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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第3章~俺の学校生活が喧しすぎるで章
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第38話 科学部の先輩が親切?な件です

  ここで小話を一つ。

 ガク先輩を中3の理由は陸上部の部長が3年生だからですね。その2人関わりあるの? と言われたら現状はクラスメイトって設定しか無いですけどね。今後の話を展開する時に絡みやすいようにしました。

「すみません、HRが長引いてしまって」


「気にしていないさ。それは君のせいではないし、放課後の何時かの指定はしてないからね」


 放課後、私達4人は最初にガク先輩と会った場所へと来ていました。緑ちゃんは未だにガク先輩の事を警戒しているようですが、私達3人だけだと心配だと言って付いてきてくれました。優しいですね。


 それにしてもガク先輩だけが所属している科学部、担任の先生に聞いてみましたが、何故だかあまり答えてくれませんでした。いえ、正確には担任の先生もよく知らないと言った方が正しいでしょうね。


 担任の先生曰く、「私は今年からこの学校に来たから詳しくは知らないぜ。ただ、かなりの変わり者って噂だぜ」と言っていました。変わり者って、どういう意味なんでしょうか。気になりますね。


「ところでガク先輩!」


「なにかね?」


「涼しい場所って本当にあるの? 私達、お昼休みに探したんだけど全然見つからなくて」


「お昼は鍵を閉めていたからね。私の部室に不法侵入する不届きものは居ないと思うが、防犯上仕方無くね」


「部活と言いますと、科学部のですか?」


 思い返してみると、鍵の閉まっている場所が幾つかありましたね。単に空き教室だから閉まっていると思っていましたが、その中の一つに科学部の部室があったのでしょうか。


「そうさ。と言っても安心したまえ、旧理科室を再利用しているから広さは申し分ないし、危険な薬品は全部別の場所に置いている。掃除もしているし、部員も私1人だから、人が来る心配は無いさ」


「おぉ! 私達が探してる条件にピッタリだ!」


「ちょっと待ちなさい」


「ん? どうしたんだい。部室なら目の前に見えてきたが」


 ふと、緑ちゃんがその場に立ち止まります。私達3人はその行動に疑問を持ちますが、ガク先輩はそんな態度を一切気にせずに部室の鍵と思わしきモノを懐から出します。


「そうじゃないわ。なんで貴方は、人が来ることを心配しているの?」


「それは……どういう意図の質問かね?」


「どうしたの緑ちゃん、失礼だよ」


 私達は、クーラーのある場所。そして人気の少ない場所を探していました。その条件通りと言うのに、どうして緑ちゃんはガク先輩の言葉を気にしているのでしょうか。


「私達は『クーラーのある場所』を探していると話したわ。でも貴方は今『人気の少ない所』と言った。何処で私達がそこを探してると知ったのかしら?」


「た、確かに……!」


 言われてみればそうです。私達はガク先輩にクーラーのある場所を探していると伝えました。でも、人気が少ない場所とは伝えていません。確かに不自然な話です。


 私達4人がガク先輩から数歩、距離を取って警戒する中、ガク先輩は鍵を開けて部室へと入り、此方へと振り向きました。


「さぁね、私は知らないさ。ただ考えただけだからね」


「嘘よ!」


「嘘じゃないさ。私は君達ならどういう場所を好むか、その考えのもと導きだしただけさ。なぁ、魔法少女の諸君(・・・・・・・)


「「「「!?」」」」


 私達は急いでペンヨウ達からステッキをもらい、すぐにでも変身出来るよう身構えます。私達のことを魔法少女だと知っている……? まさか、緑ちゃんの予想通り、ワルインダーの罠!?


