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はたして俺の異世界転生は不幸なのだろうか。  作者: はすろい
三章 神都
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神との邂逅

 今は昼頃だろうか。

 俺が馬車で目を覚ましたのがおそらく早朝だったことを考えると、山を登るのに五時間以上かかっていることになるな。


 そんなことを考えながら歩いていると、神殿が目前に迫っていた。

 そして神殿の前にはユウリが言っていたように門番が二人居る。あいつらにこの手紙を見せればいいのか。


 門番二人に近づき、声をかけた。


「悪い、話を聞いてもらってもいいか?」

「む?ああ、構わんぞ」


 俺は二人いた門番のうち、髭を蓄えた壮年の門番に話しかけた。

 彼は意外に友好的な反応を見せた。

 神殿に近づくことすら咎められるかも、なんて考えていたが杞憂だったらしい。


「これ、見てもらっていいか?」


 俺は手紙を門番に手渡した。


「手紙?この封蝋・・・おい!」


 封蝋を確認した門番はもう一人いた門番に声をかけ、二人でも話し合っていた。

 数秒でその話し合いを終えると、壮年の男は俺の方に向き直った。


「これはユウリ様からの手紙だな。デュオクス様に謁見したいのだろう?」


 デュオクス・・・というのは神の名前だろうか。

 だとすればこの質問には頷くべきだな。


「そうだ。通らせてくれるか?」

「ああ、構わんぞ。くれぐれも失礼のないようにな」


 なんというか、ラフだな。

 もっと堅苦しいものかと思ったがそうではないらしい。


「それじゃ」


 そう言って神殿へと続く階段を登り出した。


 俺がデュオクスに聞きたいのは一つ。

 エルの身に起きたことの真相。それだけだ。


 どうして俺を忘れていたのか。

 どうして俺ではない男をアルマだと認識しているのか。

 そのことにあの男がどう関係しているのか。


 あの男は全くの無関係で他の別の事柄が間接的に絡んでいる、という可能性もあるが。

 そこまで考えて、俺はその考えを捨てた。


 あの男が無関係なはずが無い。

 俺をアルマだと知っていたこと。その上で俺を嘲笑うかのような態度をとったこと。そんな男が無関係であるというのは無理がある。


 そこまで考えると、俺の中でより深まる疑問があった。

 それはソフィアのことだ。

 チャンスがあれば、これもデュオクスに聞いてみようか。


 いや、神といえどそこまで知っているのか?

 ユウリは神は大抵のことは知っていると言っていたが、全てを知っているとは言わなかった。

 心配しても仕方ない。聞くだけ聞いてみるか。


 それにしても神殿までの道を誰も同伴しないのはどうなんだろう。警備が甘いのでは?


 そんなことを考えている内に、長い階段を登り終えようとしていた。

 すると、俺の視界にその男が入った。


 玉座に肘をついて座る紫の髪をオールバックにした男。

 その佇まいには神々しさがうかがえた。

 男の瞳は俺を見据え、その視線に俺は僅かな畏怖を覚えた。


「よく来たな!アルマ・エンブリット!私がデュオクスだ!」


 神殿に男の快活な声が響き渡った。

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