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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第2章~俺のクラスメイトに刺客が居るで章
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第29話 魔法少女の妖精が自分勝手な件

「えー、はい。それではお名前、職業、住所、あと保護者のお名前をお願いします」


「分かったセイ。ペンヨウの名前はペンヨウセイ、職業は妖精をしていて……って違うセイ!」


「職業は無職っと」


「そういう意味でもないセイ! なんでこんな質問をしてるセイか!」


 マホとの間に何かがあったのだと察した俺は、ペンヨウに事情を聞こうとしたが口を割らなかった。テレパシーで読み取るのは当然出来るが、読み取っても「寂しいセイ」や「これ以上側に居たら駄目セイ」と言った、内容が読み取りにくいものであった。


 やっぱ不便だなテレパシー。もっとこう、相手の過去とか未来とか読み取れるようになったら良いのに。いや、それはもうテレパシーじゃなくて未来予知とかの類いか。


 俺は不便なテレパシーで考えを読み取るのは諦めて、ペンヨウに直接事情を聞くことにして、サングラスを付けてペンヨウに面接を仕掛けることにした。


 本当は眼鏡が良かったんだが、家に無かったのでサングラスで妥協だ。え、そこじゃないって? いやだって無理矢理聞こうとしても口を割ろうとしないからな。どうしようか悩んで、誘導尋問することにした。だからこれは演技だ、別にふざけてる訳ではない。


「いやだって、何があったか話してくれないからさ。何処に住んでるかも知らないから、取りあえず保健所に持っていこうかと」


「ペンヨウは動物じゃないセイ!」


「はい、職業は未確認生物と」


「それは職業じゃないセイ!」


「じゃあ突っ込みか。でもボケが居ないと突っ込みは成立しないぞ」


「コイツの相手してると疲れてくるセイ」


 奇遇だな、俺も身近にこんな相手(ラン)が居るから毎日疲れてるんだ。俺たち、出会いが違えば良い友達になれたかもな……なんてボケるのはそろそろ止めとくか。


 ペンヨウは突っ込みと意味不明な言動で疲れてきてるだろうし、ここで仕掛けても問題ないだろう。俺は何があったのか直接聞くことにした。


「疲れるほどの元気があるのは結構な事だな。で、何があったんだ?」


「実は怪人の正体がペンヨウの友達で、浄化すると消滅しちゃうかもしれないセイ。それが原因でマホは戦えなくてボロボロになって……ハッ! つい話してしまったセイ!」


「ふぅん。お前はマホを置いて逃げたってことか」


「逃げてないセイ! ワルインダー(スリュウ)がその場から消えた後、これ以上マホに迷惑は掛けられないと離れただけセイ!」


 迷惑、ねぇ。ペンヨウの話を聞く限り、人質を取られたような状態なのだろう。それでマホは手を出せずに敗北、傷付くマホを見てこれ以上側に居るのは迷惑だと思って離れたってところか。


 優しいと言えば聞こえは良いが、それはペンヨウが勝手に思ってる内容に過ぎない。もしマホ自身が迷惑だと思っているのなら、とっくに戦うのを辞めているだろうし、勇子が魔法少女になることもなかっただろう。それに……


『ペンヨウ、何処行っちゃったんだろ』


『ペンヨウ、どうしてですか……ぐすっ』


『マホちゃん、大丈夫。私達がペンヨウを見つけるから!』


 ペンヨウの事を思って泣いてるマホがそんなこと、思うはずが無いだろう。ボロボロになったと言うマホの様子を念聴(ねんちょう)と千里眼───『念聴』は相手の場所を知らないと使えないため、千里眼でマホが何処に居るかを確認するために使った。───で確認してみたら、悔しそうに泣いていた。


 戦闘した影響で動けなくなってるかもしれないと、勇子と咲黄の場所を確認してみたら一緒に居るようだ。息遣いは落ち着いてきたようで、俺が確認した時は近くに居ないか探索していたのか、それが原因で呼吸が乱れていたのだろう。予想にはなるが合ってるはずだ。


「…………なぁ、お前はマホの力になりたいと思わないのか?」


「それは」


「それは?」


「思ってるセイ。思ってるセイが、ペンヨウには何の力も無いセイ。側に居ても邪魔なだけセイ」


 やっぱ思うよな。友達の力になりたいって、見て見ぬふりは出来ないって。でもお前は諦めた。誰に言われるわけでもなく、知るのが遅かったわけでもない。勝手に思って、勝手に諦めただけだ。


