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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第4章~魔法少女のターンが始まるで章
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第58話 魔法世界の街が賑やかな件だね

 今回は初めての咲黄視点です。

 魔法世界の旅行2日目。

 私、勇子ちゃん、ライヨウ、フクヨウで城下町を見て回っていました。本当は私達だけじゃなくて、マホちゃん達も一緒に来ていたけど……テンションが上がっちゃったのか、マジュくんが1人で走って行っちゃって、はぐれると危ないからと、マホちゃんとペンヨウがマジュくんを追いかけていっちゃった。


 まだ小学生ぐらいのマジュくんと、方向音痴のマホちゃんと、色々と不安なペンヨウを勝手に行動させるのは不安だからと、緑ちゃんとクラヨウが2人と4匹を追いかけていっちゃった。


 私達も追いかけようと思ったけど、その直前に緑ちゃんが「私はマホ達を探すついでに城下町を見て回るから、そっちはそっちで楽しみなさい」と言われちゃった。


 これ以上勝手に動くと後で合流するのが大変だからと思って、私達は緑ちゃんの言葉に甘えて2人と2匹で城下町を見るのでした。勝手な行動はしないようにしないと……!


「おぉ~! 色んなお店があるね! 早速入ってみようよ!」


「勇子、勝手な行動は駄目ライ」


 さっきの事を忘れちゃったのか、勇子ちゃんが1人でお店に入ろうとするのを、ライヨウが勇子ちゃんの目の前に飛んできてそれを止める。


「ライヨウの言う通りだよ勇子ちゃん。それに、このお店は何屋さんって書いてあるか読める?」


「え? それはえっ~と……服屋さん!」


「クリーニング屋ライ。魔法で服を綺麗にしてくれる場所ライ」


「え!?」


「勇子を1人にしなくて正解だったフク」


 魔法世界は私達の世界とは違う言葉が使われているようで、お店の看板を見てもどう読むのか検討もつかない。

 外から見ると色んな服が置いてあるから、もしライヨウがクリーニング屋さんと教えてくれなかったら、勇子ちゃんと同じ間違いをしていたかも。


「こうして見ると、本当に別の世界に来たんだなぁ~って感じがするね勇子ちゃん」


「うん! でも折角だから、ガク先輩も一緒に来れば良かったのに!」


「いつの間にか消えてたから仕方無いライ」


「今度から一言ぐらい行ってから出掛けてほしいフク」


 今日の朝、マホちゃんのお家で城下町に遊びに行こうと話していたら、いつの間にかガク先輩がその場から消えていて、代わりとして置き手紙があった。


 この世界の言葉で書かれていたから私は読めなかったけど、解読してくれたマホちゃん曰く「1人で妖精国に行くから、私の事は気にせず旅行を楽しみたまえ」と書かれていたそう。


 緑ちゃんがガク先輩を1人にしたら妖精国が危険だと言ったり、フクヨウが妖精国の重要な歴史書とかが盗られるんじゃないかと心配してたけど、さすがのガク先輩もそこまではしな……いよね?


「もしかしてだけど、ガク先輩はフクヨウ達に気を遣ったんじゃないかな?」


「どういう意味フク?」


 でも、そんなガク先輩が何も言わずに行動したのは、何か理由があるんじゃないかって私は思うんだ。


 今回の旅行は、元々ガク先輩が調べたい事があると言って決まったもの。

 その目的の為だけなら、マホちゃんとペンヨウさえ居れば、魔法世界へと行ける空間を作って1人だけでも行けた筈。


 それをわざわざお泊まり会って言う建前を作ってまで私達を誘ったのは、マホちゃんを久しぶりに家族に会わせたかったり、魔法少女として戦っている私達の気分転換を兼ねてくれたんじゃないかなって気がするんだ。


「フクヨウ達を、滅ぼされちゃった妖精国まで案内させるのは気持ちが辛いだろうから、1人で行ったんじゃないかな?」


「ガクにそこまでの優しさは無いと思うフク」


「あ、アハハ……」


 フクヨウの言葉に私は苦笑いで返す。

 ガク先輩、案外マイペースに見えて、周りに気を遣ってくれる人だと思ったんだけど、私の勘違いだったのかな?


 ミステリアスな雰囲気で、何を考えてるかイマイチ分からないガク先輩だけど、研究のついでと言う態度をしながらも、私達の為に色々動いてくれてるから、あると思ったんだけどなぁ。


「咲黄ちゃん、あれ見てあれ!」


「どうしたの? 勇子ちゃん」


「ほら! 魔法少女の銅像だって!」


「へぇ~」


 やっぱりガク先輩の事はよく分からない。そう結論付けて、私は勇子ちゃんが指を差した方向を見る。

 そこには5人の魔法少女と5匹の妖精の銅像が置かれていた。

 私達とは似ていないし、この世界ではまだ一度も変身してないから、伝承に残ってる魔法少女や妖精を模した銅像かな?


