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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第4章~魔法少女のターンが始まるで章
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第56話 私のマジュくんが寂しそうな件です

「~♪」


「あの、姉ちゃん」


「~♪」


「姉ちゃん」


「~♪」


「姉ちゃん!」


「どうしましたマジュくん。もしかして好きな人が出来ましたか?」


「そんな事言ってないよ!?」


 久しぶりの実家でのんびりと歌を歌っていると、マジュくんに声をかけてきました。マジュくんを後ろから抱いているので表情は見えないですが、なにやら私に聞きたい事があるような雰囲気ですね。


「ねぇ。良かったの姉ちゃん? 姉ちゃんの友達に村を案内しなくて」


「最初は案内しようと思いましたが、勇子ちゃん達が「久しぶりに家族と会えたんだから」と、家に残るよう言われまして」


「ふぅん」


 ガク先輩、ライヨウ、フクヨウはお城の図書館で調べものを。お母さんとお父さんは喫茶店の仕事を。勇子ちゃん、咲黄ちゃん、緑ちゃん、ペンヨウ、クラヨウは一緒に私の村を見て回っています。


 私も何かしようと思いましたが、ガク先輩は「気持ちは嬉しいが、此方は私達だけで充分だ」と断られ、お母さんとお父さんは「久しぶりに帰ってきたんだから、ゆっくりとしていきなさい」と言われ、勇子ちゃん達には気を遣わせてしまいました。


 今まで別世界に居て家族に会えていなかった私の事を思ってくれたのでしょうが、何もしないと言うのは、何処か落ち着きませんね。


「……あのさ。姉ちゃんはこの世界で暮らすのと、あっちの世界で暮らすのだと、どっちが楽しいの?」


「どっちも楽しいですよ」


 マジュくんの質問に私はなんとも言えない答えを返します。マジュくんとしては片方に絞ってほしいのかも知れませんが、私としてはどちらも甲乙つけがたいです。


 此方の世界では私の家族や、私を実の娘のように可愛がってくれている村の人達が居ます。今の今までずっと村で過ごしてきたので、1番心が落ち着く場所と言えるでしょう。


 そしてあちらの世界では私と同じく魔法少女をしている勇子ちゃん達や、同じクラスメイトの力男さんとランちゃんなど多くの友達が居ます。

 村にはマジュくん以外に同年代が居なく、友達はペンヨウしか居なかった私にとって、多くの友達に囲まれるのは幸せな日々です。


 どちらを選ぼうにも、両方とも私にとっては宝物のような場所です。とてもじゃありませんが、どちらかを選ぶだなんて出来ません。


「じゃあ、これからはどっちの世界で暮らすの? また家族みんなで暮らせる? もうどっか行ったりしない?」


「それは…………」


 私の裾をギュッと掴んで聞いてくるマジュくんに、私は言葉を詰まらせます。

 そこで私はようやく気が付きます。マジュくんの手が震えている事に。口では後ろから抱いているのに色々と言っていますが、抵抗一つしていない事に。


 家族と会えない寂しさからホームシックになった私と同じように、マジュくんも今の今まで私と会えなくて寂しかったんですね。


「分からない、ですね」


「分からない?」


「はい。考えた事無かったので」


 私はマジュくんを元気つけようと、この世界で暮らそうと言おうとして言葉を飲み込みます。そしてマジュくんを強い力で抱き、自身の本音を話します。


 恥ずかしい話、たった今マジュくんに指摘されるまで、どちらの世界で暮らしていくかは考えていなかったです。一応、2つの世界を行き来出来る方法は見つかりましたが、それが永遠に使えるかは別の話です。


