最悪な1日
「しけてるなぁ。
まぁいいか。
あとで体で払ってもらうし。」
僕はその言葉で絶望した。
僕は男の時もそうだった。
いつも運が悪かった。
そして性別が変わってまでも運が悪かった。
だから僕は諦めることにした。
どうせ足掻いたって無駄。
それは僕がすでに経験していることだった。
幸い下着は男物だからそれで飽きてくれればいいけど。
そんなことを思うのだった。
「まぁいいか。
とりあえず入ろっか?」
そしてその男は多目的トイレを指差して、
僕の方に手を置いた。
「わかりました。」
僕はそのあと犯された。
だけでもその時の僕は何かする力も勇気もなく。
ただただされるがままでいることだった。
「それじゃまたどこかで。」
その男はそう言って僕の写真を撮りどこかに言った。
男がさったあと僕は惨めだなそう思いながらもなくことしかできなっかった。
「あぁ。」
何もする気が出なかった。
そう何も。
僕が持っているもの全てを奪われ。
初めてまでも奪われた。
その時の僕は争うことすらできなかった。
「どうしよこれから。」
やっぱり僕は外に出ると碌でもないことしか起きない。
だから僕は家にいた方が安全だ。
そう思った。
でもせめて周りに迷惑をかけないように、
なるべくさっきと同じように偽ろう。
僕はそう決めた。
そして僕のもつ携帯から電話がかかってきた。
「もしもし母さんどうかしたの?」
『どうかしたのじゃないでしょ。
晴今どこにいるの?』
「一人で買い物したくなったから一人でいるだけだけど?
僕はやっぱり一人の方が慣れちゃってるからさ。」
『それでも一言ぐらい言わないとダメでしょ。
とりあえず雲雀と別れたところに戻ってきなさい。』
「わかった。」
お母さんにそう言われてそう返事しただけだった。
「やっぱり僕はダメだな。
髪の毛も戻して服は大丈夫か。」
幸いあのチャラ男は服を脱がして犯してきたため服に白いものはついていなかった。
「とりあえずこれで大丈夫かな?」
僕は思い出しながら戻るのだった。
「晴本当に心配したんだから。」
「ごめんお母さん。」
「まぁ何事もなかったのなら大丈夫だけど。」
「やりたいこと無くなったから家に帰っていい?」
「あのね晴?どれだけ迷惑をかけたと思ってるの?」
「お母さん。そこまで言わないであげて。
私が悪いかったから。
晴をそこまで責めないであげて。」
「そう。
まぁいいわ。」
そうして僕ら家族は半分喧嘩状態で家に帰ったのだった。
「それじゃ僕はこの辺で。」
僕の住むマンションで僕はそう言って別れた。
「待ちなさい晴!」
お母さんはそう言って僕を追いかけようとするけど、
まだ僕が若いと言うこともあり僕は自分の家の鍵を開けて閉じこもるのだった。
「晴!開けなさい!!晴」
お母さんはそう言ってドアを叩く。
でも僕はもう耐えられなかった。
「もう無理だよ。」
僕は布団に入ろうとした。
けどこの体のままで痛くなかったから風呂場で体の隅々まで洗い。
そしてかってもらって申し訳ないと思いながらもその白のワンピースを捨てたのだった。
風呂から上がり僕は何もする気が起きなくて、
布団の中に入った。
「ほんと僕はバカだな。」
自分に対して暴言を吐くしかなかった。
そうじゃないと僕はさらにネガティブ思考に陥ってしまうから。
「あんなみるからに怪しい人と話してさ。
バカだよな。
性別が変わったから何か変わるかも?
なぁ〜んて夢見たけどやっぱり現実は変わることはないんだね。
こんな姿だからかな。」
僕は嫌気が差してきた。
こんな容姿になってしまったこと。
あまりにも不運すぎる僕の人生のこと。
「はぁ。」
僕がため息をつくと。
インターホンがなった。
「お母さんもいいいからどっかいって!」
ドアまで向かい僕がそう言った。
すると帰ってきた声は、
「晴?」
明の声だった。