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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第3章~俺の学校生活が喧しすぎるで章
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第44話 俺達の以外の誰かが学校に存在しているな件

「ここがあの女のハウスね!」


「学校だよ」


 午後10時30分、マホと勇子を覗いたメンバーは全員は学校の下駄箱へと集まっていた。

 ちなみにだが夜中の定義は午後11時~午前2時である。噂は夜中の学校に関する内容であるため、少し時間より早いが……まぁ夜は夜なんだから誤差だろ誤差。それに、校舎を探索してれば30分ぐらいすぐに経つだろ。


 そして元々学校探索のメンバーは俺、ラン、リュウ、マホ、勇子の5人の予定であったが、今日の昼休みにメンバーが2人追加となった。


「夜の学校っていつもと違うように見えるね」


「幽霊って本当に居るのかしら?」


 咲黄と緑である。

 4人で昼を食べている時に、マホと勇子が「幽霊怖い」と何度も呟きながら震えた事が気になり、何かあったのか2人を問い詰めたようだ。


 そして俺達が夜中の学校に忍び込むと知るや否や、2人も一緒に来ると話してきたのだ。俺としては特段断るつもりは無いし、マホと勇子も人数は多い方が心強いと思って、2人に集合場所と時間を伝えて今に至るのである。


❴(マホちゃんと勇子ちゃん遅いなぁ)❵


❴(もし幽霊が居るなら、王子様の幽霊が良いわね! ある無念を抱きながら幽霊となりこの世を漂っている王子様。そんな王子様を私は見付けて───)❵


 一応2人が怖がっていないかテレパシーで確認してみたが、平常運転で俺は安心した。

 あて緑の方は恋愛脳になりつつあったから、途中でテレパシー切った。王子様属性、もしくはそれに近しい存在なら誰でも良いのかよ……。


「ところで咲黄、お兄さんはあの後どうよ」


「あの後?」


「例の写真の後の話よ。あの衣装について何か言ってなかったかしら?」


 例の写真?

 俺は2人が小声で話している内容が気になり、ソッと耳をすました。本来なら耳をすました程度では聞こえなかっただろうが、夜中で物音一つしないほどに静かなのもあってか、念聴を使わずとも会話の内容が耳へと入ってきた。


 写真となると、この前新聞に載ってたあの写真の話か? 部長が唐突に狂ったとしか受け止めてなかったけど、まさか緑や咲黄が関係してるのか?


❴(魔法少女の事を隠すためとは言え、部長には悪いことをしてしまったわね。あの人、あの衣装の事気にしてるのかしら)❵


 あー…………なんとなく話が読めた。

 この前、マホくん達が新聞を読んでる時の様子がおかしかった時に違和感を感じて、そこから推測───魔法使いと言う見出しと、辛うじて金髪と判別出来るブレブレな写真───してみたが、あれはやっぱり咲黄の変身した姿だったのか。実際にこの目で見たことは無かったから、確信までは持ててなかったんだよな。


 詳しい状況こそは不明だが、咲黄の変身した姿を撮られてマホ達が慌てる。周りに魔法少女の正体が勘づかれそうでピンチって所を、正体を知ってか知らずか部長が助けてくれたって事か。


 最初は部長がおかしくなった認識だったが、それなら部長の行動と緑が考えている内容が繋がる。まさかのあの行動が咲黄達を守るためだったとは……部長、カッコいいじゃねぇか。


「毎日あの衣装着て部活してるけど、特には何も言ってなかったかなぁ」


「あれ着て部活してるの!?」


 うんごめん、訂正させて。やっぱあの部長おかしい。

 気に入ってるの? もしかしてあの衣装気に入ってるの? 人の趣味にどういう言うつもりはないが、アレ着ながら部活してると、陸上部は変な部活だって認識されるぞ。いや、もう人外魔境部って認識されてるから遅いか。


「実はお兄ちゃん、幽霊とか怖いものが苦手で……目立つ格好をすれば襲われないだろうって、あの衣装を着て毎日カッコいいお兄ちゃんで居てくれるんだ」


「そ、そうなの。意外な弱点ね」


「私としては克服してほしいと思ってるけど、耐性付けるためにお兄ちゃんの部屋で一緒にホラー映画見てたら、お兄ちゃんが気絶しちゃってね。それ以降はまだ何もしてないんだ」


