付与の仕方の違い
あの後も戦闘を続けてレベルが16になった。
「スキルを取得したほうがいいよね。」
僕は数時間にも及ぶ戦闘の後そう呟くのだった。
「確かスキルショップがあったはずだから、
補正スキルを買うか。」
そして街に戻り商店エリアに向かったのだった。
「すみません。
スキルオーブを見してください。」
僕はそう言ってスキルオーブを見せてもらい、
耐性系のスキルと補正スキルを購入したのだった。
「結構使っちゃったな。」
僕はスキルを買うのに相当なお金を使ってしまい落ち込んだ。
けれどもそれ以上に僕自身も強化できたのでそれでよしとした。
補正スキルで買ったのは、
MP、知力の補正スキル2つだった。
耐性スキルは、
物理耐性、魔法耐性、全属性耐性
全状態異常耐性
5つのスキルだった。
そして補正スキルと耐性スキルをレベル50にすると、
魔法耐性と物理耐性が物魔耐性に変化した。
全属性耐性は合計30%カット。
全状態異常耐性も25%カットプラス状態異常効果半減。
物魔耐性は25%カット。
「これで少しは耐久力上がったよね。」
とりあえず僕は有り余るLPを知力に割り振るのだった。
「少しやりすぎたかもだけど大丈夫だよね。」
僕はそんなことを呟きながら拠点に戻ったのだった。
「今日は武器に色々錬金していくか。」
現状僕は武器という武器を持っていなかったので適当に買った鉄の剣を用意した。
「とりあえずはここに斬撃強化と自動追尾とかでいいかな。」
僕は陰陽術で作った札に斬撃強化と追従が付与した。
後はこの札の効果を剣に移植できればいいんだけれどもそれが難しい。
なぜなら金属を金属に移植することはできても、
全く異なる素材故に移植する難易度がかなり変わってくるのだった。
「まずは無理やしてみてそこから少しずつ試していくか。」
錬金板の上に札と剣を置いて錬成した。
まぁ予想通りで粉々になってしまった。
「どうしたらいいのかな。」
いろいろな方法を試してみることにした。
剣の中に札を入れるなどした。
追従はしたが斬撃力などは一切変わっていなかった。
「やっぱり付与効果そのものを移植できたらいいって感じだよね。」
色々試した結果それが1番ということだった。
だが陰陽術のみが使用できる追従という効果。
斬撃強化は普通に鉄の剣に付与できたが、
追従だけが付与できなかった。
「陰陽術は魔法陣を使わないから、
陰陽術特有の付与は使いづらいんだよね。」
陰陽術の付与は根本的に付与術と違う。
付与術は魔術的要素から付与をする。
陰陽術の付与は概念もしくは願いを形にして付与をする。
この差が錬金術での付与を困難にしていた。
「この技術は図書館にも書いてなかったし、
自力で見つけるしかないよね。」
今ままでの技術は図書館に行けば手に入れられることのできる技術しかなかった。
それゆえに今ほぼ初めての試みだった。
「やっぱりダメか。」
追従の効果を持つ札を粉々にして剣に塗りつけた。
とまぁ思い浮かぶのは無理やりというものだらけだった。
何かを改善しない限りは一生この状況が続くと容易に想像できた。
「けど対策の仕方がわからないんだよね。」
僕はその後もいろいろなことを考えるのだった。