四十四話 謎の魔獣討伐!その一
浄化の日を前日に控えた今日、ヒメルが聖女チユの元へとやってきた。それは、この前の誘拐未遂事件についてと、今ヒメルが追っている女児連続誘拐事件についての関連性が見られた為、チユの元へときたのである。
「聖女様、レンさん、ドニーさん、お久しぶりです。」
「おっひさー!」
とチユはいつもの調子で挨拶をする。
ヒメルが言うには、ある魔獣も関係しているのだそう。馬に翼が生えていると言うその魔獣の話はチユの興味をそそった。一方で、僕たちは王様が言っていたことを思い出していた。その魔獣が出でからというもの、女児が誘拐されていると言うことを知っていたからである。
今回ではっきりと関係があることが判明したのだ。だが問題は、その魔獣や賊たちをどう見つけるか、それが問題だった。どうやら森の中にいるようだが……。
また、浄化の日を延ばすことも考えなければならなかった。聖女が誘拐されかけたとなれば身の安全が確保してから出なければ浄化には出かけられない。
「そこで、レン様に手伝っていただき賊を見つけ、討伐するのはどうかと言う話が出たのです。どうか、力を貸してくれませんか。」
ヒメルは僕にそう伝えた。僕は、ドニーを見る。ドニーは頷いた。僕はそれに信頼を寄せて、快諾した。
結局、浄化の日は延期となり、このメーア村に留まることになった。延期となったその日、僕とヒメル、その他騎士は賊、謎の魔獣の討伐に向かった。まぁ、チユのことはドニーに任せておけば大丈夫だろう。トトや、ララの二人のメイドもいる。
馬に乗り、僕たちは森の中へと向かった。だがペースはゆっくりだった。というのも、捜索しながら進んでいったからである。僕たちはどのような魔獣がいるのかも分からないためか、緊張感を漂わせながら奥へ奥へと進んだ。
「やはり、この辺ではないな……。」
そう、騎士団の団長が言った時、隣から聞こえてはならない声が聞こえた。
「えー、マジかー。」
そう、紛れもない、チユの声だった。皆一斉にチユの方向を見る。チユはてへぺろと言う表情をしていた。
「な、なんでチユがここにいるんだ⁉︎ドニーは⁉︎」
僕は驚きのあまり声を上げる。
「ドニーは巻いてきた。でももう来ると思うよん。」
すると、後ろから顔を青ざめた大柄な男がこちらにやってきた。
「や、やっと追いついた……。」
僕はニコリと笑い、ドニーの前へと仁王立ちした。
「れ、レンよ、これは違うんだっ。」
「僕は君にチユのことを任せたんだよ?何やってんだ‼︎」
「ち、違うんよ、レン!これは私が悪いんよ。」
僕はその言葉を聞いてチユの方にも向く。チユは少し顔が青ざめる。
「当たり前だろ?チユ、ちょっと話そうか?」
こうして、チユとドニーは僕からの説教をしばらく受けることになったのだった。
説教が終わり、騎士団の方へと戻る。
「すみません、聖女様も同行する気が満々なので、というか言っても聞かないので、このまま同行させてもいいですか?」
すると、騎士団の団長は、畏まったように、
「勿論です、ただとても危険かと思われます。俺たちは聖女様を必死に守りますが……、もしもの時は、レン様、聖女様を連れて逃げてください。」
と、許可してくれた。聖女様の言うことなので反対が出来ないのだろう。だが、正直言って反対してくれてもいいのだが。僕は二人の前ではいつも以上にニコニコしていた。それほどまでに僕は腹を立てていた。だって、チユのここにきた理由が、謎の魔獣を見てみたーい!だったからである。どれほど危険なのか分かってないのだ、彼女は。
また、しばらく捜索をつづてけいると僕たちはある人を見つけた。その人は、銀色の長い髪を後ろで束ねていた。
「師匠?」
そう、師匠が馬に乗って森にいたのだ。僕はまた驚いて声を上げたのだった。
お久しぶりです。忙しく、なかなか書けずにいました。また書いていくのでよろしくお願いします!




