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はたして俺の異世界転生は不幸なのだろうか。  作者: はすろい
六章 帝都ガラニス 
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協力者と協力者

「ここです」


 ノアの足が止まったのはとある小店だった。看板には魔道具と書いており、どこか寂れた雰囲気を漂わせる店だ。


「なんで?」


 自然と口から出た言葉。それは疑問。

 滞在場所が宿でもなんでもなくどうして店なのか。当然疑問に思うことだ。


「その辺は長くなるので、まずは入ってからにしましょう」

「ほれ、行くぞ。アルマよ」


 何一つ疑問を感じていないのか、コユキは迷いなくノアの後をついて行った。


 俺もコユキの後をついて行き、店に入った。

 店の中は棚に置かれた魔道具らしき物とカウンターが設けられていた。なんとなく駄菓子屋っぽい。


「いらっしゃい。ってノア君・・・とそちらは?」


 カウンターの奥で手を振る優しげな男。

 口ぶりからしてノアとは仲が良いようだ。ここに滞在してるんだから当たり前といえば当たり前だが。


「前にあった協力者です」

「ああ、なるほどね。奥に来て」


 言葉通り、カウンター横にあった通り道から奥に進む。

 その先は変わったところは何も無い、普通の民家だった。


「まあ座って」

「はあ、失礼します」


 俺は妙に畏まった態度を取り、置かれていた椅子に腰を落ろした。

 他の三人も同時に座る。


「では、早速。こちらがこの小店の店主、カシム・グレイさんです」

「カシムです。よろしくね」


 ノアは続ける。


「そしてこちらがアルマさん、そしてコユキさんです」

「ノア君から話は聞いてるよ。遠路はるばるようこそ、アルマ君にコユキちゃん」

「よろしくお願いします・・・」


 どこかぎこちない言葉遣いをしている俺を見て、カシムがくすくすと笑った。


「そんなに固くならなくて良いよ。普通にして良いから」

「じゃあ、カシムって呼んで良いか?」

「構わないよ」


 どこからどう見ても、ただの温和な男だ。

 単に優しさからノアを滞在させているのか。

 いや、ノアが俺たちを協力者と称してなんの疑問も抱かないあたり、多少の事情を知っているのだろうか。


「なあ、質問なんだが・・・」


 言葉の途中で、階段から誰かが降りてくる音が聞こえた。音で判断するに、だいぶ遅いペースで階段を降りているようだ。


「あ、ごめん。ちょっと待ってくれるかな」


 そこでカシムは席を立ち、階段を上がって行った。

 それから数秒後、赤みがかった茶髪の女性を階段から転ばないように支えながらカシムは降りてきた。全ての段差を降り切り、余っていた椅子に女性が座る。


「紹介するよ。僕の妻、コルナ・グレイだ」

「どうも、カシムの妻のコルナです」

「そしてなんと、妊娠十ヶ月でーす!!」


 さっきまで落ち着いていたカシムが、ここで一番大きな声を出した。

 その言葉通り、コルナの腹部は膨らんでいる。その中には胎動する赤ちゃんがいるのだろう。


 その後、カシムによるコルナ自慢は三十分ほど続いた。


* * * * *


「こほん」


 カシムの話に区切りがついたところで、ノアがわざとらしく咳払いをする。ここから本題に入るという合図だろう。隣で寝そうになってるコユキを起こしておくか。


「アルマさん達にはここでしばらく滞在し、帝都にて活動してもらいます」

「その前に、カシム達はどこまで知ってるんだ?後、どんな関係?」


 ここに来て真っ先に浮かんだ質問をしておく。カシムの話がヒートアップしたせいでなかなか切り出せずにいたが。


「そうですね。そこからですね」

「それは僕から話そう」


 落ち着きを取り戻したカシムが手を上げる。


「僕が知っているのは君たちが死霊術師を標的にしていること。関係となると・・・ギルダの知り合い、と言ったところかな」

「どうして協力しようと思ったんだ?」

「僕もね、見たんだ。歩く死体を」


 カシムはひとつ息を吐き、また口を開いた。


「その時からコルナのお腹には子供がいたんだ。だからかな、その死体を見た時恐怖で震えたよ。この町にやからな何者かが潜んでいて、そしてコルナと僕たちの子供に危害が及ぶんじゃ無いかってね」

「そこでノア君が来たのよ。最近変わった事はないか、って調査しに来てね。それから旦那が家に迎え入れたの」


 すごいスムーズに迎え入れたな、カシム。


 つまり重要な事は大体知っていて、その上で協力してくれてるってわけか。俺と同じように協力者ということだ。


「ノアは拒否しなかったのかよ」

「旅行客として来てるのは良いんですけど、それで宿に長期滞在するのは怪しまれるので。渡に船、ってやつですね」


 ノアもノアだな、これは。

 でも確かに旅行客が何ヶ月も宿にいるとなれば、疑わしく思われることもあるだろう。まあ、良い判断か。


「大体わかった」

「では本題に入りましょう。まずは・・・」


 それから一時間半ほど帝都での活動方針を伝えられた。 

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