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7.呪われた庭を解呪します!

 生徒会の一員として活動を続けるエレノアは、そのユニークな能力で、徐々に周囲の信頼を得始めていた。


 特に、書記のソフィアは、エレノアの素朴で優しい人柄と、秘めたる力に気づいており、いつも彼女を温かく見守っていた。


 ある日、ユニティ魔法学園で長年問題となっていた「旧校舎の庭の荒廃」について、生徒会で話し合いが行われた。

 その庭は強力な魔法が残留しており、通常の魔法では植物が育たず、手入れをする者も近づけないという「呪われた庭」として知られていた。


「何か良い解決策はないでしょうか……」


 生徒会長のフェリックスが頭を悩ませる中、クロードは「放置するしかないだろう」と冷たく言い放ち、ライエルも「下手に手を出すべきではない」と慎重な意見を述べる。

 ノアは古文書を片手に、「興味深い魔法反応が見られる」と、まるで他人事のように呟いている。


 その中で、エレノアは静かに手を挙げた。


「私に、少しだけ試させていただけませんか?」


 生徒会メンバーは、エレノアの突拍子もない提案に驚きを隠せない。


 しかし、王家の庭園を蘇らせた彼女の力に、一縷の望みを託すことにした。


 放課後、エレノアはソフィアと一緒に旧校舎の庭へと向かった。

 荒れ果てた庭は、じめじめとして陰鬱な空気が漂っている。


「エレノア、本当に大丈夫? 無理しないでね」


 心配そうなソフィアに、エレノアは力強く頷いた。


「ソフィア、少し手伝ってくれる?」


 エレノアは、ソフィアにいくつかの指示を出すと、庭の土にそっと触れた。


 すると、彼女の耳に、微かな悲鳴のような声が聞こえてくる。


 それは、土地に残された魔法の残留思念だった。


「この土地は……ずっと、悲しんでいたんだね」


 エレノアは、土の精霊の加護を荒れた土壌にゆっくりと確実に、注ぎ込んでいく。

 その加護の光は、まるで深い傷を修復していくかのように見えた。


 ソフィアはエレノアの指示に従い、特定の場所に魔法陣を描いたり、彼女が育てたハーブを土に埋めたりした。


 それは、二人の協力作業だった。

 ソフィアは、エレノアの意思を理解し、彼女の力を最大限に引き出すためのサポートを惜しまなかった。


 数日後、呪われていたはずの旧校舎の庭には、生命力に満ちた新しい草花が芽吹き始めた。

 以前の陰鬱な雰囲気は消え去り、どこか清々しい空気が流れている。


 生徒会メンバーは、変わり果てた庭の様子を見て、驚愕の表情を浮かべた。


 特に、これまでエレノアの力を半信半疑だったクロードやライエルも、その目を見開いている。


 フェリックスは、エレノアに心からの感謝を述べた。


「エレノア、君の力は本当に素晴らしい。ありがとう」


 その時、エレノアの隣で、ソフィアが嬉しそうに微笑んでいた。


「わたしだけじゃありません。ソフィアがいてくれたから出来たんです」


 笑顔を交わす二人の間には、言葉を超えた強い絆が結ばれていた。


 エレノアの活躍の陰には、ソフィアの温かい支えがあったのだ。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


少しでもエレノアたちの物語を楽しんでいただけたら嬉しいです。


次回は、フェリックス王子との絆が深まる場面が描かれる予定です。お楽しみに!


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