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聖女はギャル!  作者: 如月冬香
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十七話 ルテスちゃんとの再会!

 ようやく、ルテスちゃんのいる崖の上に到着する。ルテスちゃんはここに咲いている花を採っていたようだ。多分だが……昨日話していた、お兄ちゃんのダスくんが好きな花なんだろう。

「お姉ちゃん、お兄ちゃん……。」

と、ルテスちゃんは、僕たちを見て呟く。すると、チユは、走ってルテスちゃんのところへ行き抱きしめた。僕もチユの後を追って近くに座る。

「何……やってんの⁉︎」

と、ガバッと顔を上げたチユが叫ぶ。

「ルテスちゃん、危険な森だって、分かってたよね⁉︎」

「……うん。でも……。」

「でも、じゃないんだよ。」

「……お兄ちゃんの好きなお花どうしても採りに行きたかったの。ごめんなさい。」

チユは、眉を顰める。言いたいことが沢山あるのだろう。だけど、ルテスちゃんの気持ちもわかるから。

「ルテスちゃん、それでも、危険な森に入って、命を落としてしまったら、お兄ちゃん悲しんじゃうよ。実際、あの時僕たちが湖を探すのが遅れていたら、もしかしたらルテスちゃんは、命を落としていたかもしれない。本当にそれほど危険なんだよ。」

すると、ハッとした顔になる。己がした事の重大さを理解したらしい。

「……ごめんなさいっ……。」

と、泣いて謝った。

「無事で……よかったぁ。」

こうして、やっとチユは心からホッとすることができた様だ。だが、ルテスちゃんの顔が暗い。そういえば、さっきなんか言っていた様な……。

「お姉ちゃん!お兄ちゃん!私、湖に元気になるクッキー落としちゃったの!せっかくおじさんが、特別に作ってくれたのに……。拾いに行かないといけないの!」

「それってもしかして黄色い袋に入れてた?」

「うん……。」

それを聞いた僕は師匠の元へ向かう。師匠が、似たような袋を見つけて持っていたはずだ。

「師匠、袋ありますか?」

「あぁ、持ってるぞ。何かあったのか?」

「それが……。」

僕は今の話を師匠に話す。すると成程……、と言いながら徐に袋を取り出した。

「ほいよ、ちゃんと言えよ。クッキーは湖の中だってことを。」

「そうですね。」


 僕は、チユと、ルテスちゃんの元へ戻る。

「これ、ルテスちゃんの言ってたクッキーの袋であってる?」

「うん……。」

「多分ね、クッキーは湖の中に落ちちゃったんだ。」

「そんな……。」


 すると、崖の下に後片付けやら、調査やらで残っていた騎士達の声が聞こえる。

「なんだこれは⁉︎」

「どうかしたのか?」

「まて、なんだか、暖かいぞ⁉︎」

と。僕たちも、クッキーを探しに行かないといけないので、何事かと思いつつ、ルテスちゃんを師匠が抱き抱え、下に降りた。すると、疲弊していた騎士達がみるからに元気になっている。

「何か、あったの?崖の下から声が聞こえるぐらい騒いでいたみたいだが。」

そう僕が聞くと、ある青髪で、青い瞳をしているどこかで見たことあるような騎士が僕に話しかける。

「実は、先ほどどうしても喉が乾いたという騎士があの湖の水を一口飲んだらしいのです。すると、みるみる元気になったそうで。なんなら、でかい傷は直らなくとも、擦り傷など小さい傷は治ったそうなんです。」

「そんなことが起こるのか。……もしかして……。」


もしかしたら、聖女の力なのかもしれない。でも、過去にそんな事例は……なかったはずだ。


「そして、湖の中にクッキーと思われる残骸が残ってました。何故かは分かってないのですが……。」

「もしかして、それか?ルテス嬢ちゃん、落としたクッキーってのは、元気になるクッキーだったよな?」

「うん。お菓子屋さんのおじちゃんが、最近、私のおじいちゃんが元気ないからってくれたの。」

でも、そんなにクッキーだけで元気になるか?多分だが、これは、

「クッキーの成分と、チユの浄化がうまく噛み合ってこんな状態になっているんじゃないか?もう少し、調べる必要がありそうだ。」

「はい、それともう一つ。湖にお湯が沸いてます。」

……なんて?

「もう一回、言ってくれるか?」

師匠も急すぎて、理解ができなかったようだ。

「ですから、お湯が沸いてるんです。」

「なんで⁉︎」

チユも含め僕たちは叫んだ。もう頭がハテナ状態だ。さっきから情報量が多すぎる。

「え!マジで⁉︎てことは温泉じゃん!」

オンセン……昔、聖女様が我慢できずに作ったと言われる、外で入るお風呂。

「俺たち騎士の見解だと、湖の邪悪なものが塊となっていて、それが、お湯が出ている場所を塞いでいたが、浄化したことによりなくなり今お湯が出ている状態なのではないか、という予想です。」

「成程なぁ。」

と、ハインリヒも、髭を触りながら頷く。大方その通りだろう。

「そして、その塊が取れたことによってか、岩が削れたのでしょう、結晶が取れました。これは魔導士方にお渡しします。」

「これは!」

僕は思わず声を出す。

 何故ならば、この村に来てからすっかりと忘れていた、ドライヤーを作るのにいる魔導石だったからだ。忘れていた、というより作るのが面倒なのでわざと探していなかっただけだが。

「これ、何ー?」

おっと、待てよ?チユは魔導石の外見を知らない……、という事は作らなくて済む⁉︎

「ただの魔導石さ。」

これで、誤魔化せる!と思っていた瞬間、

「これ、ドライヤー?だっけ、でいるって、レンが言ってたやつじゃねーか?」

と、聞きたくない言葉が聞こえた。この声は……、師匠だ。

「……師匠。」

「あぇ?どした?」

僕は無言のまま、師匠を吹き飛ばすのだった。

「ドライヤー作れるじゃん!!やったぁ!」

という声を聞きながら。


こうして、僕はドライヤーを作ることが決定したのだった。

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