 あの、咲黄……いや咲黄さん。ちょっとスパルタすぎませんかね、しかも『それ以降はまだ何もしてない』とか、それ明らかに今後何かしらする気ですよね。


 マホや勇子に勉強教えてる時は優しいが、部長()相手には唐突に鬼畜なる咲黄さん怖いです。例のフリフリ衣装してる部長をカッコいいって言ったり、時折部長の話をしたり、仲が良い通り越して若干ブラコン気味なのは知ってるけどさ。


「おーい、みんな~!」


「すみません、お待たせしました!」


❴(夜の学校が怖くて、ずっとマホちゃんと震えてたら遅れちゃった!)❵


 俺が咲黄の意外な一面に恐怖していると、マホと勇子が遅れながらも合流してきた。そんなに怖いなら迎えに行けば良かったか? でも俺が2人の住んでる場所知ってるのはおかしいか。前行った時もペンヨウに案内されて初めて知った訳だし。


「これで全員……で良いんですよネ? 他に誰か誘ったりはしてますカ?」


 リュウの確認の言葉に、全員が首を縦に振る。

 誰か部長やガク先輩を誘ったりはしてないのか。まぁ部長は幽霊苦手だし、ガク先輩は何故か今日休みだったから、誘っても来なかっただろうが。


 えっと、学校探索のメンバーは俺、ラン、リュウ、マホ、勇子、咲黄、緑の7人か。別の言い方をするとマトモ、説明不要、敵、天然、素直、鬼畜、恋愛脳だ。


 お客様、お客様の中にマトモな方は居ませんか! 俺以外マトモな奴が何処にも居ないんだけど、あのーすみません。このままだと俺が疲労で倒れるんですけど!?


「よし、それじゃあ作戦を説明しよう。幽霊が居たらオレの名前を呼ぶ、以上だ!」


 ラン。それ作戦違う、それはヒーロー呼ぶ時の合図だ。

 虚空に向かって「誰か助けて!」と呼んだら、何処からともなく現れるお約束のアレだから。それ似合うのは魔法少女だから。


「不審者を見つけたらすぐ逃げる。はぐれるもしくは確認が終わったら下駄箱で待つ。勝手に帰らない。余裕があればランを呼ぶ。これだけは守っとけ」


「説明は終わったな。それじゃあクジでメンバー決めるぞー!」


「初耳なんだけど!?」


 まぁ7人で探索するのは窮屈だと思ってたら、別れて探索するのは良い提案だな。じゃあまずは俺から引いて……全員引き終わったな、どんな振り分けになった?


 あ、あー……うん。まぁ、頑張れ。てかランはクジ引かないのか? え、なに。1人で探索するだって。おま、それ消えるフラグだろ。ランの場合、消えるのはランじゃなくて幽霊の方だが。






「ここで最後か」


 校舎探索から凡そ30分。学校の電気を付けたら不法侵入してるのがバレる恐れがあることから、懐中電灯だけの探索で時間がかかってしまったが、俺、咲黄、緑はとうとう最後の場所を調べ始めた。


 そして説明する必要も無いとは思うが、俺の方がこのメンバーと言うことは、もう一つのチームはマホ、勇子、リュウの幽霊怖い組である。


 アイツら大丈夫かなぁ。チーム決まった瞬間、3人とも顔面蒼白になっていたが……ま、まぁ何かあればランの名前を呼ぶよう言ってあるから、問題が発生したらランが駆け寄ってくるだろ。


「何も無いわね」


「噂は噂だったのかな」


 マホ達の心配もそこそこに、俺達は無事探索を終わらせたが、ものの見事に何も無かった。やっぱ噂は噂だったか。それか今日休みだったガク先輩の仕業。


 明日になったらガク先輩を問い詰めてみるか。遅刻してる可能性も考慮して、一応今日の昼休みと放課後にガク先輩の居場所を千里眼で調べたけど、朝確認した場所と殆ど動いてなかったんだよな。多分だけど病気か何かに掛かって、1日中家で安静にしてたんだろうな。


「さて、探索終わったから集合場所に行くか」


 カツ……カツ……


「ん?」


「力男くんどうしたの?」


 肩透かしを喰らいつつ、何も無かったことに安堵し、集合場所の下駄箱へ向かおうとした時、俺達の方へと歩いてくる1人分の足音が聞こえた。


「今なんか誰かの足音が」


「マホ達じゃないかしら」


「1人の足音しか聞こえないからきっと違うな」


 念のため千里眼でマホ、勇子、リュウ、ランの居場所を確認するがやはり違っていた。マホ達は全員固まって動いており、ランは何故かグラウンドを爆走している。


 何してんだアイツ。唐突に走りたい気持ちになったのだろうか。そんなランは置いといて、今ここで問題なのはこの足音が、俺含めて一緒に学校探索をしている誰のでも無い点だ。


