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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第4章~魔法少女のターンが始まるで章
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第63話 私の友達がどっちの世界に残るかな件だよ!

「う、うぅん……」


 ワルインダーと戦ったり、慣れない場所で疲れちゃったからか、いつもより早い時間に寝た私は深夜に目が覚めた。


 えっと、今の時間は……深夜の4時かぁ。ぐっすりと寝ていたからか、目が冴えた私は他に誰か起きてないか確認してみる。


「お兄ちゃん、私も大好きだよぉ。結婚しようねふへへ」


「まさかマジュが私の理想とする王子様そのものだったのは驚いたわね。でもマジュはマホが好きで、マホはマジュが好きなのだから、横から取るようなマネはしちゃ駄目よね。でも姉弟の恋愛って難しそうわよね……zzz」


 こ、個性的な寝言だね……。

 咲黄ちゃんと緑ちゃんの寝言に苦笑いをしていると、マホちゃんだけが居ない事に気がついた。あれ、何処行ったんだろ?


「勇子、こんな時間に起きてると夜眠れなくなるライよ」


「あっライヨウ! 起きてたんだね」


「この時間にはいつも起きてるライ。ところで勇子、早く寝た方が良いライよ」


 キョロキョロと辺りを見渡していると、もう既に起きていたライヨウに寝るよう注意された。

 ライヨウっていつもこの時間に起きてたんだね。全然知らなかったよ。


 早起きしてて凄いと思ったけど、よく考えるとお昼寝をいつもしてるから、夜寝れなくなってるだけなのかな? あとお年寄りの朝は早いって言うから、それも理由なのかも。


「う、うん。でもマホちゃんが居なくて」


「マホなら外の空気に当たりに行ったライ」


「本当!?」


 私は「寝ないと生活面リズムが崩れるライ」と小言を喋るライヨウを背に、マホちゃん家の玄関を出て外へ出る。

 外へ出ると、空をボーッと眺めるマホちゃんの姿があった。


「マホちゃん!」


「勇子ちゃん、おはようございます。もしかして起こしてしまいましたか?」


「ううん。偶然目が覚めただけ」


 私はマホちゃんの隣に立って、マホちゃんの顔を見てみる。

 うっすらと出ている朝日が明かり代わりとなって見えるマホちゃんの表情は何処と無く、寂しそうに見えた。


「ねぇ、マホちゃん。マホちゃんはこの世界に残るの?」


「え?」


「この世界にはマホちゃんの家族が居るでしょ? ここならもう寂しい思いをする必要が無いから、残るのかなって」


 私はマホちゃんがそんな表情をする理由に心当たりがあった。

 前にマホちゃんは私達の世界で暮らしている時、ホームシックになった事がある。原因としては、唐突に家族と離れ離れになるような形で違う世界に迷い込んで、家族が恋しくなったから。


 それでえっと……紆余直接? いや、紆余曲折だったかな? まぁ色々とあって、マホちゃんは魔法世界に帰って来て家族と再開した。


 でも私達がこの世界に来たのは目的は旅行のため。旅行なのだから、ずっと過ごすことは出来ない。当たり前だけど帰る必要がある。

 ただ、マホちゃんが本来帰るべき場所はここ、つまりは魔法世界になる。


「それは……」


「大丈夫。ちゃんと私のお母さんとお父さんには説明するし、ワルインダーもなんとかするよ!」


 本音を言うと寂しい。

 もっとマホちゃんと遊びたい、話したい、一緒に学校に行きたい。でも私のワガママでマホちゃんを困らせるような事をしちゃ駄目だと、自分の気持ちに蓋をする。


「ありがとうございます勇子ちゃん。ですが私は……勇子ちゃん達の世界に残ります」


「え!? で、でもマホちゃんはずっと家族に会いたかったんだよね? 悲しくないの?」


「正直に言えば悲しいです。どちらの世界に残るか、ものすごく悩みました」


「なら!」


「ですが」


 私の言葉に重ねるよう、マホちゃんは話を続ける。

 本当にそれで良いの? そう口を開いたけれど、マホちゃんの迷いが無い目を見て、息だけが口から漏れる。


「マジュくんが、私の背中を押してくれました。私と会えなくなるのは寂しいけど、私自身の選んだ道なら良い方向に進むと」


「だから私は決めたんです。もう少しだけ友達と、勇子ちゃん達と一緒に居たいと。ふふっ、ワガママでごめんなさいね」


「マホちゃん……」


「今後ともよろしくお願いしますね、勇子ちゃん」


「うん!」


 私はまだマホちゃんと一緒に居られると喜びながら、マホちゃんへと抱き付くのだった。やったー! もう少しだけ、もう少しだけマホちゃんと一緒に暮らせるんだ!






