第24話 私の友達が私の故郷について知りたそうな件です
この作品は決めた設定を「ん、あれ。そんなのあったっけ」と何も無かった事にする時があるので、途中で説明があった設定に全然触れなくなったら「あぁ。ボツになったのか」と流してください。
「ねぇマホちゃん。マホちゃん達が暮らしてた世界ってどんな所なの?」
「私達の世界ですか?」
「うん! ペンヨウやライヨウみたいな妖精が居る世界なのは聞いたことあるけど、詳しく聞いたこと無かったな~と思って!」
屋上で私と勇子ちゃん、ペンヨウ、ライヨウの4人でお昼を食べていると、ふと勇子ちゃんが私達の世界について聞いてきました。
そういえば、私達の世界についてあまり話してなかったですね。この世界に来た直後はアクロコに追われていましたし、その後もこの世界に馴染もうとしたり、テスト勉強で忙しかったですし、良い機会ですね。
「私達の世界は、私の住む魔法国、ペンヨウ達妖精の住む妖精国のように複数の国があります」
「へぇ~この世界と似たような感じなんだね!」
少し違うとすれば、私の住む魔法国は10歳になると1人一つ魔法が使えるようになる点でしょうか。勇子ちゃんにも話したこと無いですが、実は私が変身しなくても身体能力が高いのは、魔法を使って身体を強化しているのが理由だったりします。
それでもランちゃんや陸上部の部長さんには勝てませんが。アレはどうなっているんですかね……勇子ちゃんや力男さんも「アレは例外」と言っていましたし。魔法少女に変身した私並みに動けるなんて、何をしたらそうなるんでしょうか。
「この世界と私達の世界は文化の違いこそはありますが、似ているのは確かにその通りかと。後は各国には王様が居ますね」
「王様!? どんな人、どんな人!?」
「他の国の王様についてはあまり知りませんが……私の国の王様は優しい人ですね。お城の図書館をいつも開けてくれていたり、毎年お祭りを開いてくれます」
懐かしいですね。色んな歴史が載ってる本や、絵本が置いてあって、毎日のように両親に連れていってもらってましたね。
お祭りと言えば弟が1人ではぐれてしまった時がありましたね、無事に見つかりましたが、あの時は気が気じゃなかったです。あぁ、故郷が恋しいですね……。
「ライヨウの国も凄いライ。ペンヨウ、説明するライ」
「そこでペンヨウに振るセイ!?」
私が自分の国の話をしていると、ライヨウも妖精国の話がしたいとペンヨウに振りました。ライヨウ自身が話題に出しましたが、自分では説明しないんですね。
「え、えっと……ペンヨウの国はこの世界で言う動物のような見た目をしている住民が多いセイ!」
「他には?」
「他? えっと、他はペンヨウの友達の、鶏のような見た目をした『ニワヨウ』って言うのが居るセイ!」
「他には?」
「それで、あとは、その。ライヨウ、後は頼んだセイ!」
思い付かなかったんですね。ライヨウはやれやれと言った様子でペンヨウを見ていますが、元々は最初に話題を降った貴方が原因ですよ。
「了解したライ。ライヨウの国の王様はフクロウって動物とそっくりライ」
「そ、そう! 名前は『フクヨウ』って言うセイ!」
「ペンヨウ、物知りライな」
「それほどでも無いセイよ~」
「じゃ、7代前の王はどんな動物か答えられるライ?」
「え"ッ! そ、それはもちろん」
な、7代前ですか。私は自分の住む国の先代も知らないぐらいなので、他国、しかも7代も前となると分からないですね。私の国は30年くらいで王が代わるのに対して、妖精国は確か300年に一度ぐらいでしたよね。問題難しくありませんか?
「もちろん、何ライ?」
「わ、分からないセイ」
「まぁペンヨウが産まれる前の話ライから、知らなくても当然ライ」
「分からない問題を出すような意地悪はしないでほしいセイ!」
「2匹とも喧嘩しないの!」
「ムゥ~」
簡単に乗るペンヨウもペンヨウですが、ライヨウもライヨウで怒らせるような事はしないでほしいですね。2人とも仲間なんですから喧嘩は止めてくださいね。
「意地悪して悪かったライ。あと正解はヘビライ。ちなみに6代前が虎、5代前がカラス、4代前が犬、3代前がサメ、2代前がタヌキ、先代がワニ、そして今がさっき話した通りフクロウライ」
「詳しいですねライヨウ」
意地悪で誰も分からないような問題を出したのかと思いましたが、ライヨウ自身は答えを知っていたんですね。しかも7代前から今の王様まで知っているなんて。
「年寄りをナメるなライ」
「ライヨウって今何歳なの?」
「5000から先は数えてないライ」
「「「5000!?」」」
私達3人はライヨウの歳に驚きの声を出しました。ペンヨウは私と同じくらいの年齢ですが、そのペンヨウと比べても5000も生きてるとは、とても見えないですね。
「ライヨウから言わせれば、3人ともまだまだ小娘ライ」
「ライヨウはお爺ちゃんセイね」
「…………ペンヨウ」
ペンヨウの言ったその言葉は事実そのものですが、ライヨウにとっては禁句だったのでしょう。ライヨウは小さく、ですがハッキリと聞こえるようにペンヨウの名前を言いました。
「あ、あわわ」
「ライヨウどうしたセイ?」
「ちょっとペンヨウ! ライヨウに謝って、今すぐに!」
私と勇子ちゃんはその言葉だけでライヨウが怒っていることに気付きましたが、ペンヨウはライヨウが怒っているどころか、この状況もよく理解出来ていないようです。
「2人ともそんな慌ててどうしたセイ?」
「ペンヨウ、ちょっと来てもらえるライか。話があるライ」
「話ってなにセイか。それとライヨウ、なんか顔怖くないセイ?」
その言葉と共にライヨウはペンヨウを何処かへと連れていきました。それから数分後、ライヨウに連れられて戻ってきたペンヨウは沢山怒られたようで、真っ白に燃え尽きていました。ライヨウに年齢の話は厳禁、しっかりと胸に刻んでおきましょうか。
【ライヨウ】
勇子の強い思いに引かれてやってきた妖精。ライオンのぬいぐるみのような見た目をしているが、実際は五千を越えるお爺ちゃん。なお、お爺ちゃんと言ったら怒る。
名前の由来はライオン+妖精である。本編とは関係ないが、良い具合に動物名をくっ付けられたので気に入っている。
作中でサラッとマホが魔法を使ってる事を言及してますが、あれは単純に「そういや『魔法を使える』が名前の由来なのに全然使ってないな……せや!」で付け足した後付けです。なので前回とか見直しても、身体強化の魔法については何一つ書かれてないです。