「ならランちゃんじゃ」


「ランなら大声出して駆け寄ってくるだろ」


「じゃあいったい誰の……」


「分からん。が、すぐにでも逃げる準備しておけ」


 警備員が巡回してるだけか? いやでも、探索前に警備室確認したが誰も居なかったし、電気も消えてたな。そもそもここに来るまで1度も見てないから、すれ違ってた可能性も無いだろうな。


 まさか、本物の幽霊か? てか幽霊って足音するんだ、俺今まで幽霊は脚が透けてるから足音しないモノだと思ってたんだけど。


 ひとまずここは逃げ1択だな。俺は摩訶不思議な存在相手の正面から戦う力も、啖呵を切る勇気も無い。ランのアイデアに乗っかるような形で学校探索に来たが、そんな俺でも怖いものは怖いのだ。


 情けない話になるが、咲黄と緑に戦ってもらうのも手だ。だが2人は俺が魔法少女の事を把握してるのは知らないから、変身を躊躇するだろう。そもそも攻撃が通る相手かも分からないし。


 俺は懐中電灯を付けていたら、足音の主に「ここに俺達が居ますよ!」とアピールするようなモノだと思い、ライトを消して気配を悟られないよう息を殺した。


 そして段々と足音が近付いてきて、窓から入る月の光によってその主の姿が見えるようになった。


「おや、君たちか。こんな時間に何をしているのかね」


「それは此方の台詞なんだけど?」


 その足音の主はまさかのガク先輩であった。

 偽物の可能性も考えて、ガク先輩の居場所を千里眼で確認してみたが、俺の目の前以外から反応が見当たらない。つまりは本物である。


 夜中の学校で何してんだよこの人。もしかしてだけど、夜中でも学校来たら全日制だろうと出席日数数えてもらえると思ってる?


「ガク先輩の方こそ、何をしているのかしら?」


「私は単に人体模型を動かす研究をしていたのさ」


「やっぱガク先輩か、そんな気はしてたけどやっぱガク先輩が原因かよ!」


「いったい何の話かね」


「実は、最近学校で『動く人体模型』と『誰も居ない教室での話し声』ってのが怪談として噂になっててな。俺達はそれを調べに来たんだよ」


 取りあえず噂の1つ目はガク先輩が原因だったんだな。でも、もう一つの噂は何処から広まったんだ? さすがのガク先輩でも、教室でボソボソ喋るような真似はしないだろうし。


「なるほど。以前、人体模型を動かしながら話しかけてたのを、夜中に忘れ物を取りに来た教師に見られた日があった。恐らくだが、噂の発端はそれが理由だろうな」


 いや両方ともガク先輩が原因じゃねぇか!

 何してるの、本当に何してるの!? 人体模型を動かすのはガク先輩でも有り得る程度に思ってたが、人体模型相手に喋るってなに。コミュニケーション取る練習でもしてたの!?


「ねぇガク先輩。1つ気になるのだけれど、その動く人体模型って何処にあるのかしら。私達、校舎の探索してたけど一度も見てないわよ」


「あぁ。それなら……」


 緑の質問にガク先輩は天井に視線を向ける。天井? 天井に何があるって言うんだよ、あるのは精々蛍光灯ぐらいだし、その蛍光灯も消してるんだけど。俺はガク先輩の行動に困惑しながらも、消していた懐中電灯を付けて天井へと向ける。


「君たちの真上さ」


「「うおおああああ!!!(きゃあああああ!!!)」」


 いつから居たのだろうか。人体模型が四肢を蜘蛛のように器用に天井へと張り付けて、俺達をジッと見ていた。


 俺と緑は驚きのあまり大声を出し、緑は恐怖のあまり気絶した。一方で咲黄は「ほえ~」と小さく呟きながら人体模型と見つめ合っていた。あの……咲黄さん、精神タフすぎない?

 魔法少女組でマホは一人称視点が多い、勇子は力男と同じクラスメイトだから結構出番がある、緑は恋愛脳でインパクトが強い。一方で咲黄は部長に守られてるシーンが目立つ&他三人に比べると影が薄かったので、幽霊平気な設定を入れてみました。


 その結果、驚くような場面でも悲鳴一つ上げないキャラになりました。咲黄さんメンタル強すぎない? これもう主人公の器だろ。

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