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俺のクラスメイトが魔法少女な件  作者: のろとり
~第1章~俺のクラスメイトが魔法少女で章
13/146

第13話 私の友達を狙う敵が最後を迎えちゃうな件だよ!

 今回は100%シリアス回です。

 今までの日常やギャグは一旦お預けとなります。数話したら戻ってきますけどね。

「ううん、ここは」


 戦いが終わって数分。変身をしたまま、休憩をしているとアクロコが気絶から目を覚ました。河川敷で放っておくことなんて出来ないし、私はアクロコに聞きたいことがある。


「魔法少女!? ってことは、ワニャアは負けたワニか」


「はい。私たちの勝ちです」


「ねぇアクロコ。気になっていたんだけど、どうしてこの戦いが最後なの?」


 戦う前に言っていた「最後の戦い」とやらを、私はずっと疑問に思っていた。最後って言うのは文字通りの意味なんだろうけど、どうして最後なんだろう。


「それは……」


「それは、貴方がお役御免だからですよ」


「「誰ッ!?」」


 その声に私たちは思わず振り返る。そこに居たのは、長身の男の人だった。黒いシルクハットと執事服を着ていて、言葉遣いは丁寧だけど何処か不気味な人。


 そして声が聞こえるまでなんの気配もしなかった。ここに来るまでにするであろう足音も、私たちを見ている視線も。視界に入れてようやく居ると認識したことを恐ろしく感じる。


「おっと、自己紹介がまだでしたね。私はワルインダーを率いる総帥の側近をしております、名は『アヤイト・コマツール』と申します。まぁペラペラと喋っても分からないでしょうから、要は2番目に偉い人と認識して頂ければ」


 自分自身を2番目に偉いと名乗る、コマツールはゆっくりとアクロコへと近付く。私はその不気味な雰囲気に呑まれて動けなくなっていた。


「お役御免って、アクロコをどうするつもりですか?」


「いやはや。何を分かりきったことを」


 けどスカイブルー(マホちゃん)は私と違って動けるようで、震える身体を押さえながらコマツールに質問をする。そんなスカイブルーを全く脅威に思っていないのか、視線を一切向けること無くアクロコへとまた一歩近付く。


「消します」


『…………え?』


 そして呼吸をするように、それが当然かのようにアクロコに何をするのかを言った。私たちはその言葉に頭が追い付かなくて、ただ震えている身体の振動のみがそれが現実だと思い知らせてくる。


「ふ、ふざけるな。ふざけるなワニ! ワニャアはまだ負けてないワニ、それに総帥がこの戦いを見てるワニ! お前が勝手に手を下せる訳無いワニ!」


「いやはや。そう言われましても、私はただ総帥が忙しいから、代わりに貴方を消しに来ただけ。勝手にと言われても困りますよ」


 アクロコの必死な形相にもまったく怯むことはなく、ツラツラと言葉を続けるコマツール。アクロコを消すことになんの感情もなく、ただの作業のような態度をしている。


「それに、貴方は私たちにとっての駒でしょう? ただの駒に生きる価値は無いのです」


「ワニャアは駒じゃないワニ!」


 駒と言われるのに耐えれなかったのか、アクロコはコマツールに向かってパンチをする。魔法少女になった私たちでも直撃したら大きなダメージになるであろう、パンチをコマツールは避ける動作をせずマトモに喰らう。


「止めてください。服が乱れるでしょう」


「き、効いていないワニか!?」


 しかしコマツールは胸に受けたパンチを、服に付いたホコリを払うようにして退けてアクロコを片手で持ち上げる。スカイブルーはアクロコを助けようと、コマツールに攻撃をする。


「邪魔です」


「きゃあ!」


「スカイブルー!」


 けどそんなスカイブルーの攻撃を、虫を払うようにして手のひらで弾く。たったそれだけでも強力な一撃だったようで、スカイブルーは吹き飛んでいく。


「くっ、うぅ……」


「スカイブルー、大丈夫セイか!」


 いつの間にかカバンから出てきていたペンヨウとスカイブルーの元へと行く。幸いにも意識はあるようで、重そうに身体を起こす。


「これで最後ですが、何か言いたいことはありますか?」


「最期なんて、最期なんて嫌ワニ!」


「ふむ、そうですか。最後の言葉、しかと聞かせていただきました」


 私たちがスカイブルーへと駆け寄っている間も、コマツールはアクロコを離すこと無く会話を続ける。アクロコはコマツールに向かってパンチしたり、暴れたりしてるけど、コマツールは怯むこと無く棒立ちの状態でアクロコの言葉を聞いている。


