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はたして俺の異世界転生は不幸なのだろうか。  作者: はすろい
五章 王都騎士団
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ギルダの要望

 ノアとの決闘を済ませた俺たちは、再びエルの執務室に戻ることにした。

 その途中。


「団長!お疲れ様です!」


 エルがやけにお堅い挨拶をした。

 その相手は騎士団長。


「む?おお、アルマじゃないか!」


 つまりギルダだ。

 俺を認識したギルダは、道を塞ぐようにして話しかけてきた。


「どうして、と問うまでもないな」

「ああ。その通りだよ」


 エルに会いにきた、なんて言うまでもない。


「エルリアル、これからアルマと話すのか?」

「話は・・・既にたくさんしました」


 俺の知ってるエルじゃない。俺の記憶の中のエルはこんな丁寧な言葉遣いは出来ない。

 この様子を見るに、しっかり師団長とやらは務まっているみたいだ。


「そうか、なら少し借りてもいいか?」

「アルを、ですか?」

「ああ」


 何やら俺を借りるだのなんだのと話を進めている。俺がその話に参加していないにも関わらず。


「のう、お前がいないところで話が進んでおるぞ?」


 どうやらコユキも同じことを思っていたらしい。


「このままではお前、長いことここに置かれるのではないか?」

「まあ時間はあるし、それでも構わないけどな」

「それは妾もそうだが。つまらん話よりはお前の幼い頃の話をもっと聞きたいのう」


 俺とエルの話に全く参加していなかったから退屈しているのかと思いきや、案外楽しんでたんだな。


 エルとギルダが話している間、手持ち無沙汰になった俺とコユキはそんな会話をしていた。

 だがその会話はギルダの声によって中断される。


「よし、アルマ。こっちに来てもらおう」

「はあ。そうだ、コユキはどうする?」

「妾は行かん。退屈そうだからな。エルリアルと話して、暇を潰すとしようかの」

「じゃあ、コユキちゃんはこっちね」


 遠ざかるエルとコユキ。その後ろに居たノアはこちらに、というよりギルダに一礼した後、二人の後をついていった。


 それを見届け歩き出すギルダ。その後を俺はついて行った。


 やがてギルダの足はある部屋の前で止まった。その部屋は両開きの扉がついており、明らかに他の部屋とは一風変わった雰囲気を醸し出していた。

 扉の上には『騎士団長室』と書かれている。


「入ってくれ」


 ギルダの声に従い、俺は足を踏み入れた。

 その部屋は執務室の三倍、もしくはそれ以上の広さだった。それに置かれているインテリアも見るからに高そうだ。


 なんだか自分が場違いな気がして萎縮してしまう。


 と、緊張している間にギルダは自分のデスクについた。

 俺はその辺にあった椅子を、デスクを挟んでギルダと相対すように置き、それに座った。


「まずはありがとう。騎士団を救ってくれたこと、感謝してもしきれない」


 妙に張り詰めた空気の中放たれたギルダの第一声は、感謝だった。頭を深く下げ、その意を表している。


「いや、それはもういい。あくまで俺の目的はエルだった。その礼はクレシオに言うべきだ」


 実際、騎士団の優先順位は二番目くらいだった。俺にとって一番大事だったのはエル、それは事実。

 騎士団を救いたいと考えていたのは俺ではなくクレシオだ。俺が感謝されるのは、なんかクレシオの手柄を横取りしたみたいで悪い気がする。


「そうか、そう言ってくれればこちらの気も多少楽になる。気遣い、感謝する」


 認識が微妙にズレてる気がするが、まあいい。


「それで、そのために俺を呼んだ訳じゃないだろ?」


 感謝だけなら廊下でも出来る。

 ここに呼ぶ理由は他にあるはずだ。


「そうだな、それでは本題に入ろう」


 ギルダは口の端を僅かに吊り上げた。


「アルマ、騎士団に入れ」

「断る」


 俺はギルダの提案を間髪入れずに拒否した。

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