第14話 俺のクラスメイトが救いたそうな件
この作品に出てくるキャラのイメージ
力男=日常系キャラ
魔法少女組=日常&バトル系キャラ
ラン=ギャグキャラ
ランだけ世界観が違いますが、これも全て1話で「お前も陸上部にならないか?」と言う台詞を思いついたのが原因です。
「なぁラン、そんな食べて良かったのかよ」
テストが返された日の放課後。俺は前に「テストが終わったら一緒に飯を食べる」と言う約束の元、ランと一緒にファーストフード店で間食していた。そして今はその帰り道である。
実の所、勉強会に参加していた他3人も誘おうとしたが長神は生徒会に所属していてその仕事、魔法少女組は買い物があると言っていた。
実際はカバンに入っている妖精が「ペンヨウも何か食べたいセイ」と口を滑らせて、誤魔化すようにその場を急いで去ったのが本当の理由ではあるが。
それにしてもランは俺の5倍は食ってたけど、大丈夫なのかよ。運動部って体重管理しっかりしてるイメージなんだが、後先考えずに食べて体重が増えた結果、走るスピード落ちたとしても俺は知らないぞ。
「キャー! 力男さんのエッチーッ!」
「何をどう解釈したらそうなる?」
俺は眼鏡掛けた少年でも、未来から来たロボットを居候させてもねぇよ。それともアレか、女性に体重の話をするなってことか? それは単純に俺が悪いな。ごめんなさい。
「オレ達陸上部員は運動部だ。走るために沢山食べる時期が多いんだ」
「戦闘民族かよ」
え、なに。某戦闘民族は戦うために若い期間が長いみたいに、陸上部は何回も間食する上に大食いなの? 初めて聞いたんだけど。
わりとどうでも良いことを喋っていると、ランは突然電撃が走ったようなポーズを取り、川が流れている方向を向き始めた。
「ん、何か川にあるな。オレのニュータイプとしての勘がそう言っている」
「川? 何も見えないが」
その言葉が気になり、俺も川を見てみたが何も無かった。そもそもここの川は船も通らないような場所であり、子どもが溺れないように網がひかれている。それにここの川は深くもあるので何かあったとしても、底の方に沈んでいて見逃してしまうだろう。
この川は確か河川敷が上流になっていて、そこから流れてきてたよな。そうなると、河川敷の方に何かあったのか?
「ちょっと取ってくる!」
河川敷の方が気になり、そっちに歩を進めようとしたがランは網をよじ登って川にダイブした。ちょっとコンビニ行ってくる感覚で飛び込むんじゃねぇよ、小さい子がマネするだろうが!
しかしランが川に潜ったのはほんの一瞬であり、入ったと思ったらすぐに出てきて、何かを拾って網の外へと戻ってきていた。ねぇ、お前忍者の末裔か何かなの?
「取ったどー!」
「ワニじゃねぇか」
拾ったものを高々とかざすランに呆れながら、それを確認すると小さなワニだった。より具体的に言うと、ボロボロなアクロコ。
てか「取ったどー」ってなんだよ。え、なに。食うの? お前もしかしてコイツ食うつもりなの? てかなんでコイツが流れてきてんだよ。
大きさも大男からぬいぐるみサイズにまで変わってるし……もしかして河川敷の方向でマホ達と戦ってたのか? それで敗北したと。でも小さくなった理由は分からねぇなぁ。
それとも、あくまで「そういうもの」として捕らえれば良いのか? スポーツ漫画やホビーアニメでも「サッカーで世界を征服」や「オモチャで世界を滅ぼす」事に突っ込みを入れるキャラなんて居なくて、そういうものとして受け入れてるし。敗北した敵が小さくなるって言うお約束とかなのか? 聞いたことねぇな。
「つーかなんで川入ったのに濡れてないんだよ」
「何言ってんだ。服に水が触れる前に川から出れば濡れないだろ」
「うーん、いつも通りの規格外」
ランがおかしいのはいつも通りだとして、こんなにボロボロなのは気掛かりだ。それにマホ達がそんなことをするか聞かれたらNOだろうな。何回か戦いを見ているが、こんな必要以上にボコボコにするような事はしてなかったし。てかそんなことしてたら女児が泣く。
「ま、そんなこたぁどうでも良いさ。それよりコイツ、ボロボロなんだけど治せそうか? てかザ〇リク使える?」
「治すっても、俺応急手当すらした事ないんだけど」
あとザ〇リクは蘇生魔法だから、そいつまだ死んでねぇから。俺はわざわざ敵を救う必要は無いとアクロコを見捨てようとも考えたが、よく考えると俺はアクロコの事を知らない。
「はぁ、取りあえず俺の家行くぞ」
俺はアクロコ見捨ててワルインダーについて何も知らずに日常を過ごすか、アクロコからワルインダーについて聞いて日常を過ごすか考え、溜め息をつきながら後者を選ぶことにした。
前者はそもそも論外だ。マホや妖精達含めて、ワルインダーの目的や構成員の人数を知らない。いつ何処で何をしているか分からない以上、身を守るにしても限界がある。
後者はまだマシな選択肢だ。知ったところで出来ることは限られているが、魔法少女に情報を流して知らない相手からの不意打ちを防ぐ程度は出来るだろう。それにアクロコをボロボロの状態にした正体不明の人物が居る以上、多少危険を侵してでも何があったのか知るべきだ。
もしこれで自然発生した超巨大生物が暴れただの、第三勢力の組織が殴り込みに来たなんて事だったら、より面倒な事になったと頭を抱えるが。
「よっしゃ! じゃあ力男の家まで全速前進だ!」
「いやお前俺の家知らないだろって何処行く気だああああ!」
ランはアクロコをカバンに押し込むと、俺の腕を掴んで走り始めた。何故か俺の家とは反対方向に。ねぇ、何処行くの? お前は俺を何処に連れていきたいの? てかお前の全力とか車以上のスピードだろ、ちょっ止めスピード落とせぇぇぇ!
「失礼、この辺りに」
「止まれ! おい待て止まれええええ!!」
「…………行ってしまいました」
ランが何処かへと向かっている最中、紳士らしい立ち振舞いをしている男性がランに話しかけたが、ランはそれを無視して走り続けるのであった。
この話の時系列としては、前回の終わりから数分程度となっています。
全員と状態を纏めると、魔法少女は気絶中。咲黄は生徒会の仕事で学校。力男達は街を爆走してます。
他のみんなが用事で河川敷に来れない都合上、魔法少女を気絶から覚まさせる役はきっと妖精がしてくれるでしょう。




