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はたして俺の異世界転生は不幸なのだろうか。  作者: はすろい
六章 帝都ガラニス 
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真相へ続く階段

 コユキの力によって、俺の目の前に出現した氷塊は風に吹かれたかのように霧散した。鋭利な氷塊に貫かれた神父は地面に落下し、その場から動くことは無かった。


「この教会の中を調べるぞ」


 したり顔でこちらを見ているコユキに対し、俺は慌てるように告げた。何も言わないままコユキに発言を許していたなら、恩の押し売りを始めると思われたからだ。


「む・・・まあ良いわ」


 俺の予想通り、コユキは自らのすごさを誇示する気満々だったのだろう。発言を許さない俺の提案にどこか不満そうに頷いて見せた。

 そうして俺とコユキは教会内部の調査を始めた。


 教会には並ぶ木製の長椅子と、俺と同じくらいの背丈をした男を模った像、その像の前に棺が置かれている。像の方はどこかデュオクスに似ている。

 そんな教会の出口側を俺が、像と棺が置かれている奥の方をコユキが調査する。


 そうして数分後、俺の方では満足な結果を得ることが出来ずにいた中でコユキが声を上げた。


「アルマ、こっちにこい」


 そう言って手招きをするコユキの方へ近づく。俺が十分に距離を詰めると、コユキは棺を指差した。


「これを見ろ」


 コユキが指摘したのは棺、それに施された鍵穴だった。


「教会に棺があること自体不思議だったのだが、この鍵穴は特におかしい」

「悪い、俺にはいまいち何がおかしいのか分からない」


 俺は棺や教会には慣れ親しんでいない。だからコユキが何をおかしいと言っているのか、俺には分からない。

 そんな俺の言葉に呆れたような表情を浮かべた。


「この棺は偽物、ただの置物だ。そんな置物にどうして鍵穴が必要なのだ?」

「棺には鍵穴が必要なんじゃないのか?」

「鍵をかけるにしても南京錠を使うであろう」


 そうなると確かにこの鍵穴は不可解だ。本来であれば棺に備わっていない機能が施されている。となれば、これにはオブジェとしての役割以外に何かがあると考えていいだろう。


「よし、鍵を探すぞ」

「うむ」


 俺たちは鍵を探すべく、再び各々で調査を始めた。


 とりあえずは神父が持っていないかを調べるべきだろう。

 そう考えた俺は神父の死体があった場所を見る。

 しかし、そこには神父の死体は無く、神父が身に着けていた衣服だけが残っていた。


 まさか生きていた?いや、だとすれば衣服だけを残した理由はなんだ?


 その衣服に近寄ってみると、そこには灰が散らばっていた。

 俺はこの灰をどこかで見た覚えがある。軍服のアンデッドを殺した時だ。奴を殺した時と同じように神父が灰になった、ということが無意識的に理解できた。

 つまり、あの神父はアンデッドだったということだ。


 ということは神父は死霊術師では無かったのか?いや、死霊術師がアンデッドでない、とは言い切れない。

 そんな思考を駆け巡るのを理解しながら、神父の衣服を調べる。

 すると手に当たる堅い感触。感触の正体は鍵だった。


 それを持って再び棺の方へ。それを視認したコユキもまた、棺の元へ歩み寄る。

 言葉を交わさずに鍵穴に鍵を挿し、捻る。

 そして手に伝わる確かな感触。錠が外れた感覚だ。

 その直後、重い音を立てて棺が動く。移動した棺の下から、暗闇で満たされた階下へと続く階段が現れた。

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