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相談した末に

「それで話ってなに?」


お母さんをソファに案内したらそう聞かれた。


「みんなでショッピングモールに行った時の話でさ。

 実はあの時知らない男に引っ張られてその後、

 強姦されてそれがショックでいろんなことがいやになってしまっちゃたんだ。」


僕は少しいいずらく感じたけど、

しっかりと言い切った。


「なんでそれはやく言わなかったの!!」


お母さんはそう言って怒った。


「迷惑をかけると思ったから。」


僕はそう言った。

いつもその理由で自分を押し殺してきた。

だからついいつもの癖が出てしまったんだと思う。


「あのね晴。

 子供はね親に迷惑をかけるものなのよ。

 晴はかなり気にしすぎだと思うよ。

 でも話してくれてありがとうね。

 次からはすぐに言ってくれるといいな。

 それでその後どうしたの?」


「部屋にこもっていたら、

 お父さんから連絡が来て、

 明から色々説明を受けてそれで僕を励ましてくれたんだ。

 それで考え方を少しかえた方がいいと思ったから、

 だから少しポジティブに考えて生きることにしたんだ。」


僕はありのままそう伝えた。

お母さんは僕が説明している間は相打ちを打っていてくれた。


「そうね。

 今までごめんね晴。

 相当苦労してきたよね。

 お母さんが頼りなくてごめんね。」


お母さんはそれからずっと謝ってくる。

お母さんが悪いわけではない。

僕自身が臆病だったから起きたことなのに、


「お母さんは何も悪くないよ。

 だからそうなかないで。」


そういうしかなかった。

僕は誰かを慰めるなんてことをしたことがなかったから、

こういうしか思い浮かばなかった。


「お母さんどうする今日。

 泊まっていく?」


僕はお母さんに聞いた。


「大丈夫一人で帰るから。

 それじゃ元気でね。」


お母さんはそう言ってなぜか少し急ぎ出して僕の家から出た。


「何かあったのかな。」


僕はそう思った。

それでもお母さんに相談ができたというだけでも、

心がスッキリした気がする。


「大丈夫だ。」


僕は対面でも話せるようになっている。

性格も改善できたはずだ。


「とりあえずもう寝ようかな。」


お母さんと話していただけでもとうに十時近くになっていた。

そして僕はその後風呂に入り就寝したのだった。


ーお母さん視点ー


「もしもし明くん。」


私は晴の親友である明くんに電話をかけた。


『何かようですか?』


「いえ晴のことで少し。」


『何かあったんですか!!』


明くんは心配するかのように声を荒げた。


「大丈夫よ。

 ショッピングモールの時について話してもらって、

 そのことを夫に話してくれたお陰で、

 晴も勇気が出て私にも話してくれたから、

 感謝の言葉を告げようって思って。」


『そうですか。

 でもあんまり気にしないでください。

 俺的にも晴は笑っている方が好きなので。』


明くんはそういう。


「そうね。

 いつもありがとうね。

 晴のことを見てくれて。」


『いえ。

 俺も晴に励ましてもらったりするので。

 まぁ晴は気づいていないでしょうけど。』


少し苦笑いになりながらもそういう明くんだった。


「それじゃあ体調も気おつけてね。」


『晴のことよろしくおねがいしますね。』


明くんがそういうと電話は切れた。


「晴も成長したなぁ。」


私はそう言って空を見上げる。

空には満月が綺麗に輝いていた。


「私が枷になっていたのか。」


私はそのことがショックだった。

私は晴が自由でいられるように高校生になってから一人生活をできるように環境を整えた。

なのにそれが仇になってしまって、

私に迷惑をかけないように行動をしてしまっていたとは。


「私ってほんと情けないね。」


本音が溢れる。


「涼さんに迎えにきてもらうか。」


私は携帯を取り出し涼さんに迎えにきてもらうのだった。

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