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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第2章~俺のクラスメイトに刺客が居るで章
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第18話 俺のクラスメイトが幹部な件

「よ、おはよう」


「おはようございます、力男さん」


 勇子が元気を取り戻してから2日が経った。あの後勇子はマホに話があるからと、授業が終わり次第すぐに帰っていった。さすがに1日で回復するほどの心の傷では無かったようだが、今日は無事、学校に来ていた。


❴(まさかワルインダーから新しい刺客が来るなんて、予想外でした。でも勇子ちゃんの言葉で元気になった今の私に敵は居ないです! 新しい技も覚えましたからね!)❵


 なんかこの2日の間に色々とあったようだ。勇子のピンチに覚醒してパワーアップがベタな展開だろうが、実際にその光景を見ていない俺にとっては想像の域を出ない。


 それにしても新しい刺客か。アクロコの事を諦めて戦力を投入してきたのか、アクロコの始末も指示に入っているのか……危険な橋は渡りたくはないが、新しい刺客とやらの心を読まないと分からないな。


 俺の家に居るアクロコは未だ眼を覚まさない。傷自体は塞がっているので、精神的な問題だろうか。医療なんて素人も良いところだし、そもそも異世界人の生体を知らない以上、なんとも言えないのだが。


「ほらお前ら、朝のHRを始めるんだぜ~」


 おっと、もうそんな時間か。俺はランの方にくっ付けていた机に元の位置に戻す。勉強教えるのに1個の机だと狭いからな、くっ付けた方がスペースが広がるし教えやすい。


「今日はこのクラスに転校生が来ているんだぜ。みんな、仲良くするんだぜ」


「転校生?」


 マホが転校してきたばかりだと言うのに、こんな短期間で来るなんて珍しいものだ。てかマホが転入してきたのがGW直後、そして今は6月上旬だ。1ヶ月も経たずにもう一人なんて、どうなってんだ。


 もしや新しい魔法少女か? 現実的に考えたら違和感はあるが、ここはニチアサ的な世界、身も蓋も無いことを言えば創作物の世界だ。これもそういうのだと考えれば、違和感は無いだろう。


 ならどんな人物が来る。元気と素直は揃ってるから人見知りか? いや、それはもう長神で枠が埋まってる。尤も俺の考えが外れたのか、長神はまだ魔法少女にはなっていないようだが。俺はまだ見ぬ転校生に胸を躍らせていた。


「どうモ、こんにちハ。僕の名前は『唯野(ただの) リュウ(りゅう)』でス。よろしくお願いしまス」


❴(ククク、さすがの魔法少女も僕が人間に化けてこの学校に潜入しているなんて予想外でしょうからネ。貴方達を内部から崩壊させていきますヨ。そウ、ワルインダー幹部の『スリュウ・コマツール』がネ!)❵


 刺客じゃねぇか。






「写真部、どうだ!?」


「君、科学部へ来る気はないか?」


「お前も陸上部に入らないか?」


 新たな刺客が転入してきた放課後。俺は万が一の事を考えて事あるごとにリュウの心を読んでいた。俺のテレパシーは視界に入れた相手にしか機能しない弱点を持つが、幸いにもリュウは俺の二つ隣の席と言う視界にギリギリの場所になったのが項を制したと言えるだろう。


 学校に刺客が来るのは予想外だった。チッ、魔法少女にアクロコの件を話そうとしたけどこれじゃあ無理だな。わざわざ友情を破壊するためだけに学校に来たのだ、魔法少女がここに通っていると十中八九バレているのだろう。


 学校内でアクロコの件を話そうにも何処で聞かれてるか分からないし、かと言って放課後遊ぼうなど適当に理由付けて、学校から離れた状態で話すのもマズいだろう。何故なら、


❴(ククク、この1日で魔法少女の交友関係は計れましたヨ)❵


 リュウは今日一日、魔法少女の交遊関係を探っていたからだ。俺はテレパシーで分かっていたから今日はそれとなく二人を避けていたが、数日も繰り返してたらリュウじゃなくて二人の方から不審がられるだろう。そしてそれをリュウに勘づかれる。