「まぁ、それなりに頑張って下さいましたからね。褒美として最後は貴方の好きな川に流してあげますよ」


「は、離すワニ!」


「はい、言われた通りに離しましたよ」


「え?」


 離してほしいと願うアクロコの言葉と共に、コマツールは掴んでいた手を離す。思わぬ行動にアクロコは疑問を浮かべる。そしてその行動の理由はすぐに判明した。


「ぐふっ!」


 手を離したのはアクロコを河川敷へと沈めるためだった。コマツールは手を離すと同時に裏拳をすると、アクロコは河川敷へと沈む。


 アクロコは泳げるのをさっきの戦いで知っているけど、あんなにボロボロな状態だと泳ぐどころか意識を保つことも難しいと思う。


「万が一生きていたら、その時はもう一度働いてもらいましょうかね。まぁあくまで生きていたら、ですが」


 もうこの場所には無いと言わんばかりに、河川敷の下流を見つめるコマツール。そのまま何処かへと行こうとすると、ボロボロなスカイブルーが立ち上がってコマツールの腕を掴む。


「なんだ、貴方ですか」


「許さない、貴方は決して許しません!」


「許す許さないと言われましても、これは総帥とアクロコによって結ばれた約束。第三者にそんな事を決める権利はありませんよ」


「黙りなさいッ!」


 ここまで怒るスカイブルー初めて見たと、私が呆然としている中、怒っているスカイブルーをそよ風程度にも思っていないコマツールは、そんな態度が面倒に感じたのか溜め息をつく。


「私は忙しいので、貴方に構っている暇は無いのですが」


「はああああ!」


「その程度の強さでは今の私達の敵では無いですよ」


「ぐッ……」


 スカイブルーが怒りのパンチをコマツールに繰り出すけど、簡単に受け止められて私に向かってスカイブルーが投げ飛ばされる。


「『スカイバリア』ッ!」


 私は急いでスカイバリアを展開する。本当なら身体でキャッチしたかったけど、コマツールの強さはあまりにも規格外で身体で受け止めようとしたら、私も一緒に吹き飛んじゃうからこそのバリア。


 この技はアクロコの技や突進を受けてもヒビの一つも入らずびくともしなかった。これならスカイブルーを受け止められる。


「えっ!? きゃあああああ!」


 そう思ったのが甘かった。スカイブルーがスカイバリアに触れた瞬間、粉々に砕け散った。まるで濡れた紙を破るように簡単に。

 あまりにも強く投げ飛ばされたようで、スカイバリアの強度が足りなくて破られたみたい。


 私は投げられたスカイブルーにぶつかり、2人にして河川敷をゴロゴロと転がる。さっきの戦いの疲労とダメージもあってか、身体が言うことを効かずまったく動けない。


「ふむ。少し強くしすぎましたかね。すみませんね、私は手加減が苦手でして」


「ま、待ちなさ」


「それでは魔法少女の皆さん。また何処かで」


 そう言うとコマツールは何処かへと消えてしまった。その様子を見届けると共に、私たちは限界がきて変身が解け、その場で気絶してしまった。

【アヤイト・コマツール】

 悪の組織『ワルインダー』の総帥の側近。ワルインダーの中では二番目に偉く、その実力も折り紙つき。

 名前の由来は「あや取り」と「糸」と「駒」と「ツール(道具、手段など)」となってる。要するに人を駒のように操る人物で、目的を達成するための手段や道具としか思ってないという意味。

 誕生敬意としては、ニチアサを知るために、プリキュアについて調べてたら、主人公メンバーが仮面付けて洗脳されたり、憧れの人が捕まって敵として戦うことになったり……結構曇らせ要素あるんだね。せや! 私もそういうキャラ作るか、で一夜で設定とか作り込んで登場させました。


 突っ込まれそうなので言っておくと、アクロコが「最期」と、魔法少女とコマツールが「最後」と、漢字が違うのはわざとです。

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