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聖女はギャル!  作者: 如月冬香
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十一話 ブルーメ村巡り

ブルーメ村についてから一晩明けた今日、チユと村を回ることになった。今日は何もないのかと言うと、あるにはある。浄化する日は明日なのだが、今日の夕方から聖女の歓迎会があるそうだ。歓迎会といってもそんなに長いものではないらしい。村長曰く、明日は浄化や討伐があるのに遅くまでしているのも良くないだろうとのことだった。

 さて、何故チユとブルーメ村を回ることになったかと言うと、チユはここの村の食べ物に興味があり、僕はここの魔導石に興味があってお互いの利害が一致したからである。

「うわ!これ、口の中がパチパチする!」

「本当だ!噂は本当だったんだね!」

チユと、僕が食べているのはパチパチラムネ。かつて聖女様が見つけたパチパチの実で作ったとされるラムネだ。

「これは……みかん味??」

「そうだね、みかんの味がするよ。」

「待って、みかんあるの?」

「あぁ、三代目聖女様がある日隣の国に見つけた赤色の果実を食べた途端、この味はみかんだ!とその果実をみかんだと名付けたんだ。」

と、僕は昔気になって調べた知識をチユに話す。こんなところで役に立つとは……。

「なんか、詳しくね?」

「なんか、みかんと聞いて気になって調べてただけだよ。」

「ふぅーん。」

と、話しながら村を歩く。歩いているといろいろ面白いことが沢山あった。あるお菓子屋さんでは「元気になるクッキー」と言うものが売ってあり、それを一気に沢山の量を食べたおじいちゃんが倒れていたり、他にも「口から煙が出るジュース」をチユと食べると本当に煙が出たりと面白かった。それに対してチユはいろいろ反応していた。

例えば、おじいちゃんが倒れた時は、

「え⁉︎おじいちゃん倒れちゃったけど⁉︎アレ大丈夫?あぁ……運ばれちゃったぁ。」

と、反応したり、口から煙が出るジュースを飲んだ時は、

「きゃぁぁ!本当に煙出たーー!ひゃー!楽しーー!」

と、ジャンプしていた。その反応を見るたびに面白くて、僕は魔導石を見るのを忘れていたのだった。そうこうしているうちにもう夕方になった。

 そろそろ帰ろうか、となった時、あるお花屋さんで見覚えのある女の子を見つけた。それは、村長の孫ルテスだ。

「こんにちは〜!ルテスちゃん!」

と、チユが声をかける。結構遠くから。

「あ、こんにちは。聖女様。レン様。」

と、ペコリと挨拶する、が心なしか元気がないように見える。

「こんにちは、ルテスちゃん。なんだか元気がない気がするけど大丈夫?」

と、僕がルテスちゃんに聞くと、みるみる悲しそうな顔になる。

「え、え、どうしたの⁉︎何かあったの?」

と、チユが慌てるくらいには悲しそうな顔をしている。

「あのね、お兄ちゃんもうすぐ誕生日なんだけどね。」

と、ルテスちゃんは話し出した。

 どうやら、お兄ちゃんが好きなお花をあげたいらしいが、最近の邪気のせいで花が枯れており、売ってないのだそう。

「お兄ちゃん、本当に大好きなんだ、あのお花。昔、ママが好きだったんだって。だからあげたいんだ。最近はおじいちゃんも元気がないし。」

と落ち込む。そんなルテスちゃんを見て僕たちは絶対に浄化、討伐をしてみせると心に誓うのだった。

「絶対、浄化するからね!」

と、ルテスちゃんの手を掴みぶんぶんとし、チユは叫ぶ。

「僕も、討伐や、チユのサポート頑張るよ。だから、もうすぐお花見れるからね。」

「うん……。誕生日に間に合う?」

「それは……分からない。どうゆうお花なの?良かったらお兄さんたちが採ってあげるよ。」

「黄色くて小さくて……ううん、大丈夫!ありがとう、聖女様、レン様!」

と、笑顔を見せる。すると、すかさずチユが、

「私、聖女様より、チユとか、名前で呼んでくれると嬉しいな!」

とお決まりの言葉を言う。

「うーん、じゃぁ、チユお姉ちゃん、と、レンお兄ちゃん?」

「僕はいいよ。」

「いいね、そう呼んで!しばらくこの村にあるけど仲良くしてね!」

「うん!」

こうして、ルテスちゃんと仲良くなるのだった。



 ルテスちゃんとも別れ、一旦部屋に戻る。これから歓迎会があり、聖女としての正装を着る為だ。その為、一応メイドが数人来ている。それが、姉のララと二個下の妹トトだ。

 この二人はチユが召喚されるまで、王族直々の暗殺部隊にいた。ちなみに滅茶苦茶に強い姉妹で有名だ。何故この二人がチユのメイドになったかと言うと、俺の負担を少しでも減らせれるように今回からこっそり護衛をつけることになった。というか、丁度辞めるところだったらしく、二人が進んでメイドになった、と言うのが真相らしいが。

 チユの部屋に着くと、例のメイドが待機していた。

「あら、レンこんにちは。」

「レーン、久しぶりぃー!」

と、灰色の髪を纏めてお団子にしている姉のララと、姉と同じ髪色のハーフアップを黒いリボンで結んでいて、結んでいる毛先がユラユラと揺れている妹のトト。二人とも灰色の瞳で目が笑っていない。

「チユ様、そろそろ正装に着替えましょうね。」

とニコニコと微笑みながら姉のララが言う。

「おっけー!じゃ後でね、レン!」

と、チユと僕は別れる。僕も正装に着替えないといけないからだ。

 ちなみに僕とこの姉妹、実は面識がある。何故かと言うと、あの髪を染める魔導具を作った理由がこの姉妹だからだ。この姉妹はいつも僕に何かしら作らせようとする。しかも暗殺で使うもので、だ。だから、面識があるのだ。

 それに、僕は妹のトトはまだいいのだが姉のララが苦手だ。雰囲気は柔らかくニコニコしている割に目が笑ってなく、というか一回だけララの殺気を見たあの日から僕は彼女のことが苦手……と言うか怖いのである。

まだ、妹のトトは、滅茶苦茶強くて怖いが純粋で明るくて可愛いと思える。まぁ、妹と僕は同い年なので、親近感もある、といった方が正解かもしれない。

 こうして、歓迎会を迎え、浄化の日がやってきた。

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