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12 ティナリアという少女(アルヴィスside)

アルヴィスは、小さい頃から優秀だと言われてきた。

勉強だけでなく、剣や魔法の腕も家庭教師から絶賛されるほどだった。


10歳の秋から体調が悪くなった。

原因不明で、体調はどんどん悪くなっていく。

そうしているうちに、アルヴィスが原因不明の病にかかったと社交界で噂されるようになり、3年たった頃には、未知の病とまで言われるようになった。



そんな状態でも、アルヴィスは公爵令息。

婚約者候補や婚約者は、いたが顔合わせですぐに破談になった。



それでも、両親は必死に治療方法や薬を探してくれ、使用人達も優しかった。

それでも、散々アルヴィスを優秀だ、神童だと、言っていたくせに手のひら返しをしてくる人間も多かった。



両親や使用人達の優しさに罪悪感を感じ、手のひら返ししてくる人間達に吐き気がした。



そんななか、前妻が亡くなってすぐに愛人を迎え入れ、前妻の子を冷遇していると噂のフィール伯爵家との縁談が来た。



ほとんど部屋から出なくなったアルヴィスの耳に入るくらいだよっぽど酷いのだろう。



だからどいって、何かあるわけでもないが。

どうせ、また顔合わせで破談になるのだろう。




***************************************************


顔合わせのあと、両親はアルヴィスの病気が治るとわかって泣いて喜んでいた。



だが、アルヴィスからすればまだ信用出来なかった。

だけれど、未知の病かもしれないとアルヴィス自身不安だったのだろう。どこかホッと安心している自分がいた。



**************************************************


彼女から言われた通り水分や塩分をとったり、ストレスの対処法を学んで3週間が経過した。


あれほど辛かっためまいは、大分マシになり、体調がいきなり悪化することも少なくなってきた。



最初は半信半疑だったが、彼女を信じてみて正解だった。それに、週に1度は公爵家に体調を確かめに来ていた。



公爵家の人間以外信用出来なくなっていたアルヴィスだったが、顔合わせで冷たい態度をとっていたのに、優しくアルヴィスを見捨てることなく、日課となった散歩に付き合ってくれたり暖かく話を聞いてくれるティナリアにアルヴィスは、だんだんと惹かれていった。



ティナリアは、アルヴィスを見捨てない。それどころかアルヴィスのためにその知識や才能をいかんなく発揮してくれる。



(ティナリアは、誰にでも優しい。もしかすると、他にもティナリアに惹かれる奴がいるかもしれないし、ティナリアの才能や知識を欲する奴らもいるだろう。だが、ティナリアは僕のものだ。絶対に離さない。そのためにも、早く元気になってティナリアを守る力を身につけなくちゃいけないな。)







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