「おっと、そう構えるんじゃない。私は頭が回るだけの一般人なんだからね」


「それを証明する方法は?」


「難しい質問だ。私に特殊な力があるか調べるのは、人間が生身で飛べるか調べるほどに無意味な事だが、私を疑っている君達は永遠に生身で飛べる(特殊な力がある)と考えるだろうね」


 魔法少女のように特殊な力が無いと、口で言うのは簡単ですがそれを証明するのは確かに難しいです。実際、私だって端から見れば魔法少女なんて特殊な力を持っている人間には見えないでしょう。


 ガク先輩もそうです。私からすれば魔法少女の事を知っている不思議な人に見えますが、偶然にも知ってしまっただけの人かもしれません。ですが、それを証明するのは難しいです。仮に証明しても「力を隠してるかもしれない」と疑うだけで、私達はガク先輩がワルインダーの手先だと思い続けてしまいます。


「…………ねぇ、ガク先輩」


「どうしたんだい?」


 一触即発の中、ガク先輩の話を聞いて考え事をしていた勇子ちゃんが口を開きます。ガク先輩はこの状況をなんとも思っていないのか、表情一つ変えずに勇子ちゃんを見ています。


「話が難しくてよく分からない!」


 勇子ちゃん……珍しく悩んでいたので、真面目な事を言うのかと思いましたが、単に話が分からなくて長考していただけなんですね。私は平常運転の勇子ちゃんを見て肩の力が抜けました。


「要は、私の潔白を証明するためには、君達が疑うのを止めない限り無理って話さ」


「じゃあ疑うのを止める!」


「それは良かった。では、早速で悪いが」


「ちょちょちょ、ちょっと待ちなさい勇子!」


 スタスタと、警戒を解いて部室へと入ろうとする勇子ちゃんを止めようと、緑ちゃんが肩を掴みます。一方で私と咲黄ちゃんは突然警戒を解いた勇子ちゃんを呆然と眺めています。


「本当にそれでいいの勇子!?」


「でもガク先輩良い人そうだよ」


「言われてみれば、そう見える気もするような」


「咲黄も落ち着きなさい。何処で魔法少女の事を知ったのか分からないのに、そんな簡単に信じるなんて」


 緑ちゃんの言うことにも一理あります。少なくともガク先輩に対して「私は魔法少女です」とは一言も言ったことが無いですし、仮に戦いを見ていたとしても、戦いが終わればその最中の出来事は記憶が曖昧になりますし、元気パワーが取られた時は周りを見る元気すら無いでしょう。


 知った経緯が分からない以上、警戒を続けるべきだとは思います。もしかしたらガク先輩はただの一般人かもしれませんが、ワルインダーが噂として私達が魔法少女だと言いふらしている、なんて可能性もあるかもしれないですし。


「経緯説明しなければ疑いは晴れない、か……なら分かりやすく、そして要点だけ纏めたような形になるが、説明しようではないか」


「お願いガク先輩! ほら、みんなも座って!」


「ですが」


 勇子ちゃんの雰囲気に押されるようにして、咲黄ちゃんは席に座りますが、私と緑ちゃんは部室へと入らず、の外からその光景を眺めます。


 勇子ちゃんは座るよう言っていますが、罠である可能性もある以上、迂闊に脚を入れるのは……そう私が躊躇していると、ガク先輩が口を開きました。


「疑われている私が言うのもおかしな話だが、このままだと話は平行線だ。ここは一度、私の話を聞いてから考えても良いのではないかね?」


「はぁ…………仕方無いわね。マホ、ひとまず話を聞くことにしましょうか」


「それもそうですね」


 確かにこのままでは話が進みません。私と緑ちゃんだけ話を聞かずに警戒を続けるのもありですが、人を簡単に信じやすい勇子ちゃんと、流されやすい咲黄ちゃんだけにすると心配ですからね。私と緑ちゃんは席に座ることにしました。


 あ、この席柔らかいですね。それに背もたれも付いていて座りやすいです。あぁ、飲み物もありがとうございます。美味しいですねこの紅茶、何処に売っているんですか? え、手作り!? 凄いですね!


 な、なんですか緑ちゃん。そんな「簡単に解されてんじゃないわよ」って目を向けてきて。わ、私はまだ警戒していますから! ほら、このお菓子も何か仕込まれてるんじゃないかと思って、先に毒味しただけですから。決して美味しそうで手が伸びたわけじゃ無いですから!

 マホさん、ちょっとチョロすぎません? 恋愛脳が1番相手を警戒してる図ってなんだよ……まぁそのお陰で緑のキャラが固まり始めたから良いけど。

 今回の話で、四人の中で一番警戒心が強くて、騙されやすい3人を見守るお姉さん的ポジションになりました。なお、恋愛の話になると暴走する。

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