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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第2章~俺のクラスメイトに刺客が居るで章
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第25話 俺のクラスメイトがホームシックな件

「はぁ…………」


「なぁ勇子。マホの奴どうしたんだ?」


「分かんない。昨日の夜から何故かあんな調子で」


 朝。登校してくると、マホが机に体を伏せながら溜め息を付いていた。不思議に思い勇子に理由を聞いてみたが、昨日からこんな状態であることしか分からなかった。


 リュウが前に考えていた友情崩壊作戦が原因って訳でも無さそうだな。それだったら勇子の方もマホに怒りか、それに似た感情を抱いてるだろうし、マホもマホで勇子と口喧嘩したり無視するような態度を取ってるだろうな。


 だがリュウが無関係と考えるにしては、まだ早い。何をしたかは知らないが、マホの落ち込んでいる様子なのはリュウの作戦の一部かもしれない。テレパシーで確認してみるか。


❴(魔法少女が落ち込んでいル……僕まだ何もしてないんですガ?)❵


 あ、コイツ無関係だ。悪事を企んでる敵に言うのは間違ってるかもしれないけど、それはそれとして謝っとく。疑ってごめん。


 リュウは無関係で、勇子も分からないか。ならマホにテレパシーで確認だな。相手の考えてる事が分かるテレパシーはこういう時に便利だ。


❴(あの頃が懐かしいですね)❵


 どの頃だよ。前言撤回しよう、全然便利じゃない。この超能力欠陥すぎるだろ、パワーアップイベントくれ、パワーアップイベント。


 前に語った事(第3話参照)があるが、俺のテレパシーは表面上の内容しか分からないのだ。そのため今回のような「あの頃」のように、指してるモノが曖昧な場合は、その内容が読み取れないのだ。


 よし、もう面倒だから本人に直接聞くか。リュウに情報が流れるのは避けたいが、リュウがこの状況を利用して友情を崩壊させようとするよりはマシだな。


「力男おはよう!」


「おはよう。あと天井から出てくんな」


 俺がマホに声を掛けようとした時、ランが天井裏から姿を表した。さてはお前、みんな窓から入ってくるのに適応してきたって、天井から出てきたな? とうとう学生から忍者に転職したか。ところで天井裏ってどうなってるの。埃っぽい?


「なぁラン、早速で悪いがちょっと今は勉強見れなさそうだ」


「解せぬ」


「だからリュウにテスト用の勉強教えといて」


「あいあいさー!」


「エ? いや僕は大丈夫」


「遠慮するなって~ほら、まずは腕立て伏せのやり方だ。腕立て伏せはな、手を置く場所によって鍛えられる筋肉が違うんだ。手の幅を狭めると上腕三頭筋鍛えられて、手の幅を広げると胸の筋肉が鍛えられてって、キャー! リュウさんのエッチーッ!」


「何も言ってませんガ!?」


 よし、これで時間を稼げるな。なんかテスト勉強の話じゃなくて、筋トレの話をしてるが……まぁ結果的にリュウの気を逸らせたから問題ないな!