 ガク先輩曰く、あの空間はあと数日で消えると言っていました。旅行として数日ほどこちらの世界に行こうと言っていたのも、時間制限があるからでしょうね。


 いつか2つの世界を行き来出来なくなり、私は家族か友達のどちらかを選ぶ日が来ることになります。

 ですが、私は選べません。どちらと過ごした日々も大切な思いでです。


 正解が無い、もしくは両方が正解の難しい問題です。いつかは選ばないといけない話でしたが、今の今まで考えた事すら無かったです。

 いえ、正確には考えるのを避けていたと言うべきでしょうか。

 私は無意識に怖がっていたのかもしれません、どちからを選ばなければいけないと言う事実に。


「じゃあさ。これからやりたい事とか無いの? 俺、姉ちゃんのやりたい事を応援するからさ!」


 私がひたすらに悩む雰囲気を読んでか、マジュくんは話題を変えてくれました。

 私のやりたい事ですか……色々とありますが、1つ選ぶとしたらやはりアレでしょう。


「マジュくんと結婚したいです」


「うんごめん、さっきの言葉取り消させて」


「なんでですか!?」


 マジュくん、私のやりたい事を応援するって言いましたよね!? もしかして応援するだけですか、私と結婚する気は無いんですか!?


 でも、もしマジュくんと結婚して私があちらの世界で暮らす事を選んだら、マジュくんは私と離れ離れになってしまいますね。


「………マジュくん。もし私があちらの世界で暮らすと言ったら、マジュくんは寂しいですか?」


「さ、寂しくない。全然寂しくないよ!」


「え? 寂しく無いんですか? もうお姉ちゃんと一緒に寝たいとか言ってくれないんですか……?」


「いつの話してるの!? 一緒に寝てたのは昔の話だよね!?」


 昔だなんて……マジュくんと最後に寝たのは5ヶ月と13日前でしょう? あの時の事は鮮明に覚えてますよ。あれは大雨が降り、風でガタガタと外から音が鳴る酷い天気の夜でした。外の音が家にまで響いてきて、中々寝れない私の元にマジュくんがやってきて、姉ちゃんが心配だから一緒に寝ると言ってきました。ですが私は見ていました、マジュくんの体が震えているのに。ガタガタと音が鳴っているのが怖かったのでしょうが、私はそれを指摘せず、震えているマジュくんに一緒に寝ようと誘い、ベッドの中で互いを抱き締め合うように寝っ転がりました。震えているマジュくんに、私は「大丈夫、大丈夫です」と頭を撫でて落ち着かせました。それから10分ほど経ったでしょうか、私が近くに居るのに安心したのか、寝息を立てて眠り始めました。全く、マジュくんはまだまだ姉離れが出来ていませんね。将来が心配になってしまいます。


「ふふっ。マジュくん、改めて聞きますね。本当は寂しいんでしょう?」


「…………うん」


「ごめんなさい。お姉ちゃんが優柔不断なあまり、マジュくんを不安にさせてしまって」


「良いよ姉ちゃん。姉ちゃんだって、色々悩んでるんでしょ?」


 マジュくんに気を遣わせてしまった事を謝り、私はマジュくんの頭を撫でます。しばらく見ない内に身体も精神も成長しましたね……あんなにも小さかったマジュくんが、今では遠くに居るように感じます。


「マジュくん」


「なぁに? 姉ちゃん」


「私がどちらを選ぼうとも、背中を押してくれますか?」


 否定されたらどうしよう。マジュくんを悲しませてしまったらどうしよう。私は不安と心配で声を震わせながら、マジュくんへと聞きました。


「うん! 姉ちゃんが選んだ道なら、きっと……いや、絶対良い方向に進むよ。だから安心して!」


 ありがとうございます、マジュくん。

 私は溢れ出す涙を隠すように、マジュくんの頭に顔を埋めるのでした。

 マホが本編中で歌ってた歌にはちゃんと歌詞がありますが、なろうの方では削除しました。

 理由としては単になろう全然使わないから、オリジナルの曲でも歌詞載せていいか分からない。もっと言えば何かの替え歌認識されて誤って通報されると困る。

 要はヒヨりました。

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