ED.ライエル・フォン・アイゼン「例外規律」
王国の危機を救った後も、ライエルはエレノアの畑の近くで見回りを続けていた。
しかし、その視線は厳格なものではなく、彼女を見守るような温かいものに変わっていた。
ある日の夕暮れ。畑で作業を終えたエレノアに、ライエルが近づいてきた。
「……貴女は、いつも誰かのために、規律を破る」
彼の言葉に、エレノアは肩をすくめる。
「それが、私の規律ですから……」
ライエルは、エレノアの頭を優しく撫でた。
「その規律を、私が守る。貴女は、私が認めた唯一の『例外』だ」
彼は、エレノアの手を取り、指先にキスを落とす。
「私は、秩序と規律を重んじる。だが、これからは……貴女を守るという規律が、私の最優先事項だ」
ライエルの言葉は、不器用ながらも、彼の内に秘めた熱い愛を伝えていた。
彼は、エレノアという存在を守ることで、自らの「正義」を貫く道を選んだのだ。
ライエルは、エレノアを抱きしめ、その耳元で囁いた。
「私をあなたの盾にしてほしい……私だけを」
彼の愛は、規律を超え、彼女の心を温かく包み込んだ。
王国の危機を救った後、ライエルは、エレノアの畑の「見回り」を、毎日の日課として続けていた。
その視線は、もはや規律を守るものではなく、彼女の姿をただ愛おしそうに見つめるものに変わっていた。
「ライエル様、また見回りに来てくださったんですね」
畑で泥だらけになりながら作業するエレノアに、ライエルは優しく声をかけた。
「ああ。……私の『規律』だからな」
彼は、エレノアの畑仕事を手伝うようになった。
彼の武骨な手が土に触れる姿は、生徒会メンバーの間で、ちょっとした有名になっていた。
卒業の日。
ライエルは、エレノアを誰もいない学園の校庭に呼び出した。
「エレノア。貴女は、私に『正義』とは何かを教えてくれた。
規律を守ることではなく、守りたいものを守ることだと」
彼は、エレノアの手を取り、自分の頬に当てる。
「私の人生は、規律と正義で満たされている。だが、そのすべては…貴女を守るためにある。
私をあなた『盾』にしてくれないか?」
ライエルの告白は、不器用ながらも、彼の内に秘めた情熱と愛に満ちていた。
「一生かけて、貴女を、そして貴女が大切にするものを守り抜くと誓おう」
エレノアは、ライエルの言葉に、涙を浮かべながら頷いた。
厳格な風紀委員長は、愛する女性を守る「盾」となり、彼女の人生を永遠に守り抜くことを誓ったのだった。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
少しでもエレノアたちの物語を楽しんでいただけたら嬉しいです。
次回は、ノアとのエンディングが描かれる予定です。お楽しみに!
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