十二話 ダスくんの妹が⁉︎
今日は浄化をする日だ。僕は気合を入れて身支度をする。それにしても今日はなんだか空気がザワザワしている。今日は早めにチユ様の元へ向かおう、そう思った時、バタバタと足音が聞こえたかと思えば、ドンドン!と激しくドアを叩かれる。僕はいきなり過ぎてビクッと肩を震わせる。
「うおっ!え、誰?」
そう聞くと、
「入るぞ!」
と、師匠の声が聞こえる。入ってきたのは、師匠ことキーラと、ニコ先輩ことエディー先輩が入ってくる。相変わらずエディー先輩はオレンジ色の髪は整えてはいるが髭のせいで見た目が濃い。なんだが二人は深刻そうな焦っているような顔をしている。
「どうかしたの?」
そう聞くと師匠が口を開く。
「村長の孫のルテスって子が、行方不明になった。」
「え。」
僕は言葉を失ってしまう。昨日は、そんな素振りもなかった。いや、誰かに連れ去られたのか?どんどん嫌な考えが頭をよぎる。
すると、またドタバタと足音が聞こえ、
「チユ様!待ってください!」
と、トトの声が聞こえた。どうやらチユもこちらに来たようだ。珍しい、今日はとても早起きだな、なんて場にそぐわないことも思ってしまう。
「レン!ヤバいよ!どしよ!ルテスちゃん行方不明やって聞いて、ヤバいよ!」
と、語彙力のない言葉を話しがながら部屋に入ってくる。いつも語彙力がないが今日は焦っているからか特別語彙力がない。それから……眉毛がない。だが、眉毛以外の化粧は完成されており前髪を上げている状態だ。
「今聞いた。落ち着いて、チユ。」
そういうと、チユは、おけ、と一言言って深呼吸する。遅れてトトもやってくる。
「はぁはぁ、ごめん、急に出て行ったからびっくりしちゃった。チユ様はまだ行方不明のところまでしか聞いてない。レンは?」
「僕もそこまでしか……。」
「それじゃぁ、俺が話そう。」
とエディー先輩が口を開く。
内容はこうだ。今日の朝ルテスちゃんのお兄ちゃん、ダスくんがいつも通り早くに起きて家の事をしようとした時、いつも隣に寝ているルテスちゃんがいなかった。すぐにおじいちゃんこと、この村の村長にこの事態を説明し、ダスくんは辺りを探した。すると、お菓子屋さんのおじさんがルテスちゃんは森の方へ行ったのを見たと言う目撃情報が入り森の近くに行くとハンカチが落ちていた。ということは、ルテスちゃんは自ら危険な森に行ったと言うことになる。お菓子屋さんのおじさんも、ルテスちゃんは森が危険だとわかっていたため森には入らないと思い込んでいたらしく、すごく責任を感じているそうだ。
「……と言ったところだ。」
と、エディー先輩は、話終わる。
「成程。」
「マジか……。」
「ハインリヒさんは、魔物を浄化をしながらルテスちゃんを探すのが最適なのではと考えているそうだ。君たちもそれでいいだろうか?」
と、エディー先輩は僕たちに聞く。魔塔のトップを誇っているハインリヒさんは今回魔導士の指揮をしている。つまりは全ての最終決定はハインリヒさんに委ねられている。
「ハインリヒさんがそういうなら僕はそれでいいと思う。」
「私も!」
こうして、浄化と捜索が並行して行われることが決定した。
「……は!待って待って待って!はぁ?無理無理無理無理‼︎」
と、決定した次の瞬間、チユはどうやら化粧の途中だという事を思い出したのだろう。とても焦っている。
だが、他のトトや、師匠、エディー先輩は、事情を知らない。ギャルはメイクが命だという事を‼︎……ちなみにこの言葉はチユが言っていたので本当かどうかは分からない。
皆はギョッとチユ様の方を向く。何かがあってからでは遅いのだ。
「はぁー!待って、こっち見んで⁉︎ま、眉毛っ!」
と言ってうずくまる。
「チユ様⁉︎何かあったのですか?」
と、トトが心配している。
「チユ様?大丈夫かい⁉︎」
と、師匠も困惑気味だ。
「チユ様、どうかされたのですか?」
と、エディー先輩も、あわあわする。
僕は、そんな様子が面白くて面白くて。そんな状況ではないのに。だから僕は部屋の枕を顔に当てて笑いを堪えるのだった。
「いや、笑ってるやん。」
と、チユに突っ込まれたのは聞かなかったことにしよう。
「あの、本当に大丈夫なんで、あの、顔だけは見ないでもらってもいいですか?」
と、いつものギャルの口調とは変わり丁寧に話す。
「はっ!キーラ、髭ニコ!部屋から出るのだ!」
と、流石にトトも察したようで部屋から追い出す。
「僕は良いわけ?」
「いいですか?チユ様。」
「え、うん。レンは大丈夫。」
「それは、なんか複雑。僕、化粧道具を取りに行ってくるよ。ララに言えばいい?」
すると、よろしくぅ!と二人に言われ僕は化粧道具を取りにチユの部屋で待機しているであろうララの元へ向かった。内心嫌だなーと思っていたらあっという間にチユの部屋に着いたのだった。
チユのメイクが終わり、いよいよ森に入る時間になった。先に騎士の方々が入り、その次に僕達。そして後に続くように、魔導士が入る。ちなみにその魔導士の周りにもちらほら騎士がいる。チユを守る為だ。
「緊張するね。」
「そうだね。でもいつも通りのチユだったらきっと大丈夫。」
「うん!」
こうして、僕たちは森に入ったのだった。
森の木陰に黒く長い髪をした女性がいました。その女性は森の中に入って行く軍団を見ていました。その中心にいる金の髪をしたある女性を見て思ったのです。今回はお話が出来るかしら?と。そして女性は今までの境遇を思い巡らすのです。そして久しぶりに見る青空の下で改めて思うのです。
「それでも私は許せないのです。」
そう呟き、その女性は静かに暗闇に消えたのでした。事が終われば、きっと彼女は金の髪をした女性に会いに行く事でしょう。
「楽しみね。」
その言葉は誰も聞こえていない。
明日上げるつもりだったんですけど、明日は忙しくて上げれないかもしれないので、今日上げようと思います‼︎
もし、誤字があれば気軽に教えてくださると嬉しいです。すぐ直せるように頑張ります!