「よっ、マホおはよう」


「あっ、おはようございます」


「溜め息なんてついてどうした? 何かあったか?」


「いえ、何かあったわけでは無いですが」


 明らかに何かあった奴の言葉なんだが。それにランの行動に振り回されてるリュウに見向きもしてないし……いや、ランが誰か(主に俺)を振り回してるのはいつもの光景か。


「実は家族の事を思い出していまして」


「家族?」


「はい。私の家族はいせか……いえ、海外の方に住んでいまして。その家族が恋しくなりまして」


❴(マジュくん、元気にしてますかね。二人でお父さんとお母さんの喫茶店の手伝いをしたのが懐かしいです)❵


 誰だよマジュくん。テレパシーの内容から読み取るに、家族ぐるみで仲の良い友人、もしくは兄か弟か。取りあえず今は重要じゃないから置いとくか。


「家族が恋しい、つまりはホームシックか」


「ホームシック……ってなんですか?」


「故郷に居る友人や家族が恋しくなることだな。解決法としては、故郷に連絡するのが早いが」


「すみません、私の故郷に連絡するための手段がちょっと」


 そらそうか。世界が文字通り違うから電話なんて通じないだろうし、魔法でどうにか出来るなら家族の事を思い出したと同時に、元の世界に帰って家族と話してるだろうし。


「そうか。なら放課後に街を歩いてみたらどうだ? 例えば喫茶店に寄ったりとかさ」


「喫茶店!?」


「食い付きすげぇな」


「ああごめんなさい! 実は私の実家は喫茶店を営んでいまして、それを思い出したら」


「なるほどな。なぁ勇子」


「どうしたの?」


「オススメの喫茶店って何処かあるか?」


「うーん、分かんないや!」


 この世界の喫茶店に行けば多少は気が晴れると思ったが、勇子は良さそうなに場所に心当たりは無いようだ。そういう俺も人の事は言えないがな。


 外食自体はするけど、基本的にはランと一緒にファーストフードに行くぐらいだからなぁ。ランもきっと知らないだろうし、リュウは勧めてきた場所に罠貼ってきそうだから論外。そうなると……


「マホちゃん、勇子ちゃん。テスト対策用のノート完成したよって3人とも頭悩ませてどうしたの?」


「丁度良いところに来たな咲黄」


 咲黄だけが頼りである。咲黄ならきっと知っているはずだ。マホのホームシックを治せるなんかこう、良い感じの喫茶店を!


「咲黄ちゃん、オススメの喫茶店ってある!?」


「き、喫茶店? それなら私と同じクラスの子の家が喫茶店を経営してるけど」


「ありがとう咲黄ちゃん、それじゃあ早速行くよマホちゃん!」


「あ、あの」


「ちょっと待て」


 早速行くよじゃないんだが。俺はマホの手を掴んで教室を出ようとする勇子の肩に手を置き、その行動を止めさせた。喫茶店について知れたのは良いが、まだ問題があるだろうが。


「なぁに?」


「此方の台詞だ。勇子、お前は今から何処に行くつもりだ?」


「何処って、喫茶店に決まってるじゃん!」


「なら場所は何処だ」


「何処って……あっ」


「それに今は朝のHRすら始まってないだろうが。マホを連れて早退するつもりか?」


「うぐっ! そ、それは」


 仮に適当な嘘で無事早退出来たとしても、そのまま喫茶店行くのは駄目だろ。制服着た状態で朝から喫茶店居たら不審がられるだろうし、通行人に見られたら仮病なのバレるぞ。


 それ以前に場所を知らないから、辿り着けない問題が発生してるけどな。それにお前ら嘘付けないから、適当な事言っても先生に嘘を看破されて怒られそう。


「行きたい気持ちは放課後まで我慢しとけ。咲黄、今日の放課後って空いてるか?」


「え? う、うん。丁度私も喫茶店に行こうとしてたけど」


「悪い。マホと勇子も一緒に連れていってもらえるか? マホは今5月病にかかってて、喫茶店に行かないと治らないんだ」


「あれ、今って6月だよね?」


 ホームシックだから治したいって言うと、咲黄のプレッシャーになるだろうからと、5月病と適当に嘘をついたが誤魔化せなかったようだ。


「確かに6月だな。でも五月病だ、誰がなんと言おうと5月病だ。詳しい事は気にしなくて良い」


「え? えっと、うん」


 俺は強引に押しきって、マホは5月病に掛かっていることにさせた。まぁ俺が押しきったところで、勇子とマホは嘘つけないから何処かでバレそうだがな。

【テレパシー】

 相手の思考が読めるようになる超能力。日常的にも役に立つ超能力だが、視界に入れた相手の思考しか読めないのと、表面上の考えしか分からないのが欠点。

 作中で説明があったが「これ」や「あれ」など、具体的に物事を指してない内容に関しては分からない。また、物事や名前を指していても、相手の見た画像や外見までは読み取れない。



 本編内で触れることなかったので補足。今回名前だけ出てきた「マジュくん」は、前回サラっと触れたマホの弟です。本名はマジュ・ツカエールです。名前の由来は魔術。ですが別に魔術が登場する事はないですし、弟くんが今度登場するかも不明です。

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