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ED.ノア・フォーチュン「幸せにする因子」

 王国の危機を救った後も、ノアはエレノアの研究を続けていた。


 彼は、エレノアの加護を解析しようと躍起になっていたが、その度にエレノアという「人」に惹かれていく自分に気づいていた。


 ある夜、図書館の奥で、ノアはエレノアに一枚の羊皮紙を差し出した。


「君の加護の解析……完成した。だが、一つだけ、解析できない項目が残った」


 エレノアが羊皮紙を見ると、そこには彼女の加護の完璧なデータが記されていた。

 しかし、一番下に「原因不明の温かさ」という項目が残されていた。


「この温かさは、僕の理論では説明がつかない。

 だが、この温かさがなければ、君の加護は機能しない」


 ノアは、エレノアの手を握りしめ、その温かさを感じ取ろうとした。


「……君の『心』が、僕の理論を凌駕している。

 僕は、君の能力だけでなく……君自身が欲しい」


 彼の言葉は、研究者としての独占欲であり、一人の男性としての純粋な愛だった。


 ノアは、エレノアの顔を両手で包み、彼女の唇にキスを落とした。


「君は、僕だけの『謎』だ。一生かけて、君を解き明かしたい」


 彼のキスは、知的な探求心と、深い愛情に満ちていた。


 エレノアは、ノアという天才に、永遠に解けない「愛」という謎を与えたのだ。





 王国の危機を救った後も、ノアはエレノアの傍を離れようとしなかった。

 彼は、エレノアの加護を解析するためという名目で、常に彼女の隣にいた。


「このハーブは、君の加護と反応して、新たな魔力を生み出している。興味深い……」


 彼は、エレノアの日常の些細な行動まで記録し、解析していた。

 彼の研究は、エレノアの持つ「温かさ」を解き明かすために捧げられていた。


 ある日の夜、ノアはエレノアを、図書館の奥の誰もいない場所へと連れて行った。


「エレノア。僕の研究は、ついに完成した」


 彼は、一枚の羊皮紙をエレノアに渡した。


 そこには、彼女の加護のすべてが完璧に記されていた。

 しかし、最後の項目は、「ノア・フォーチュンを幸せにする因子」と書かれていた。


「……これは?」


 エレノアが戸惑っていると、ノアは彼女を抱きしめた。


「君の力は、僕の心を温かくする。僕の人生を、『解析不能な幸せ』で満たしてくれる。君は、僕だけの『真実』だ」


 彼の告白は、情熱的で、エレノアの心を揺さぶった。


「君がいなければ、僕の人生は、何の面白みもないデータでしかなかった。

 僕の傍にいて、僕を一生、幸せで満たしてくれ」


 ノアのキスは、甘く、そして深い愛情に満ちていた。


 天才研究者は、世界で唯一の「愛」という謎を解き明かし、その答えを、一生かけて大切に守り抜くことを誓ったのだった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


少しでもエレノアたちの物語を楽しんでいただけたら嬉しいです。


今回のお話でエレノアの学園生活は描き終わりました。


最後までお付き合いいただき感謝いたします!


感想やお気に入り登録をいただけると励みになります。どうぞよろしくお願いいたします。

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