭りを楽しみに来たような格好ではなく、デカデカと「常識」と黒字で書かれたラフなTシャツを着ている。


「久しぶりだなガクちゃんパイセン!」


「久しぶり、と言うほど最後に会ってから時間は経っていないがね。ところでその射的銃の調子はどうかね?」


「全弾外した!」


「それを全部外せるのはもはや別の意味で才能あるとしか言いようがないね」


「えっへん!」


「褒められてねぇからな」


 ガク先輩とランって顔見知りだったんだな。まぁ逆に顔見知りじゃなかったら、あの水鉄砲は何処で手に入れたんだって話か。


「心様。此方の方々はご友人ですか?」


「ただの後輩と言った方が近いね。それと今はプライベートなんだ、敬語も様付けも要らないさ」


「いえ、メイドとして敬意を払うべきです。力男様、ラン様初めまして。私は心様の元で家政婦をしているメイドでございます」


「悪いガク先輩、俺は外国語はサッパリなんだ。翻訳してくれ」


「彼女が喋っているのは日本語さ。あとメイドの部分は自称だから、深く気にする必要は無いさ」


 なんだ、ただの癖が強い人か。

 研究の為なら平気で無断で人を実験に巻き込むガク先輩、全体的に意味不明な言動が多いラン、ブラコンの咲黄や恋愛脳の緑に比べたら、癖こそは強いがメイドを自称する程度ならまだ影は薄い方だ。


 逆に言えば他が濃すぎるんだけどな。なんで俺の周りにはこんなにも癖の強い奴が多いの? もしかしてそういう奴を集めるホルモンでも出てるの?


「さて、射撃銃の確認を済んだから私は去るとしよう」


「え~! ガクちゃんパイセンも一緒に回ろうぜ!」


「私はマホくん達に用事が…………いや、折角の誘いだ。一緒に行こうではないか」


「おっしゃ!」


 おい待て、一緒に来るのは良いが先にその用事の詳細を言え。

 俺は明らかに何かを企んでいるガク先輩の用事を聞き出そうとしたが、素直に聞いた所で答えないだろうと、ガク先輩にテレパシーを使うことにした。


❴(力男くん、きっと今君は私の用事が気になって心を読んでみるのだろう? その上で言わせてもらおう。私に考えを読もうだなんて百年早い)❵


 なんで行動バレてんだよ。

 俺もう超能力込みでも、ガク先輩に心理戦も頭脳戦も勝てる気がしない。

 つーかガク先輩に勝てる奴なんてこの世に居るのか? ワンチャンあるとすれば、言動がわりと意味不明なランと部長しか思い付かないんだが。


「ガク先輩、ちゃんと財布持ってきてるか?」


「勿論だとも。スられた時に備えて、財布に私以外が触ると電撃が流れる細工もしてあるさ」


「準備万端すぎるだろ」


 そうして俺達は新たにガク先輩を加えて、3人で夏祭りを見て回るのであった。

 夏祭りって舞台なら行けるかな? と思って自称メイドの再登場です。ちなみに自称メイドの年齢は大学生ぐらいかな~ぐらいのガバガバ設定です。


 今回で力男の前世込みの精神年齢がギリ30歳越えないぐらいと判明しました。

 力男の性格や言動は少し大人びてるけど、子どもらしさの残る学生として感覚で書いてます。たまにアホみてぇな行動してるのはそれが理由ですね。

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