二十一話 ギャルと王子 その一
私、西森千癒ことこのランネス王国での聖女チユは、ブルーム村への初めての浄化、討伐を終え、国に帰宅した。
まぁ、色んな事が起きたけど結果ハッピーエンドで良かったって感じ?
レンにドライヤー完成図を見せ別れた日、部屋でゴロゴロしていると、コンコンとドアを叩かれた。誰やろ、レンかな?なんて呑気なことを考えていたら、ララの声が聞こえた。
「第一王子アーサー・ランネス様がお越しです。」
「へ?何で?」
と声が漏れ出たがとりあえず、ドアを開けた。すると、私の目にはとてもじゃないが直視出来ないぐらいの美貌がキラッと効果音がつくほどニコッとしたので、つい、
「ぐっ!美の暴力‼︎」
と、言ってしまった。
「こんばんは、チユ様。色々バタバタしていて挨拶が遅れましたが、私はこの国の第一王子アーサー・ランネス。是非アーサーと呼んでください。」
「こ、こんばんは〜。」
と、目を逸らしてしまう。まず呼び捨てなんて無理だから。……無理だからぁ‼︎それにしても私に何の用だろうか。王子が私のところに来るなんて……、考えられるのは、私が何かやらかしたか、私に気があるのか……それはないか。チラッとみると王子はニコ笑っていた。
「え、何か用でも……?」
そう聞くと、少し中に入っても?と言われた。そういえばずっと外だった。やっべ。
私は王子を部屋にお通しして、部屋の椅子に向かい合って座った。そして王子がメイド達を下がるように言った。
王子は先ほどまでニコニコしていたのにメイド達がさがった瞬間少し真剣な顔になった。
「それで、要件というのは?」
「チユ様は、レンと仲がいいのかい?」
と、聞かれる。仲はいい方だと自分では思っているので仲良いですよ〜と答える。すると、少し申し訳なさそうに言う。
「ならやっぱり言ったほうがよさそうだ。実はレンはもうすぐ護衛魔術師を外されるんだ。」
「え⁉︎……そういえば臨時とは言ってたけど。」
「君はレンのままがいいのかい?」
と、聞かれる。そりゃ、今まで仲良くしてきたのだ。今のままの方が楽しいだろう。
「もちろん!」
そう答える、が申し訳なさそうに言う。
「だとしても一回は外すそうだ。なんでも伝統的にチユ様に選んでもらう必要があるからね。」
「そうですか……。」
あれ?でもそれだけを伝えにきたのだろうか。だってそんな事言われなくてもレンを選べばいいだけの話でしょう。
「でもなんで、教えてくれたんですか?」
「それは、俺はレンを選んで欲しいと思ってね。最近レンが楽しそうなんだ。」
と、楽しそうに笑う。様子を見るに随分と仲が良さそうだ。私はレンとの関係性を聞くと、
「親友なんだ。」
と笑われた。そして王子はもう一つ。と人差し指で一を作る。
「多分だが君のお披露目パーティがそろそろあるはずだ。それで、そのダンスレッスンやその他諸々の関係で俺が近くにいることが多くなる。だからそれを含めての挨拶をしようと思ってね。急に王様に呼び出されて言われても混乱するだけだろう?」
「それは……そうっすね。気遣ってくださりありがとうございます。」
そう私が深々とお礼を言うとにぱぁぁ!と笑い、
「俺は君と仲良くなれたらいいなと思ってるんだ。よろしくね。」
と言い部屋をさっていった。それにしてもイケメンだった。アニメの世界の人間だわ。いや召喚の時に見てたけど近くで見るとヤバい。語彙力なくなるけど、ヤバい。
こうして、私はレンが護衛魔導師を外される日をソワソワしながら待つことになってしまったのであった。




