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聖女はギャル!  作者: 如月冬香
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十話 ブルーム村へ その二

 「て、ことは、魔導石取れるかもしれないよね?」

と、ニマニマしながらチユは僕に聞いてくる。


 国王からの話が終わり部屋までの帰り道、また「ドライヤー」の話に戻り、今に至るのだ。

「ま、まぁそうゆうことになるかも……?」

「ふふふ、絶対浄化するけんね!そしてドライヤーを作る!」

さっきまで良いことを言っていた聖女チユ様はどこへ行ったんだ……。

「ねぇ、声にでとるけど?聞こえてますけどぉ〜?」

おっと、声に出てた様だ。

「準備をしないといけないね。」

と、僕はチユに言う。

「それな〜。」

と、意味のわからない言葉で返された。

「……ソレナ、ってなに?」

「あー、えっとねぇ、そうだよねー、みたいな意味。……だった気がする。」

「なるほどね。おもしろい、僕も使おっかな。」

「使いな?」

それから、お互いそれな?と言い合い、複数回言った後お互い吹き出したのだった。

 気づいた時には部屋についていて、いつも通り過ごす。ただいつもと違ったのは準備をしたことぐらいだろうか。

 そして、あっという間に二日が過ぎたのだった。



「じゃーいってきまーす。」

そう、仲良くなったメイドに声をかけるチユ。

「なんか、前より仲良くなってる人多くなってる気がするんだけど……。」

「え?うん!みんないい人達だもん!」

「そっかー。そう言えばこれから馬車で三日はかかるけど大丈夫?」

「え?大丈夫だけど?」

何故僕がそんなことを聞いているかと言うといくら王族の馬車でも一日半も乗れば腰が痛くなってしまうからだ。他のみんなは僕を含め慣れている。だがチユは初めて馬車に乗る。僕が最初に馬車に乗った時も腰が痛かったり馬車酔いをして笑われたもんだ。本当に慣れたら大丈夫なんだけどね。

「一応、酔い止めと湿布を貰ってきたから。後、お尻の下に敷くクッション。」

「座布団?」

「…‥クッションだよ。」

「ははっ。じゃぁ、一応飲んどこっかな酔い止め。」

と、まだ余裕の表情だ。さて、これからどうなるかな……。


 ブルーメ村へ着き馬車を降りる。他の魔導士や騎士は荷物を片付けたり、一足先について森の下見などしていて今、ここにはいない。多分もうすぐ来るだろう。

「ふぅー、ついたついた。」

ふと、横を見ると隣でなんだかうずくまっている人がいる。

「い゛、痛い……。」

と、チユが腰を手で押さえてうずくまっていた。

「くくっ、大丈夫……っ?」

「笑わんでよ……っ!」

最初の余裕の表情が嘘みたいに青い。僕が爆笑し、チユにキレられていると前から声がした。

「ようこそお越し頂けました。私はデア•クリトンと申します。こちら二人が、兄のダス、それから妹のルテスです。」

「こ、こんにちは。」

「このようなところまでようこそお越しいただき、ありがとうございます。」

 どうやら、ここの村長が挨拶に来てくれたようだ。

 村長の後ろからひょこっと明るい茶色髪でボブの女の子が見える。そしてその隣にはシャキッと同じく明るい茶色髪でそばかすのついた男の子がいる。孫だろうか。

「何歳ー?」

とチユが聞く。さっきまで腰が痛いとうずくまっていたのにもう復活している。いや、若干顔色が悪いな、我慢しているな。

「えと、僕が四日後誕生日で十二歳になります。妹は七歳です。」

ぺこりと妹が頭を下げる。

「そうなんだー!おめでとぉ〜!……って待って、やばい。」

と、ダスくんのお祝いをしていたと思えば急にチユは口を押さえる。まて、なんだか嫌な予感がする。

「……でる。」

「おい、まて、ここで出すな……っ。来たばかりなのにすみません、ちょっとお手洗いかりますね。」

「あぁ……、それならこちらが近いですよ。」

と、村長に案内されトイレへ行く。そしてチユはトイレを見た瞬間、猛獣のようにトイレへ駆け込んで行った。そしてしばらくして艶々の状態でこちらに戻ってきた。……過去にこんな醜態を出した聖女様はいるのだろうか。いや、後にも先にもチユだけだろう。そう僕は確信する。戻ってきたチユは何事もなかったかの様に話し出した。

「ご挨拶が遅れました、私、西森千癒と言います。良かったらチユと呼んで下さい。浄化、頑張りますね。」

と、聖女らしく言った。

「おぉ……っ!チユ様、わざわざ有難うございます……。お疲れでしょう、部屋に案内しますね。」

と、連れられて部屋に案内される。

案内された部屋は、村の寂れた様な雰囲気とは違い、明るく綺麗に整えられていた。そして部屋に入った瞬間チユは顔を覆いうずくまった。よく見ると耳が赤い。

「……チユ?」

そう、僕はチユに問うと、

「はぁぁぁぁ!やらかした!レン、私やばい聖女だって思われたかな??」

「まぁ、今も十分やばい聖女だと思うけど、さっきのはなかなかだと思うよ。……ククッ。」

堪えていたのに、笑ってしまった。だって冷静になって先程までの状況を思い返すと、面白くてたまらない。

「安心しろ。今日の出来事は、俺の孫まで語り継がせるさ。」

そう言うと、チユはこちらを睨み、

「やめろ!笑うな、語り継がせるなぁぁ!!」

と。部屋にあった枕を投げつけるのだった。……地味に痛かった。


 そんなこんなで、やっとブルーメ村に着いたのだった。

二話連続で上げちゃいました。

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