 厄介だなホント。マホも勇子も気付いたような素振りは全く無い。一応テレパシーで確認してみたが、ワルインダーの刺客とは一欠片も疑っていないようだった。


 不思議な力で敵を撃退するのは創作物ではよくある展開だが、俺にそこまでの力は無い。それに下手に動けば魔法少女に気付かれただの、魔法少女とは別の力を持った人物が居るだの思われて、どんな手に出るか分からない。最悪、今にでも学校を消し飛ばすような行動を取るかもしれない。


 そんな行動をされたら俺は当然の事、変身してないマホや勇子もその攻撃を喰らって死ぬか、動けなくなるほど重傷を負うかだろう。面倒な相手だ……


❴(魔法少女に直接話すのもアリですガ、万が一怪しまれると厄介ですからネ。ここは魔法少女の友人と仲良くなっテ、外堀からジワジワと友情を崩壊させるとしましょうカ)❵


 早速動き始めるか。マホと勇子の交遊関係を全て把握している訳ではないが、二人の友人と言えば俺の中では長神が当てはまる。


 勉強の時やこの前の件(第17話参照)で二人は長神を信頼しているだろう。もし長神が操られたりして罠にハメようとしてきても、あの二人なら疑いもせず長神の話を聞いて、綺麗に罠にハマるだろう。


 どうする……テレパシーで長神に伝えるか? いや、変に行動してリュウに勘づかれたら駄目だ。それにテレパシーを送っても長神がそれを怖がる可能性もあるし、そもそもリュウが長神に接触するかも未確定だ。他の奴に接触するかもしれない。


 ならマホと勇子に伝えるのはどうだ。勇子はもしかしたら程度だが、マホなら素直だから信じる可能性は高い。でも伝えたとしても、その素直さが仇になってテレパシーの事を喋るかもしれない。そしたら俺も巻き込まれる!


「失礼、少し良いですかネ」


 もうこうなったら最悪の場合として、巻き込まれるのは構わない。無駄に隠して友情崩壊、からの世界滅亡ENDよりはマシだ! ただ今バレるのは避けるべきだ、アクロコからワルインダーに関する情報が何も聞けてない、せめて情報を聞き出してからその方法を取るべきだ。だがリュウは今にも動こうとしてる。どうする、どうすればいい……!


「先ほど言っていた『陸上部』を体験しても良いですかネ」


 あっ…………ふーん。


❴(この方なら魔法少女と仲が良いみたいですからネ。言動に少々不思議な所はありますガ、そちらが注目が行っテ、僕の行動が目立たなくなると考えればむしろ良い隠れ蓑ですネ)❵


「おお、陸上部に自ら来るなんて珍しいな!」


 ランはリュウの言葉に感激して、力強くリュウの肩を掴む。大袈裟に見えるかもしれないが、ランの勧誘に乗った人物は俺の見てきた中で誰も居なかった。ちなみにマホは自分から体験入部してきたので数から外している。


「陸上部に全速前進だ!」


「あノ、学校の道をまだ把握出来ていない僕でモ、一人で歩くことは出来るんですけどおおおおおオ!」


 リュウは何やら喋っていたが、ランの耳には入っていなかったようで、ランはリュウの手首を掴んで何処かへと連れていってしまった。


 あぁ、うん。なんか、その……アレだ。やっぱ大丈夫そうだわ。俺はリュウが全身筋肉痛に未来を想像しながら、帰るのであった。

唯野(ただの) リュウ(りゅう)/スリュウ・コマツール】

 ワルインダーの幹部。アクロコが魔法少女に倒されたことにより、総帥が送ってきた新たな刺客。頭を使うタイプの人間であり、魔法少女の友情をジワジワと崩壊させる作戦を考えたが……まぁ、うん。頭ボーボボ(ラン)が知らない内に阻止した。

 名前の由来は「スリュウ→スリー()+リュウ()→三流」である。実はボツ名が存在しており、最初は『唯野 コーリ/コスリ・ゲマツール』だったりする。スリー+()にしようとしたが、三下って言うようなキャラじゃないため改名させた。


 席は教卓を前とした場合、一番左の後ろ。要は窓側の主人公席。隣はラン、前にマホ、対角線に勇子となっている。ちなみに隣の隣が力男(左からリュウ、ラン、力男と並ぶ)。

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