三十話 パーティ当日
チユ目線に戻ります。
パーティー当日、この国の聖女こと西森千癒はテンションが爆上げしていた。
「マジ綺麗!それは誰でも惚れるっしょ!」
と、高笑いしているこの女性は紛れもなくこの国の聖女である。
そして、目の前にいるこの女性は、この国の公爵令嬢でありアーサーの婚約者のアイラ・ローレンスである。
「そ、そうかしら?まぁ?私ぐらいだったらこのドレス着こなすのも当然ですわ。」
と、少し照れつつもそう話すアイラ。それを見たチユは満足そうにし、そしてちょいちょいと手を振りアイラを読んだ。
「ふっふっふっ!これから髪と爪と化粧もしますよー!」
そう言って取り出したのはレンに作ってもらったネイルと、ドライヤーでだった。
「これは……?」
アイラはドライヤーを見て不思議そうな顔をする。
「本当はヘアアイロンが欲しいんだけど、ドライヤーしかないからこれで頑張ってアイラちゃんの髪をストレートにします!」
アイラはまたまた不思議な顔をする。
「スト、レート?」
「髪をまっすぐ内巻きにします。」
すると、アイラはしばらく自分の髪を見る。何か思うところがあるのか不安そうな顔をする。
「この髪……、癖毛で尚且つ縦ロールが治らないの。本当に直るかしら?」
「任せな!」
「……分かったわ。信じてみる。」
こうして、縦ロールを真っ直ぐする作業が始まった。
まず、髪を濡らして、引っ張りながら乾かす。そしてサイドを内巻きにする。
それが終わったら冷風にして乾かして完成。
そして爪をアイラの好きな赤色に塗り、乾いている間にナチュラルメイクを施して完成!
「す、すごいですわ!こんなに可愛くなるなんて!」
「ふふふふふ。」
こうして、アイラはいつもとは雰囲気がガラッと変わった女性に変身したのだった。
「どうかな?アーサーに会えそう?」
「ええ!実はさっき行く前に、王宮の人間が私とアーサー様じゃ釣り合わないという話を聞いてしまった後だったの。でも、これで自信を持って会えますわ!」
こうして、アイラはアーサーに会いに行ったのだった。勿論、私も後を追うが、私もまだ準備が終わっておらず、後少しなのでそれが終わってから行くことにした。
「少し遅くなっちゃった。」
そう言い、急いで私はアイラの元へ向かった。すると、遠くの方で
「もう、嫌!」
と声が聞こえた。何事⁉︎と思いさらに急いで向かうとそこには泣きながら走り去るアイラと俯いているアーサーの姿があった。
「え、え、何事⁉︎」
すると、アイラは私の方を振り返って言った。
「やっぱり、私じゃアーサー様に釣り合わなかったのよ……。」
そう言って走り去っていったのだった。
私はすぐさまアーサーに話を聞く。
「ねぇ、何やったのよ。」
「僕は別に……、ただ、さっきそこでアイラの悪口を言っている奴がいてね、少し懲らしめようと思ったら少ししくじってしまったよ。アイラに聞かれていた。」
「それで、なんでアイラがこんなになるのよ。」
すると、アーサーは語り始めた。
それを聞いたチユはすぐにアイラの元へ向かうのだった。




