三十七話 新たな任務
王から召集があり、今日向かわなければならないが、レンは行く気にはなれなかった。それもそのはず、チユへの恋心に気づきチユの護衛魔導士として役目を果たすと意気込んでいた最中、失恋したのだから。
レンは現在、ベッドに横たわり枕で顔をうずくめていた。
「はぁぁーーーー。」
と、深呼吸を含めたため息を吐き、ぐるんと仰向けになる。ちなみにレンは青いシンプルなパジャマのままである。
この気持ちはどうしたらいいのだろうか。そうレンは考える。この恋心は……。そこでレンは考えるのをやめた。
僕はチユの護衛魔導士である以上、チユを守るのが役目である。もうこの気持ちはチユには伝えることはないだろう。そう、無理やり気持ちに蓋を閉じて、レンは王様の元へ向かった。
チユと合流し、今から王様の元へ向かう道中、レンはチユとドニーにあるものを渡した。
「これは?」
「なんだ?」
二人が同時に話す。
二人に渡したものは、もし何かあったときに駆け付けれるようになっているネックレスの様な魔導具。具体的には、この魔導具にある言葉をかけると緊急事態の時に知らせてくれたり、離れていても話すことができたりする。ちなみに他の機能としては目覚ましがある。ザクヤにも手伝ってもらったのだが、その時に勝手に目覚まし機能をつけてしまったのだ。ザクラいわく、
「あの聖女様、どうせ起きるの苦手なタイプでしょ?」
とのことだ。
また実は前にも渡した事があったのだが、それよりも高性能になっている。また、ドニーという新しい護衛魔導士が増えたのでその分も渡しておきたかったのだ。
「すごーい!通話できるって事やん!スマホやん。」
と、テンションが上がっている。ドニーは、
「チユ様、スマホってなんすか。」
と根掘り葉掘り聞き始めたので、僕は早く行きましょうと、促したのだった。
王様の元へ着くと、何やら少しピリついていた。
「おお、よく来たな。早速なんだが、メーアという町を浄化してきて欲しい。」
「わかりました。」
すると、王様は少し渋い顔をしてもう一つお願いをした。
「それともう一つ、メーア町に出てくるという、謎の魔獣を調べて欲しい。」
「謎の魔獣?」
どうやら、最近巷で悩ませている謎の魔獣。その魔獣はどうやら翼が生えている馬だそうだ。
「お願いできるだろうか。」
すると、チユはなんだかテンションが上がっているらしく、立ち上がって、
「もちろんです!」
と、腕を胸に当てていった。
こうして、僕たちはメーア町に向かうことになる。




