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聖女はギャル!  作者: 如月冬香
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四十六話 謎の魔獣討伐!その三

 チユは浄化の準備に取り掛かる。僕もチユを護衛する。その時チユは空中で何かをにぎにぎしている。そして顔を青ざめてこちらを見ている。口をぱくぱくさせて。

 僕は最初何のことか分からなかった。だが、何かをジェスチャーをするチユを見てある事を気づく。それは重大な問題だった。

 本来、聖女は湖を浄化する際、必要とされたのは「聖女の舞」である。その舞に必要なのが、歴代聖女が使っていた、刀である。そう、ブルーメ村の時も刀で舞っていた。

「ど、どうしよ。」

 そう、僕達はその伝統的な剣を持っていなかったのだ。チユと僕は顔を青ざめ、お互いを見て、動きが止まった。

 僕は頭の中でどうすれば良いのか思考を巡らせていた。

 さて、伝統的な刀がなければ浄化が出来ないのだろうか。初代聖女は偶然見つた剣を刀と名付け、舞ったそうだ。それが、初代聖女にとっての初めての舞となった。

「チユ、剣で代用するのはどうだろうか。」

 僕は初代聖女の初めての舞の話をする。僕は偶然見つけた剣ならば、剣でも代用できると考えた。ダメ元だが。

 やはりチユは首を振る。

「刀、というのは私の国の剣みたいなもの。だけど剣と刀は違うの。実際形がちょっと違うでしょ?初代聖女さんが持ってきた刀だと思ってたけど、違うんやね。何でこの世界にあるのかは不思議だけど、剣は残念だけど代用に使えないと思う。聖女の感ってやつ?」

「……やっぱり、無理か。」

 それは僕も予想していた事。剣と刀では形が違うのだ。この国では剣を使う。刀の様な形は、この世界でひとつしかない。勿論、真似して作られた刀がある。だが、それは東の国で作られており、我が国は反対の西の国で、剣が主流なのである。

 その時、ドニーがこちらにやってくる。

「レン、チユ様、賊の件はキーラさんに任せておいた。それより、これ、必要だろう?チユ様を追う時に一応持ってきてたんだよ。」

「ドニー!」

 僕たちはドニーが羽の生えた天使に見えた。だが僕はすぐにそんな想像は無いものにした。何故なら想像したドニーの天使姿が本当に似合わなかったのだ。いや、本当に。だって、ムキムキマッチョの天使が出てきたのだ。そう、ドニーは実は筋トレが趣味で実はムキムキなのである。

「マジで!ドニー、神!」

「いやいや。神さんに近いのはチユ様の方でしょう。」

 ドニーはニカっと笑う。緊迫していた空気から少しホッとした空気が流れた。

 だが、もうひとつ問題は残っている。実は、今もなおゆっくりとペガサスがこちらに近づいてきているのだ。先程勢いよく突っ込んできたからか分からないが、今度は少し様子を伺いながらこちらにやってくる。だが気性は荒いままだ。

「ささっとやっちゃいますか!ドニー!レン!ペガサスのことよろ!」

 そう言って、チユはゆっくりと舞を始めた。刀を持ち金髪の髪を靡かせゆっくりと舞った。

 辺り一面から光が湧き出る。そしてその光はチユが舞うごとに強くなっていき、そして湖まで届いて、浄化が完了した。だが、まだ光続けている。チユはそのままペガサスの元へと行き、ペガサスに手を当てた。するとみるみるペガサスは光に包まれ、苦しそうにしていたペガサスの表情が緩んだのである。そうして光は止んだ。

「終わったぜぃ!」

 と、チユはペガサスを引き連れて僕たちの元へと駆け寄ってきた。どうやらペガサスはチユを気に入ったらしい。そしてピシッと敬礼した。それが、僕は可愛いと思ってしまう。それに気づいたのかドニーは僕をどついた。いけない、いけない。

 そして、僕達はヒメル達を見た。ヒメル達は苦戦している様だった。

「やっぱり、あの女は聖女だった!あの女を捕まえてから逃げるぞ!」

 賊達は一気に標的をチユにした。僕たちは一気に警戒を強めた。一人の賊がこちらにやってくる。すると、ヒメルがこちらに駆け寄ってきた。

「聖女様!」

 ヒメルはその賊を相手をする。ヒメルは相手の足を凍らせる。僕たちも警戒する。

「また、お前か!」

 その男はヒメルを知っている様だった。だが、ヒメルは彼を知らなかった。すると、その男は語り出した。

「あの日女児を捕まえていたら、その女児が俺の相方に怪我をさせて逃げた。相方は追いかけた。俺も先回りして後を追いかけたさ。そしたらお前が俺の相方を凍らせんだ!」

「……俺の弟、ミアを捕まえようとしてた男の相方か。」

「そうだ!……弟?」

 これには賊も戸惑った様で少し隙ができる。その瞬間をヒメルは見逃さなかった。あっという間に賊の男を倒したのである。

 こうして、賊も倒し終わったのである。


 その様子を見ていた人がいた。以前チユとレンが出会った、ツルである。彼女はブルーメ村浄化の後、帰る道中で突如現れた不思議な女性だった。

 黒髪を靡かせながら彼女は呟いた。

「また、浄化したのね。彼女は。」

 その声色は、複雑だった。嬉しい半分、残念な気持ちを感じる声だった。それでも、彼女は。

 そして彼女はチユの元へと歩き始めた。ゆっくりと。

魔法→魔術に変更しました。また、明日も投稿予定です。

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