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はたして俺の異世界転生は不幸なのだろうか。  作者: はすろい
六章 帝都ガラニス 
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観光

「起きろ。起きんか、アルマ」


 体を揺すられている。

 目を覚ますと、目の前に居たのはコユキだった。

 なんとなくだけど、久しぶりの感覚だ。起きるのが異様に早いコユキに起こされる気分は。


 いや、この場合は俺が起きる時間が遅いのか。

 ここのところずっと、死霊術師を追う日々だったからな。目を覚ませば死霊術師の事を考えてばかりで、気を張り続けていた。


 俺は診療所の地下から帰って来たのだ。

 ユウリが死霊術師を切り伏せた後、ユウリとともにグレイ家へと戻って来たのだ。夜も更けていたため、カシム達は寝静まっていると思っていたのだが、起きて待っていたのだ。


 俺やノアは、ユウリの治癒魔法のおかげで体力的には万全だったのだが、心労のせいかくたびれていた。


 俺達が帰って来た事を確認したコルナはすぐに就寝したが、カシムからの質問攻めに会い、なかなか眠ることができなかった。そんな中でユウリとカシムが意気投合しているのが印象的ではあったが、ついに限界が来た俺は眠ってしまった。


 そして今、コユキに起こされることとなった。


「朝食ができておるぞ」

「カシムか」


 そんな会話をして、ゆっくりと体を起こす。

 居間へ向かうと、カシムとコルナが出迎えてくれた。卓上には朝食が並べられている。


「ノアはまだ起きてないのか」


 俺以上にあいつには心労が溜まっていただろうからな、仕方ない。

 椅子に座り、朝食を口に運ぶ。


「ところで、いつ頃王都に帰るんだい?」


 カシムの質問に少し考える。

 確かに、俺が帝都に来た目的は果たした。ならば王都に帰ることができるのだ。王都に帰って、ギルダに報告して、その後にエルと一緒にサンタナ領に戻ることができるのだ。

 だけどそうだな、このまま王都に帰ると言うのは少し名残惜しい気がする。


「数日は居ようと思う。帝都を観光したいしな」


 思えば調査ばかりで街を見て回るほどの時間はなかった。

 その埋め合わせ、みたいな事をするのも良いだろう。


「ならば妾が案内してやろう」


 俺の発言を聞いて、コユキがそう提案した。

 そう言えば、帝都に来てすぐの頃はコユキは観光してばかりだったな。今思えば手伝えよ、という感じだがコユキらしいと言えばらしい。


「じゃあ頼む」


 そう短く返しておいた。

 今日の予定は帝都の観光に決まった。いや、今日から数日の予定が決まった。


 そして朝食を済ませ、コユキと家を出た。


 コユキが行くところは大体飲食店ばかりだった。家族連れで賑わう店から、ガラの悪い輩達の怒号が飛び交う酒場まで。


 朝から夕方まで食べ歩いて、食い倒れた。

 これ以上の容量が無くなった胃袋の圧迫感を感じながら、明日からは飲食店以外のどこかに行こうと決めた。

その際はコユキを同行させるのはやめておこう。


 満腹状態の俺は、コユキと共にグレイ家へと帰った。


 扉を開けて、帰りを告げようとしたその時。

 ただいま、と口にする前にノアが飛び込んできた。


「アルマさん!コルナさんが!」


 ノアから告げられたのは、コルナが産気づいた、という事だった。

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