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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第1章~俺のクラスメイトが魔法少女で章
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第6話 俺のクラスメイトがピンチな件

「おはこんばんにちは! 髪切った?」


「切ってねぇよ」


「奇遇だな、オレも切ってない!」


「ならなんで聞いた?」


 部活の強制体験から翌日。筋肉痛で痛む身体を引きずりながら学校へ行くと、突然ランに声をかけられた。なお、会話の内容は意味が分からない。


 そういうのは普通髪切ったら言うものだと思うんだが。あと俺に後ろからくっつくな、もう5月だから暑くなってきてるんだよ。早く夏服を解禁してほしいものだ。


「おはよー!」


「おはようございます」


「おはよう」


「マホちゃん勇子ちゃんおはー! 今まで食ったパンの枚数覚えてる?」


 筋肉痛で身体が痛むのでランを振りほどくのは早々諦め、HR早く始まらないかなとボーッとしていると、マホと赤元が学校へやってきた。


「うーん、覚えてないな~」


「私も覚えてないですね」


「律儀に答える必要は無いと思うぞ」


 何に影響されたのか知らないが、よくランは漫画やアニメの台詞を引用している。そういう台詞を使いたい時期なのだろうが、それを使うタイミングが意味不明である。


「あっそうだ! 力男勉強教えてクレメンス!」


「はいはい、またいつものな」


 話の振り方が急であるが、もう「ランだから」で前から納得している事にしている。俺はランの言葉に面倒臭い雰囲気を漂わせながら、事前に用意しておいたランに教える用の解説ノートを取り出す。


「これをこうやってだな……」


 俺はある時ランに「勉強を教えてほしい」と頼まれて以降、朝のHRが始まるまで今までやった授業の復習に付き合っているのだ。


 まぁその詳しい話はまた今度するとしよう。そうして俺はノートと教科書片手に、後ろから抱き付いてくるランに朝のHRが始まるまで、付きっきりでランに勉強を教えるのであった。






「今日こそはこのアクロコ様が魔法少女を倒すワニ!」


 まーた出てきたよコイツ。今日の授業が終わり、シャーペンの芯を補充しようと少し文房具店に寄り道をしていると、店の外から聞き覚えのある声が聞こえた。


 まさかと思い外に視線を向けると、殆どの人が膝から崩れ落ちるようにして倒れており、唯一立っているのはこうなった元凶であろうアクロコと、赤元だけであった。


 きっと、アクロコに元気パワーとやらを吸い取られたのだろう。それにしても、学校ではいつも一緒に居るマホがこの場に居ないのは珍しいものだ。少しテレパシーで心を覗いてみるとしよう。


❴(マホちゃんが掃除当番の時にアクロコが襲ってくるなんて……ライヨウも家に居るから変身出来ない!)❵


 あ、これアカンやつだ。ライヨウってのは誰かは知らないが、ソイツが居ないと変身が出来ない。そしてマホは今この場に居ない、つまりは戦える人物がこの場に居ないのだ。


「ワーニャッニャッ! 喰らえワニ!」


「きゃっ!」


 アクロコが赤元を攻撃している光景を眺めながら、俺はマホに千里眼を使っていた。ここにライヨウ、もしくはマホが居ればアクロコと戦える戦力が出来る。しかし俺はライヨウとやらの姿を知らない。誰か知らない相手に千里眼は使えないのだ。


「よし、此方に向かってきてるな」


 それと俺の千里眼はそこまで万能な物ではない。精々マップアプリのように相手の現在地が分かる程度の能力しか無いが、この状況ではむしろ嬉しいぐらいだ。時間的に掃除は終わっていると思って確認してみたが、ドンピシャであった。


 戦闘音に気付いたのか、それとも妖精とやらがアクロコの存在を検知したのかは知らないが、動く速度からして走ってきているのだろう。なら俺のすることは一つ、マホが来るまでの時間稼ぎである。


「はぁ、はぁ……」


「ワニャアに勝つなんて100年早いワニ!」


❴(妖精とやらを連れていなくて幸運だったワニ。あの青いのが来る前にさっさとけりをつけるワニ!)❵


 まず姿を現すのは論外だ。ここで俺が元気な状態で姿を現したら、元気パワーとやらを吸い取られてない事に驚かれるだろう。その「驚く」と言う動作で時間を稼げるが、その後どうして動けるのか追求されると面倒である。


 超能力を持ってるとマホ達に話すのは簡単であるが、問題はワルインダーの方である。元気パワーを吸い取るのを防げる俺を見てどんな行動に出るのが分からないから、迂闊には動けない。


 ならばすることは一つ。俺自身が動かずに時間を稼ぐ、ただシンプルな答えである。そしてその答えを既に俺は考えてある。


❰(ファ……さ……❱


「ん? なにワニか」


 俺はアクロコに視線を合わせると、テレパシーを送り始めた。俺のテレパシーは相手の心を読むだけでなく、相手にメッセージを飛ばすことも可能である。まさか子どもの頃、遊び半分でテレパシーの練習していたのが、こんな所で役にたつとは思ってもみなかった。


 アクロコは俺のテレパシーが聞こえているようで、声の主を探ろうと辺りを見渡している。悪いが俺はお前の死角に居る。気付くことは無いだろう。


 俺はテレパシーの威力を上げて、ある言葉を送り続けた。相手の脳内に直接伝える言葉として、日本一有名であろうあの言葉を。


❰(ファ〇チキくださいファ〇チキくださいファ〇チキくださいファ〇チキくださいファ〇チキくださいファ〇チキくださいファ〇チキくださいファ〇チキくださいファ〇チキくださいファ〇チキください)❱


「うわあああああ! 謎の声が聞こえるワニ! なにワニか、この声はいったい何ワニか!?」


「な、なんなの……?」


 突如聞こえてきた言葉に驚き、恐怖で支配された感情と勝手に流れてくる言葉を忘れたい一心で、頭を振り回しているが、俺は構わずテレパシーを送り続ける。


 一方で赤元は、突如発狂し始めたアクロコの様子を見て怖くなったのか、一歩二歩後ろへ下がった。そりゃあ自分を攻撃してきた相手が謎の声が聞こえると言って、怯えるように頭を振っているのだ。意味が分からず、怯えるのも仕方がないだろう。


「勇子ちゃん、大丈夫ですか!?」


 そんなファ〇チキ作戦が上手く行ったようで、マホが来るまでの時間を稼げたようだ。しかも既にスカイブルーに変身済みのようで、いつでも戦えるようだ。その様子を見た俺は、アクロコにテレパシーを送るのを止めた。


「聞こえなくなったワニ。全くさっきのなんだったワ……ワニー!? って青いの、いつの間に現れたワニか!?」


「いったい何の話か分かりませんが、アクロコ。貴方を倒します!」


 これ以上は俺が何かしなくても片付くだろう。そうして俺はスカイブルーとアクロコの戦いを眺めるのであった。

【アクロコ】

 悪の組織『ワルインダー』の幹部。人々から『元気パワー』と呼ばれるエネルギーを集めながら、魔法少女と戦っている。一人称はワニャア。

 自身のエネルギーを使って怪人を産み出せるが、全て魔法少女に倒されてる。一般人から見たら驚異なんだよ、一般人から見たら……。

 今回の戦いでファ〇チキの存在を知って、1日1個食べるようになった。

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