「自分勝手だなお前」


「そんなことないセイ!」


「いいや、自分勝手だ。お前はそれをちゃんとマホと話したか? 友達を助けたいと伝えたか?」


「……」


 事情を知っていて、尚且つ自分で行動を選択出来る分、お前はまだ恵まれてる。辛いのは分かる、苦しいのも分かる。だが何も知らず、のほほんと過ごした結果行動を出来ることに気付かず、辛さも苦しさも味合わずに親しい奴を失った馬鹿野郎を俺は知っている。


「今度伝えれば良い、多分伝わってるなんて曖昧な考えはしない方が良いぞ。特に戦いに身を置いてるなら尚更だ、明日にすれば良い、なんて後回しにした結果何も伝えられなかった奴だっているんだぞ」


「でも、ペンヨウは怖いセイ」


「うるせぇ知るか!」


「セイ!?」


 嫌なんだよ俺は、これ以上俺みたいな人間が増えるのは。迷惑掛けるのが怖いだの、辛さや苦しさを抱いてるなら、お前はまだ大丈夫だ。まだ間に合う。


 俺は……俺は間に合わなかった。伝えようと思った大事なことを後回しにして、その結果失った。怖くて助けられなかっただの、苦しくて辛くて動けなかった訳でもない。ただ、何も知らなかっただけだ。どうしようもなくシンプルな答えであり、自分を呪いたくなる答えだ。


【……いいか、俺の事は忘れろ。戦いに身を置いた結果、すぐにでも命が尽きそうな俺の事はな。そうしないとお前も同じ運命だ】


【おい、何の話だよ。ちゃんと説明しろよ!】


 どうして俺は知ろうとしなかったんだろう。どうして俺はアイツを助けられなかったんだろう。どうしてアイツは俺に助けを求めてくれなかったんだろう。どうして…………


「セイ!」


「あいてッ。え、なに?」


「なんかボーッとしてたセイだけど、大丈夫セイか?」


 ついつい(前世)に浸っていたが、端から見ればボーッとしてるように見えたようで、ペンヨウは俺の頬をペチペチと叩いて意識があるかを確認してきた。


「あー、気にするな。それよりペンヨウはどうする。心の整理は付いたか?」


「それは、まだセイ」


「まぁゆっくり考えな。焦って結果を出そうとしても意味は無いからな」


「そうさせてもらうセイ」


「取り敢えず今日は一泊していけ。マホが魔法少女ってのは、あー……俺以外に知ってるのか?」


 おっと危ない、うっかり勇子と咲黄の名前を出すところだった。前世を思い出していてセンチメンタルになったせいか、普通なら知らないことを言いそうになったわ。危ない危ない。


「それは、って言わないセイよ! 決して勇子と咲黄が魔法少女とは云わないセイよ!?」


「やっば口軽いなお前。まぁアレだ、その二人の所に行ったら、マホにも電話とかで場所がバレるだろ。心の準備が出来てない状態で会うのは嫌だろ?」


 ペンヨウが勇子や咲黄の家を知ってるかは兎も角として、もしそこで一泊するような事があれば、アイツらは善意で「ペンヨウ見つかったよ!」とマホに伝えるだろう。優しくはあるが今は駄目だ。


 今会ったところでお互いギクシャクするだろうし、仮に表面上は元に戻ってもそれはあくまで、関係をツギハギした程度に修復したに過ぎない。何かあればまた関係が壊れるだろう。それこそ、もう戻れなくなるほどに。


「それはそうセイね。なら甘えさせてもらうセイ」


 泣いてるマホには悪いが、ペンヨウの事を伝えるのは明日になるだろう。話は終わったし、アクロコをリビング(ここ)に移動させるか。何も事情言わずに部屋に放ったから怒ってるかもな。


 …………あれ、何か重要な事を忘れてる気がするな。まぁいいや、取り敢えずペンヨウの気を紛らわすためにもアクロコと一緒にゲームでもさせるか。3人で出来るゲームって何があったかな?

【千里眼】

 遠くに居る相手を見れる超能力。ただし力男の場合は、知っている相手にしか使えない。また、相手の姿を捉えられる訳ではなくて、地図アプリのような現在地の把握しか出来ない。

 ちょっとした裏話。超能力の設定を考える時は斉木楠雄を基準として、アレよりも下位互換でより使う場面が限られる程度の強さに調整してます。



 Q.なんでペンヨウが力男の所に来る展開にした?

 A.最初の面接風の会話をさせたかった。元々はマホと喧嘩、今回で2回ぐらい家出させようと考えたけど、2回もさせる必要が特に無かったので融合させた。

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