「……マホ、大きくなったわね」


「子どもの成長は早いからな」


 私はマホと勇子ちゃんが抱き付く姿を、夫と一緒に家の中からソッと眺める。

 今までのあの子はマジュや周りを優先するあまり、自分からワガママを言ったり、人を頼るのが上手じゃ無かったけれど、いつの間にか成長したのね。


「帰ってきて良かったわね」


「あぁ、そうだな」


 ある日妖精のペンヨウと一緒に遊ぶと言ったきり、あの子が行方を眩ました時、私は何かあったのかと心配した。

 翌日、妖精国が突然滅びたと聞いた時、私は冗談か何かだと疑った。その次の日、夫と妖精国に行って確認した時、マホの姿は見えなくて私は泣き崩れてしまった。


 もう帰ってこないと思った。マジュにマホについて聞かれた時何も言えなかった。マジュが塞ぎ混んでる中、私は何も出来なかった。夫が必死に探す中私は泣く事しか出来なかった。


 あの時から私達のマホが居た過去に縛られ、時間が止まってしまった。だからマホが帰ってきた時、思わずマホを抱きしめた。あまりの嬉しさにまた涙を流した。


「マホが居なくなると寂しくなるわね」


「だが……不思議と悲しくは無いな」


「ふふっ。無事に帰ってくるって安心感があるからかしらね」


 世界の平和を守るために戦う。誰もが一度は憧れた事をあの子は成し遂げようとしている。

 マホ自身は守りたいモノを守るために戦っているだけのようだけれど、世界征服を企む組織を止めるのだから、意味合いとしては同じだろう。


 そんな危険な事に首を突っ込まないでほしい。またマホと一緒に平和に暮らしたい。子どもの気持ちを優先せずに、マホの行動を否定しようとした私は親として失格なのかもしれない。


 最初は止めようと思った。けれど、別の世界の話や友達の話をする楽しそうなあの子を見ていると、自分の気持ちを優先して止めるのは駄目だと思った。

 親として子を思う気持ちはあるけれど、マホの行動を縛るような事をするのはあの子の成長を邪魔する事になると。


 だから私達はマホを黙って見送る。心配をかけないよう、今度は泣かずに笑顔で送り出す。寂しいのは当然ではあるが、悲しさを感じないのはあの子の周りには多くの友達が居るからだろう。

 今のマホは私達の知っているマホじゃない。見ない内に身体も心も大きく成長したからこそ、無事に帰ってくると信じられるのだろう。


「さて、母さん。あの子達に気付かれる前に戻ろうか」


「えぇそうね」


 頑張ってねマホ、私達は貴方の帰りをいつでも待っているわ。全てが片付いた時でも、心が疲れてしまった時でも、いつでも帰ってきて良いわ。


 でも一つだけ覚えておいて。何もかもをマホが背負う必要は無いわ、貴方には私達や友達がついている。

 不安になったり、悲しくなったり、もう駄目だと思ったら周りに居る人達を思い出しなさい。きっと、貴方の力になってくれるから。

 今回で魔法世界編は終わりですね。

 4章としてはエピローグ的な部分があるので、もう少し続きますが。


 勇子視点書いてたらいつもより短かったんで、マホの両親のシーンを入れたら綺麗に終わった。

 まさか「さすがに両親居るシーン無いと不自然だよなぁ。でもマホの行動を妨害するのは物語的に邪魔になるから、話を軽く流すか」と、マホ全肯定bot的に登場させた1話ゲストが、ここまで良い人達になるなんて。これは予想外。

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