「あれ? でも何かおかしいような……あ、5人居るからだ!」


「魔法少女は元々5人ライ」


「そうだったっけ?」


「勇子ちゃん……」


 私の呆れたような呼び掛けに、勇子ちゃんは乾いた笑いをして誤魔化す。いつ頃かにマホちゃん達が話していたのを、勇子ちゃんはすっかり忘れちゃってたみたい。


「伝承では魔法少女は5人だと言われているライ」


「じゃあ、私、マホちゃん、咲黄ちゃん、緑ちゃんで4人だから、あと1人足りないのか!」


「5人目の魔法少女って何処に居るんだろうね?」


 魔法少女に変身するためには、妖精の力を借りないといけない。

 だから妖精を見つけられれば一緒に魔法少女も見つかると思うけど……私達以外に妖精を連れてる人は見たことがないなぁ。


 灯台もと暗しって言葉があるように、案外近く。それこそ学校の生徒の中に魔法少女や妖精が居るのかもしれないけど、1人1人に「魔法少女や妖精に心当たり無い?」って聞くのは怪しく思われちゃうだろうね。


「ねぇライヨウ。何か知ってたりしない?」


「魔法少女は存在自体が伝説と言われてるライ。悪いライが、伝承に残っている事以外は何も分からないライ」


「そっかぁ。フクヨウは何か知ってる?」


「知らないフク。ただ……」


「「ただ?」」


「妖精国を調査してるガクなら何か見つけてるかもしれないフク」


 フクヨウの言葉に、私と勇子ちゃんは互いに見つめあって微笑み合う。ガク先輩の行動を口では色々心配してたけど、心の底では信じているんだね。


「なら頑張ってるガク先輩にお土産渡そうよ! いやぁ、我ながらグッドアイデア! 咲黄ちゃんもそう思うよね!」


「うん!」


「それじゃあ早速───」


 そんな勇子ちゃんの提案は、思わず耳を塞ぎたくなるような。目を閉じたくなるほど強い風を巻き起こすほどの、突然の爆発音がかき消された。


「な、なに。何の音!?」


「わ、分からない……でもアッチって、マホちゃん達が行った方向だよね?」


 私達が呆然とする中、街の人達は訳が分からないと言った様子で爆発した方向とは逆へと、悲鳴をあげながら走って距離を取っていく。何かのイベントって様子じゃ無さそうだね……。


「ッ!」


「あ、待って勇子ちゃん!」


 私は爆発があった方向へと走り出そうとする勇子ちゃんの手を掴んで、その動きを止める。

 無闇に走るのは危ないし、何が起こっているか分からないから。まずは落ち着いて!


 そう喋ろうとした時、私達の背後───最初に爆発した反対方向───から、さっきと同じような爆発音が響く。


「こっちでも音が! でもマホちゃん達が……」


「勇子ちゃん落ち着いて。こういう時は深呼吸だよ」


 私は勇子ちゃんの両肩に手を置いて、真剣な表情で勇子ちゃんを見つめ続ける。

 正直に言うと、私も勇子ちゃんと同じように、今すぐにでもマホちゃん達の安否を確認したい。

 でもそれと同時に、今この街で何が起こっているかを知りたい。訳も分からず逃げ惑ってる人達を放ってはおけない。


 マホちゃんや緑ちゃんは魔法少女に変身出来るから。

 そう簡単に怪我なんかしない、マジュくんやペンヨウ、クラヨウに何かあっても二人が守ってくれるだろうから。

 そう自分を奮い立たせながら、心配で震える手を押さえ付けるように、勇子ちゃんの肩をより強く掴む。


「ごめん咲黄ちゃん。私、少しだけ焦っちゃった」


「大丈夫だよ。それより、音の正体を確かめに行かないと。アッチはマホちゃんと緑ちゃんに任せて、私達はこっちの方向を見に行こう?」


「分かった!」


「「変身!」」


 私達は周りに誰も居ない事を確認し、ライヨウとフクヨウからステッキを貰って魔法少女へと変身をする。


「行くよスカイイエロー(咲黄ちゃん)!」


「うん! スカイレッド(勇子ちゃん)!」


 そうして私達はマホちゃんが居るであろう場所とは反対方向、2回目の爆発が起きた場所へと向かうのでした。

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