十三話 えっと、なんか凶悪化してね?
森に入ってから八時間が経過した。朝の七時には森にはいったので、今はまだ十五時ぐらいだろうか。まだ、根源の湖には着いていない。
「くっ!」
「はっ!そりゃっ!」
と、騎士が、魔物と戦っている。実物があるタイプの魔物だ。レン達もすかさず攻撃をした。流石に皆んな疲労が見えている。
「……がんばって……。」
と、チユは、皆んなの無事を、木の影から祈っていた。
数時間後。魔物は無事制圧され、先に進む事ができるようになった。
僕、レン•ユーリスはある疑問を持っていた。それは、一向に湖に辿り着かない事だ。それはなぜかというと、倒したはずの魔物が、ピンピンに元気になって戻ってくるのだ。湖の場所が分かっているのにつかないのはそれが原因だった。
当初は、あれ?なんかさっきの魔物と似てね?ぐらいだったのが確信に変わったのは、最初に倒した時についた傷がまだついていたからだ。他の魔物も、何故かピンピンしているが……前につけた傷は残っていたのだ。それに気づいたのがたったの三時間前だ。
「やっぱりさっきの魔物、一時間前に逃げた魔物の傷と一致してたってよ。」
「やっぱり、戻ってきた魔物だったんだね。」
そう、師匠と会話すると、師匠が頭を抱え始めた。
「早く湖に着きてぇーー!なんなんだよ!あの魔物ぉ〜!戻ってくるなんて聞いてないぞ!」
と叫び始めた。それを無視し遅めの飯を食っていると、さっきまでご飯を作る手伝いをしていたチユがこちらにやってきた。
「レン!怪我とかしてない?これ持ってきたけん食べて?」
そう持ってきたのは村で買ったであろう元気になるクッキーだった。怪しいが、食べてみることにした。
「確かに少し元気になるんだな。すごいね、このクッキー。」
「やっぱり?一個買っといたんだー!」
とニコニコしていた。
「私、なかなかやるやろ!」
と、ニコニコ顔からドヤ顔に変わった。
「そうだね。」
と、僕は軽く受け流すのだった。
昼を食べてから、また湖に向かい進む。まだ、村長の孫のルテスちゃんは見つかっていない。
「ルテスちゃん……。」
と、チユも心配な様だ。
「大丈夫だよ、きっと。僕たちで見つけよう。」
そう言って僕はチユを励ますが、まだ不安な様だ。うっすらとチユは頷くだけだった。
やっとのことで湖に着くが、魔物はもぬけの殻だった。
「なんだ……?何故魔物がいない!」
「落ち着くんだ、俺たちが全部倒しただけの話じゃないのか?」
「それにしては魔物の気配が消えてない!」
と、いつもと違う様子に騎士達は戸惑いを隠せない。それは、僕たちも同じだった。
「おかしい、そうは思わぬかレンよ。」
「ええ、おかしいと思います。ハインリヒ殿。」
すると、髭ニコ先輩も、師匠も頷く。
「だよなぁー、おっかしいよな。だって魔物の気配がプンプンするもんなぁー。」
と、師匠は頭をかき、ニコ先輩は警戒をしているからか目つきが怖く、なんというか悪人みたいな顔になっている。
「そろそろ来るぞ。」
そう、ニコ先輩が言うと森の奥からまた魔物の声が聞こえてきた。
「来るぞ!」
「聖女様!ここは僕たちに任せてここの湖の浄化をお願いします‼︎」
と、騎士達が構え始める。その間に僕と他の魔導士とチユは湖の近くに行く。
「行こう、チユ。」
「オケ。」
こうして、チユは舞う準備を始める。
元々聖女の服は着ていたので剣を持って舞い始める。僕はチユの少し後ろでチユを魔物から守る。初めて浄化するので、僕たちも不安だったが、幸いチユの周りに光が出始めた。
だが、いつまで経っても湖が浄化されなかった。
「チユ様!まだですか!」
「くっ……!早くしてください!」
と騎士達も魔物を食い止めるのに限界を感じている様だ。僕たちも戦っているが、これはかなりヤバいかもしれない。すると、チユの動きがピタっと止まる。
「チユ……?どうした‼︎」
チユは膝から崩れ落ちる。なんだか体を震えている様子だ。
「大丈夫か⁉︎」
僕がチユの方に駆け寄ると、チユはこちらに縋り付く。
「やばい!浄化出来ない!!」
そう、チユは叫んだ。
この話が抜けていたみたいです。気付けてよかったです。




